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第四十八話

 合宿二日目。

 初日はあの後は練習というよりは軽いレクリエーションのようなものをしてから食事とお風呂を済ませてそのまま就寝・・・とはいかなかった。

 年頃の娘が三人集まってお泊りと来たら何もせずに眠れるはずもなく、取り留めもない世間話も混ざっていはいたもののメインの話題はやはり恋バナなわけでして、どんな内容だったのかは諸事情により割愛させていただきますとも。

 千穂ちほ──婚約者が居るって言っていたちょっとのんびりした話し方の子のほうね──と婚約者──四歳年上で学園のOBで今は付属の大学に通っているのだとか──の人との馴れ初めのお話だったりはとても興味深かったのだけれども、前世も今世も合わせて恋人居ない歴を更新中の身には少しばかり刺激的過ぎる内容もあったのでやっぱり割愛。

 もう一人の一年生、勢いのある喋り方をするほう──凪咲なぎさは私と同じく年齢とイコールで恋人居ない歴を更新中で今のところ自分の恋愛には興味がないのだとか。ただし、別の高校に通っている幼馴染が居て何事も起こらなければその人と結婚するんじゃない?と語っていた。まあ、その幼馴染の人との間でこれまでそういう関係や雰囲気になったことはないらしいけれども。

 とにもかくにも少しばかり寝不足気味で迎えた合宿二日目の朝に温かいお味噌汁が優しい。コテージを二棟貸切で泊まってはいるものの食事についてなどは自炊ではなく、コテージの管理をしているご夫婦がいて食事についても用意をしてくれていた。昨夜に少しだけお話を聞いたのだけれども、ゆったりとした雰囲気の素敵なご夫婦でした。


 「それじゃあ、今日の予定を言うよー。ここから十分ほどのところに湖があるので今日はその湖畔でスケッチをしまーす。あと、その湖では湖水浴も出来るので午後からは自由行動とするから希望者は水着を忘れないことー」


 ああ、それで荷物の欄に水着って書いてあったんだね。どうしようか、せっかく持ってきたのだし私も泳ぐことにしようかな。



 午後になって私たちは湖水浴場となっているビーチへと移動してきた。

 午前中までいた閑散とした静けさを湛える湖畔と同じ湖とは思えないくらいにこちらのビーチは賑わっている。

 今、私は浜辺に設置されていた更衣室で水着に着替えてから浜辺をひとり散策していた。

 自慢では無いのだけれども、着替えは結構早い方で、みんなよりも先に着替えを終えたあとに物珍しさから辺りを見て回ろうと思い立って歩き回っていたわけで、海水浴には行ったことがあるのだけれども湖水浴というものは初めてで海水浴場との違いなどが気になった次第なんだけれども。

 今、私はひとりで歩き回ろうと思った少し前の自分の考えに後悔しています。後悔先に立たずとは言うもののもうちょっと慎重になろうよ少し前の私。

 それでまあ、どんな厄介ごとが起きているかというと、こういう場所での典型とでも言いますか、


 「どっから来たの?キミ、カッワイイねー。オレら実は地元でさ穴場とかよく知ってんだよね」


 「水上バイクとか乗ったことある?興味あるなら乗せてあげるよ、キッモチイイよー」


 「あっちでバーベキューとかやってるからさ、肉あるよ肉」


 はい、ナンパですね。しかし、テンションが下がっていく一方の私を目の前にしてよくテンションを上げていけるものだと感心はするが出来れば他所でやってほしい。

 それにしても、清鳳学園へと進学してからこういう輩に出くわす機会が増えているような気がしないでもない。前世では一度も無かったというのに、そんなに今の私は無防備に見えるんだろうか?

 稔君と再会した時も絡まれたし、由美たちと買い物に出たときも実は出くわしているし、それ以外にも街を歩いているとナンパではないにしろ声を掛けられることが増えていると感じていて、もしかしてこれらはゲームとしての何かしらの影響があるのではと勘繰ってしまう。

 それはそうと、今はこの状況を何とかしないといけないのだけれども、さて、素直に退いてくれればいいのだけれども。


 「部活のみんなと来ているのでそういうのは遠慮しておきますね」


 「え、他にも女の子いるの?マジ、ラッキーじゃん」


 「じゃあさ、じゃあさ、他の子も呼んでみんなで遊ぼうぜ」


 「肉なら沢山用意してあるから安心してくれよな」


 デスヨネー、男子も居ると言ってもそこはスルーしてくるしで一向に諦めてくれる気配も無さそう。正直、経験値が少なすぎてこういう人たちの上手なあしらい方が分からないんだよね。

 稔君と一緒の時は稔君のおかげで事なき?を得たし、由美たちと一緒の時に遭遇した人は素直に退いてくれる人で助かったのだけれども。

 今回は何とかして一人で対処しないといけないと思うとかなり心細いよう。

お読みいただき、ありがとうございます。

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