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クルリット  作者: Hide Akira
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始まり

今から18年前の第2宇宙ステーション。


1人の女性宇宙飛行士が「アルシア、大丈夫?」と左肩に右手を置いて訊いた。


「大丈夫よ。この為に準備してきたんだから、絶対に成功させてみせるわ」ともう1人の女性、アルシアは笑顔で答えた。


するとキャプテンが「準備良いか?」とコクピットから無線で訊くと、アルシアは「OK!!」と力強く返事をした。


そしてハッチのロックが解除されるとハッチを開け外へ出て、すぐに近くの手すりを掴むとワイヤーを宇宙服に接続させた。


そこから宇宙ステーションに接触しない距離まで離れて地球を見ると夜のスコーピオン地区の上で、「凄く綺麗。どっちが宇宙何だろうって見間違えるくらい」と涙が流れた。


「こちら、第2宇宙ステーションのガルマーです。管制室、聞こえますか?」


「はい、こちら管制室。ガルマーキャプテン、どうしましたか?」


「アルシアの準備ができました」


「ガルマー、室長のノーバスだ。予定の21時に始めてくれ」


「分かりました」


「キャプテン、聞こえますか?」


「管制室と連絡がとれた。予定通り21時に始めてくれ」


「了解」と腕に付いた円柱型の小さなケースを開けると中から緑色に光る液体が飛び出て球体になった。


その頃、地球ではテレビにスコーピオン地区の上空の映像が映されて実験開始を待っていた。


そして21時、アルシアは球体を地球の方へ右手で軽く叩くと、飛び散って大きく波紋の様に繰り返し広がった。


空に広がる緑色の波紋を見た人々は泣いたり、笑ったり、手を叩いたりして、その美しさに感動した。


宇宙ステーションのクルー達も、その結果に感動して喜びあった。


そして微笑むアルシアは「・・・・・・成功した。さぁ、迎えに来て」と言ってワイヤーを外すと吹くはずのない風の様なので体が飛ばされ、何かに飲まれる様に姿を消した。


キャプテンとノーバス室長が「始まった」と呟いた。


この事は実験中のトラブルによる事故死として処理されて、宇宙から落ちたリンゴが作った波紋と言う事で『アップルリップル』としてニュース等で実験をした『宇宙飛行士アルシア・ノーバス』の名前と共に世界に広がり、人々の記憶に残った。


そして現在、ある小さな島の砂浜近くにある小屋に2年前から住んでいる、18歳の男女2人がいた。

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