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FPSPの理想と現実のギャップ  作者: 西本有大
2/3

第2話 本当の戦闘

謎の軍隊から攻撃を受ける有

偶然、銃を見つけた有がとる行動とは...

 有はそれらがアサルトライフル(AR)とハンドガン(HG)だとすぐにわかった。

 それぞれマガジンが2つずつあり、おまけにグレネードが2つ置いてあった。

 FPSを通して知りえた知識のおかげで武器の特徴や使い方はわかっている。

 が、一つだけ何なのかわからない装置のようなものがあった。

 気にはしたが今は一刻の猶予がない。

 有は二つの武器にマガジンを入れて、換えのマガジンを後ろポケットに突っ込み、

 HGは腰に挟み両手にはARを持った。

 (重!本物ってこんなに重いのか!)

 高校生の有にとって本物の銃なんてものは全くの疎遠のものであり、

 モデルガンとは比べものにならない。当然、撃ったこともない。

 しかもこれから人を撃つことになる。普通に考えればとんでもないことだ。

 しかし今の有にはそんなこと考えている暇はなかった。

 撃たなきゃ死ぬ。そういった状況だ。

 グレネードは一つだけにした。

 これだけでいいと思ったが奇妙な装置が気になった。

 どうやら腕につけれるようだ。

(こうか?)

 装置を腕につけ兵士達が来る反対の砂丘の上に向い、待ち伏せしようと考えた。

 

 部活を引退したてだったためある程度体は動く。

 でも訓練された兵に勝てるとはいくら考えても無理だ。

 有は砂丘の上から見下ろし、

 (数は14か...現実でいきなりキルレ14しろとか無理ゲーだろ...)

 FPSゲームのやり過ぎのせいかこれから本当の銃撃するのに心は不自然なくらい安定している。

 兵士達は有の足跡を追い隊列を組みながら走ってくる。

 (そろそろ射程内にはいるな...)

 立地からすれば有のほうが遮蔽物のない兵士達よりは有利だ。

 それだけを頼りに戦うしかないと有はARの安全装置を外し

 最後の覚悟も決めて...

 

 有のARが火を吹いた。

 

 しかし現実は甘くない。

兵士達も弾幕をはる。

 いったん砂丘を壁代わりし隠れた。

 (これが...戦争...)

 5発連射しただけで有にとって反動は想像以上にこたえたらしい。

 おまけに先手を打ったにもかかわらず誰にも命中していない。

 (やっぱサイトを合わせただけじゃだめだ...)

 (弾は常に風や温度、湿度、距離、重力などの要素で着弾地点が決まる。それを計算しないと。)

 とはいっても有にそれらの要素を計算してサイトを合わせる知識はない。

 つまり有のやることは勘なのだ。

 当たるはずのない有の弾はただの豆まき同然だった。

 (くっそ!なんでだよ!)

 銃の扱いな慣れないまま次のマガジンを装填した。

 当たらないとはいえ敵の足止め程度にはなっていた。

 しかしとうとうARの弾は無くなりARを投げ捨て、

 HGで応戦しようとして覗き込んだとき頬に敵の銃弾がかすった。

 一発も撃たないまま隠れ、有は今初めて恐怖を感じた。 

 (だ..だめだ..死ぬ...)

 さっきまでの心の安定が一気に不安へと変わり、

 体が震え始めた。

 兵士達の足音と走ることによって装備がこすれる音が徐々に近づいてくる。

(無理だ、逃げないと!でもどうすれば、どうすればいい!?)

 戦う気力が一気に失われ、逃げることだけを考えた。

 呼吸が乱れ、心臓の音が大きくなっていく。

 もうだめだと諦めかけていた時、ある事を思い出した。


 FPSでのチーム戦の出来事だ。

 有は敵が籠っている家を爆破し壊すことで攻撃のチャンスつくる作戦を立案しそのマッチを勝利した。

 (爆破...そうか!)

 有はすぐさまグレネードを砂丘に突っ込んだ。

 予想通りになることを祈り力強くピンを抜き

 兵士達のいる反対方向へ砂丘の下り坂を思いっきり走った。

 グレネードは爆発し、その衝撃で砂丘は崩れ落ちた。

 兵士達は足をとられ、先程の有と同様、

くぼ地の真ん中まで転げ落ちていった。

 (よっしゃ!このまま行けば...)

 有はそのまま走り去ろうとしたが、7名の兵士が30m先に現れた。

 どうやら兵士達は二手に分かれて挟み撃ちにしようとしていたらしい。

 凹凸の激しい場所だったため走っていたときは見えなかったのだ。

 しかも車両部隊が砂丘を外回りしてこっちに向かってきた。

 (もう...終わりだ...)

 有にはHGがあったが、諦め

 手からHGを手放し、下を向き直立不動になった。

 先頭の兵士が他の兵士にアイコンタクトをとり、

 近寄ってきて有のより少し大きいHGを取り出した。

 戦意のない相手を殺すのにこれだけで十分と思ったのだろう。

 (短い人生だったな...もっとゲームしたかったな。)

 有の目から涙が流れ始める。

 (ここでの死が夢からの目覚めだと...信じよう...)

 (でもやっぱり...痛..かった...な...)

 兵士が有に銃口を額に向けた。

 (クランのみんなともっと一緒に...)

 引き金に指先がかかった。

 


 (いや、ほんとはリアルのみんなと仲良くなりたかった...)

 

 

 高い銃声が鳴り響いた。

 

 (俺、死んだよね?)

 有はゆっくりと瞼を上げた。

 

 そこに映っていたのは、さっきまで自分に銃を向けていた兵士が

 頭から血を流し倒れていた。

 「え?」

 思わずまだ恐怖から解放できていない小さな声を発した。

 

 続けて同じ銃声が6回。

 1回の銃声が聞こえた後およそ1秒後に次の銃声は聞こえてくる。

 1回につき目の前にいる兵士が一人倒れていく。

 6回丁度でさっきまで自分に絶望を与えた7人の兵達全員が血を流し倒れた。

 

 初めて死体を見るのに嫌な惨たらしさは感じていなかった。

 FPS、いや、まだ恐怖感が勝っているのだろう。

 有はあたりを見渡し右から走り迫ってくる新たな車列を見つけた。

 先頭の車の上に低姿勢の人影が見えた。

 

 距離が400mになるとようやく容姿が見えてきた。

 髪が腰まである長さ、色は金。

 

 300mまで来るとその人影は車の上で立った。

 身長は176㎝位とだいたい有同じ。

 手には2mはある細長い銃らしきものを持っていた。

 

 100m前まで迫ってきたが、有には危機感はなかった。

 恐怖で腰が抜けていたのも違う。

 何故かは知らないが、有にはその人影に信頼感があった。

 そして人影の容姿が完璧にわかった。

 自分より腕や脚は細く、肩幅が狭い、そしてなにより胸が膨らんでいる。

 間違いない、女だ。

 

 そして自分のところを先頭の車が横切るときその女は有の方を向き、

 

 ニコッと笑った。


 そして女は真剣な表情にかえ

 行先へと顔を向けた。

 

 有にとってどれだけその女の笑顔が

 優しく感じたかはわからないが、

 安堵した有はまだ涙が流れるまま

 体の上から脱力していき

 その場に倒れた。

                                             

                                           続く。  

「FPSPの理想と現実のギャップ」をお読みいただきありがとうございます。

次回から他キャラとのかかわりがようやくでてくるのでそこを楽しみにしてくれたらなと思います。

第3話の予告も近いうちに出すのでこれからもこの作品をよろしくお願いします!

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