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恋に恋して愛を語ろう 女の子の場合

私は最近好きな人が出来ました。その人は学校の先輩です。部活動で知り合いました。てもまともに喋ったことはありません。だって先輩ですから。


でも、いいんです。部活に行きさえすれば会えるのですから。部活の時間中は一緒にいられるのです。先輩を見ていられるのです。今だってほら、絵の具を拭った手で顔を触るから絵の具がついちゃいましたよ。これはチャンスではないでしょうか?そっとハンカチを渡すべきでは?それをきっかけに話をすることができるのでは?


でも私にはそんな勇気はありません。結局、隣の人が先輩をからかいます。先輩は鏡を見ながら綺麗なウエスで拭い取っています。あっ、髪の毛も弄ってます。ちゃんと髪型も気にしているんですね。でも先輩、前ばかり気にしては駄目です。後ろの毛が少し跳ねていますよ?ええ、ほんの少しですけど。多分、私以外の人は気付きません。でも私には分かります。だって、いつも見ているから。


先輩は自分の絵を他の人に見せて感想を聞いています。結構みなさん、歯に着せぬ批評をされています。先輩は少しムッとしますが次の瞬間は笑っています。でも私には声を掛けてくれません。私に感想を言わせてくれるのなら絶賛するのに!もう先輩が勘弁してくれって言うほど褒め上げるのに!世界で一番あなた(の絵)が好きっ!って言えるのに!


ちょっと白々しすぎますか?でもそんな機会は訪れません。先輩にとっては私はただの後輩です。もしかしたら名前も覚えてくれてないかも・・。


先輩、それでも私はここに居ますよ。あなたをいつも見ています。私の秘密日記にはあなたへの思いが綴られています。今、2冊目です。私の宝物は部の新入生歓迎会で撮った集合写真です。先輩は私の後ろで私の肩に手を置いてくれました。今でも思い出すだけでご飯2杯はいけます。でも出来ればもっと大きな写真が欲しいです。スマホは持っていますがどうしても撮れません。緊張で手が震えてせっかくの美しいお顔がぶれぶれです。でもいいんです、こうしてまぶたを閉じればいつでも先輩を思い出せます。耳を澄ませば先輩の笑い声が聞こえてきます。


でもそれだけです・・。恋とはなんと我侭なのでしょう。ひとつ、宝物を手に入れるともっと別の宝物が欲しくなります。そこに満足という感情はありません。常に新しい何かを求めてしまいます。今日は先輩が3回も笑った。今日はなんだかしんみりしている。今日はいつにも増して真剣だ・・等々。


この思いが先輩に届く日はあるのでしょうか。いえ、ないと思います。私は口に出す勇気も持ち合わせていない。私なんかに思いを伝えられても先輩が迷惑するだけです。


でも・・、でも、でもっ!


思い続ける事ぐらいは許されますよね?これは私のわがまま。でも偽りない私の思いです。


そして私は今日も部室へ向かいます。絵はそんなに得意じゃないけど先輩の好きなことなんですもの、私もがんばって好きになります。そしていつか私の絵を見て声を掛けてもらうのが目標です。


そんな私の思いが天に通じたのでしょう。なんと私の絵が賞を取りました!しかも先輩と一緒です!我が高では私と先輩だけです!


これは転機です!絶対先輩が声を掛けてくれます。ああっ、私はどうすればいいのでしょう!先輩は褒めてくださるでしょうか!がんばったなとねぎらってくれるでしょうか?


私は、私の名前が乗った雑誌を手に先輩に報告すべく部室へ向かいます。


この雑誌は先輩の下にも届けられているはずです。でも、先輩は私の作品に気付いてくれたでしょうか、気に入ってくれたでしょうか?

いえ、ここで弱気になっては駄目です。我が高では私と先輩だけなんですよ?絶対見てくれています。


でも・・、通知自体は手紙で自宅に届いたし、先輩と一緒の受賞と判ったのだって一緒に届けられた雑誌を見て知ったのだし・・。しかも先輩は金賞、私は入賞。掲載ページも違っていたし・・。


大体、先輩は私の名前を知っているのだろうか?高校の名前も出ているから先輩と同じ学校の生徒だとは思ってくれただろうけど、誰だっけ?なんて首を傾げられたらへこみます。


ああっ、考えれば考えるほどネガティブになってしまう。駄目よ、さゆり。思いは現実化しやすいの。だからポジティブに考えなきゃ!そう、これは私と先輩が出会うプロローグなのよ!この事をきっかけに親密になるの!


そして私は部室の扉を開ける。そこには私と同じ雑誌を手にする先輩がいた。


その雑誌には私の作品と名前が載っている。

作品名 想い・・ 白百合女学園 1年 七瀬さゆりと・・。



作者より

はい、ちゃんとオチがありました。しかも完璧じゃないですか?このオチ。本当に最後の最後に思いつきました。それまでは私の中では先輩は男でした。みなさんだってそうでしょう?それが女学園の一文字で大どんでん返し。すごいな私、天才かもしれない。・・んな訳ないか。


でも、これもエッセイじゃないな。う~んっ、なにが悪いんだろう?

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