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クルリット  作者: Hide Akira
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魔術師・2

本部長が魔術師の姿を見て「あっ、あの、姿はアルディガーノ人だっ」と驚いた。


「なっ、何で分かるのっ!?」とティーナが訊くと、「別のアルディガーノ人を知っているんだ」と目を閉じて答えた。


マルクは、ゆっくりと立ち上がるとポトムより低いウォルティアを睨んだ。


そして青色の肌に白髪混じりの赤色の長髪から巻く様に下へ伸びた耳が見え、地球では見慣れない服装をしたウォルティアはマルクを緑色の瞳で見上げた。


「久しぶりですね、ウォルティアさん。まさか、小さい頃に遊んでくれた貴方が、魔術師だったなんて・・・・・・」


「こんな形で再びお前に出会とは・・・・・・」


「何故、貴方が?」


「何故? お前やアルシアに出会う前から私達はクルリット粒子の研究をして、クルリットボディを完成させた。そして惑星アルディガーノを滅ぼし、アルシアの様な知能を持つ人間が住む地球を理想の星へと『コーディネート』する。それによって更なる力を手に入れ、やがて全宇宙をもコーディネートする事が私達の計画だっ」


「・・・・・・そっ、そんな」


「今頃、アルディガーノは別の部隊が攻撃をしているだろう」


「なっ、何だって・・・・・・。かっ、母さんっ・・・・・・」とマルクは全身に力が入って震えた。


「私達の作ったクルリットボディの能力は錬金術。クルリット粒子を使ってゴーレムを生み出し、自由に操れる力だっ。そんな私達を誰かがいつからか魔術師と呼んだ。お前のクルリットボディとの大きな違いは、直接は何も攻撃できないがゴーレムがクルリット粒子で作られた物以外の生命体を殺せて、物を破壊する事もできるっ。素晴らしいだろっ!! ハッ、ハハハハ・・・・・・」


「なっ、何て奴らだっ」とポトムが両手のこぶしを強く震わせた。


本部長が「何て恐ろしい事を・・・・・・」と怒りが込み上げてきた。


「私達の知能には限界がある。若い奴らは知能を活かさず成長が見られない。だが、お前達は違った。姿こそ進化をしていないが、知能の進化のスピードは全宇宙で1番だ。その知能で物を発展させ、生物までをコントロールしている。今はほんの一握りの数しかいなくても、いつかその数が増えれば危険な人間だっ。だから地球と、先の発展が見えないアルディガーノを攻撃したっ!!」と言って笑みを浮かべたウォルティアの服を掴んでマルクは殴ろうとした。


「そう、その暴力的なのも地球人らしい。いつかお前達に殺られるのを恐れるなら、まだ発展途中のうちに滅ぼせば良いと言う考えもある」


そう言われるとマルクは手を放した。


「そろそろ良い時間だ。また会おう」とウォルティアは言うと紫色の光に包まれて球体になるとクルリットボディが包んだ。そしてゆっくりと後ろへ下がって海の中へと消えて行った。


ティーナが父親の後ろから顔を出して「追わなくても良いのっ!?」と訊くと、「今、ウォルティアを追ってもしょうがない・・・・・・。それよりっ、宇宙船は無いですかっ!?」とマルクは訊いた。


本部長が「今の地球に宇宙船は無い・・・・・・」と答えた。


「んぐっ、母さん・・・・・・」と空を見上げた。


本部長は、ゆっくりとマルクの所へ行くと「まずは本部へ戻ろって、この先の事を考えよう」と言って2人はヘリまで歩いた。


ポトムとティーナは必要な物を取りに小屋へと行った。


ポトムが「凄いなっ、マルクの打ったクルリット粒子。あんな大きなのを倒すなんて、まるで映画とかのビームみたいだったなっ」と興奮しながらリュックにディスプレイを入れた。


「アルシアさん、大丈夫かな・・・・・・」とティーナは服をリュックへと入れた。


そして2人も小屋を出て、ヘリに乗ると本部長の操縦で浮上した。


島から離れると「よしっ、この距離なら大丈夫だな」と本部長が言うとスイッチを押すと島は爆発して消えた。


ポトムが「なっ、何してるんですかっ!?」と本部長の行動に驚いた。


「あそこは我々が人工的に作った島だ。もう必要無い。データ等も悪用されては困るからな」


「あっ、そうですね・・・・・・」とポトムはリュックを強く抱きしめた。

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