表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お蔵入り・・・  作者: 空彩緋色
2/2

序章;微睡の中で見る夢

分割です……。

あと3話ほどありますが取り急ぎ上の部分を。

なお、次回も早くて3日後となります…余裕があれば都度投稿します


10/2 どこからかもらってきたのか、発熱と共に寝込んでいてPc開いていません。

快復次第投稿させていただきます。申し訳ございません

――微睡みの中に落ちた私が見たのは懐かしい夢

それは、私が【七海碧】(私)だったころの夢。


驚くほど平和な世界で、驚くほど平凡に生きていた私の夢だった。


その世界の私は周りから見れば所謂、要領のいい子だったと思う。

勉強も運動もそつなくこなした。

友達の数だって多かったように思う。


……学校が終わって社会に出た後、失敗や先輩に怒られた事は何度もあるけど。

その都度、反省をして経験に変えてこれたはず・・・・・・。


でも、人生はそんなに甘くなかった。


ある日、突然私を襲った違和感。

いや体に襲い掛かった激痛は、まだ若かった私にとっては……

あり得ないとしか思えなかった病。


この世界に来ても……夢に見ても、いつでも私を弱気にさせる病。


――癌だった。

癌のステージⅣ。

いわゆる、末期癌といわれる病。

有効な治療法は現在の科学ではなく、薬物治療を持っても進行を遅らせていく事しかできない。

医者からは余命宣告をされた。


(私はまだ、こんなに元気なのに)


そんな思いだけが、私の胸の中にあったことを今も思い出す。

あの後の私は、職をやめ全てに絶望した。

出来る事なら、すぐ死んでしまいたいとすら思った。


どうして私が、なんで私が……そんな思いだけが重なっていく日々だった。

それでも、私を生きるという事につないでくれたのは、きっと両親が居たからだろう。


私以上に、涙を流し……悲しみ。

――そして慈しんでくれた。


そのすべてが私を、絶望から救い上げてくれたのだろう。

痛みと戦う力をくれたんだろう。


そう思い、夢の中ですら私は涙を流した。



……次第に生きたい。生きていたいと願うようになったのは言うまでもない。

けれど、現実は残酷だ。


蝋燭の日が、ゆっくりと蝋を溶かすように、病は私の体を蝕み……

命をすり減らしていった。


次第に、体を起こす事すら困難になった。

外を見るのすら、出来なくなっていった。


何度、両親に誤った事だろう。

何度、赦しを乞うた事だろう。


毎日、生きていたいと……ただ願い……親に感謝と謝罪を続ける毎日だった。


苦しさはあった、痛みもあった。

いくらかは薬でごまかしていく毎日だったが。

それも、次第に効かなくなっていく。

それに伴って、起きているのが難しくなっていく。


そうなってからは毎日、宙をさまよっている様だった。

今が何時なのか、此処が何処なのか……それすらもわからなくなっていく。

眼が開いているのか、手が動くのか……感覚があるのかどうかすら怪しくなっていく。


それでも【生きたい……生きていたい】と願った気持ちは、きっと届いたのだろうか……。

気づくと私は辺り一面が緑で大われる草原に、さっきまで寝ていたであろうベッドのシーツと……

掛け布団にくるまっていた。


……ここまでが、あっちの世界での私の夢のはず。

続きはまだあるのだけれど、思考が回ってくるという事は……そろそろ目覚めの時間という事なのだろう。

もう少しだけ、懐かしく痛く切ない夢に身を任せていたいのだけれど……。


一度目を開けてみよう。


そうして、私の意識は急浮上していく。



「……あれ?」

ふと顔に冷たい感覚を感じ、手を当てると涙がこぼれていた。


「……まだ、出ちゃうか」

もう、過ぎたことのはずなのに。

もう、戻れない筈なのに。

それでも、私の体が意識が反応してしまうのは。


きっと全てが私にとって忘れられない思い出なのだからだろう。


寝袋から出てテントの外へと出る。

んーっ、と背伸びを一つして辺りを空を見上げると……

まだ、月は落ち切っておらず……辺りは暗いままだった。


……もう行動を開始するか?

少し考えたのち、程よく残っている睡魔に負けて私はテントの中に戻っていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ