第一話
連載初投稿です。
見切り発車なため投稿は不定期かも。
拙いですがお読み頂ければ幸いです。
はい来たー、来ましたよ。
これは、アレですね、所謂一つの転生?ってやつ?突然、前世の記憶を思い出しちゃうっていう一時期流行ったアレよね。
しかも乙女ゲーの世界とかテンプレすぎるでしょうよ、どうせなら剣と魔法の世界でチート乙なほうがなんぼかマシじゃないのさ。あ、でもそういうお話のテンプレだと奴隷を囲って逆ハー満喫とか爛れ過ぎですよね、誰得すぎて読者も付かないじゃない。でもでも?ファンタジー世界の定番と言えば聖女様~ってちやほやされて王子様とか騎士様とかに迫られてってのもアリよね、ってそれじゃあ結局乙女ゲーになっちゃうか。
それにしても覚醒というかなんというか、思い出すにしてもこのタイミングは流石に無いんじゃないかなと思うんだけど、転生させた神様(いるのかな?)はその辺どう思ってるのかしら?
私、只今、入試試験の真っ最中なんですけど!!
無事?に試験も終わったので現状を整理してみよう。
不幸中の幸いなことに最終教科で時間も終わりに近かったし合否にはあまり影響は無かったと思いたい。合格しても通うかどうかの問題があるけどそれはひとまず置いておこう。
取りあえず順番に考えていこう。
まず、私は本当に転生者なのかどうか?
これは、多分間違いない。前世の記憶はばっちり残ってるんだよね、死因まで。前世の私、享年18歳。死因は過労。受験勉強で根を詰め過ぎて倒れてポックリ。ははワロス。どうしても第一志望に行きたかったとはいえ死ぬまで頑張るとか笑えないわー、入試中に思い出すとかもしかして前世の私の怨念なのかもしれない。
じゃあ次、この世界はなんなのか?
これはまだ保留かな?取りあえずSFやファンタジーな異世界ひゃっほいではない、現代日本であるのは確かだけれど、確定するには材料が足りない。一応、私の名前、森山華蓮と、今日受験をした「清鳳学園」からおそらく前世の私が受験終わったらやり込むつもりだった乙女ゲーの「キュンして恋やぁ、パラダイス」の世界と推測される。本当に売る気があったのか疑わしい名前だけど、パッケ買いした私には文句を言う資格は無いんだろう。実際のところ(題名はともかく)ネットでの評判は結構な高得点だったみたいだから世の中不思議だらけだ。生憎と受験と重なってしまって未プレイの私は舞台背景と登場人物の紹介くらいしか情報が無いので確証が取れないのが残念だ。
入学後に攻略キャラでも出てくれば確証も取れるのだけれども、ストーリーやらイベントやら分からないのにこのまま入学してもいいものか(合格してればだけれど)悩ましいところですわ。良家の子女も多く通い国内屈指の設備や教師陣、付属の大学へほぼ確定のエスカレータとか魅力的すぎて入れるならば多少のデメリットには目をつぶってでも通いたいんだよね。
まあ次だ次、「キュンパラ」の世界だと仮定して私が誰か?だ。
同姓同名の別人でなければ森山華蓮はヒロインの名前の筈だけど、前世で年齢=恋人いない歴の私がヒロインとか正直ないわぁ。選択肢次第でどうにでもなっちゃうのか説明書には主人公の立ち絵と名前だけで人物像の説明とか無かったけど、前世の記憶と華蓮としての記憶が違和感なく混在している辺り、前世の私と覚醒前の私とで性格の違いはそんなに無いのかもしれない。あ、容姿は普通に美少女ちゃんでした、その辺は乙女ゲー(仮)補正に感謝ですわ。容姿を見る限り立ち絵まんまだったのでまた一つ推測を裏付ける要因が出来たってことで、これもう確定でいいんじゃないの?
最後、合格してる前提として「清鳳学園」に入学するかどうか?
これは・・・入学したい。
この世界で生きていくうえで「清鳳学園」のブランド力は魅力的だ。
それに、「清鳳学園」を受験すると決めたとき、両親は応援してくれた。華蓮も合格を得るために努力をしていた。融合した私がそれをふいにするのは違うと思う。
攻略キャラとのアレコレに巻き込まれるかもしれないけど、ゲームなら誰とも付き合わないノーマルENDもある筈で、大人しくしていれば案外、平穏無事に卒業できるかもしれないし。正直、パッケ買いするほど一目惚れしたキャラを生で見れるかもしれないのだ、流石に攻略できるとか、したいとかまでは思わないが生身の彼を観察できるという誘惑は抗い難い、ミーハーと笑いたくば笑え、だ。
いろいろと懸念事項はあるけれども、せっかくの第二の青春を送る機会を得たのだから謳歌しなければもったいないよね。目標はゆるく、のんびり、レッツエンジョイだ。