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君が女の子  作者: papporopueeee
4日目

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同性愛者

 少年には好きな男の子が居ました。

 最初は好きという自覚もありませんでしたが、少年は恋というものを知ったのです。


 男の子は女の子を好きになるのが普通らしい。

 お父さんとお母さんもそうだった。

 それなら、自分のこの想いは恋では無いのかな。

 ……違う。これはきっと、特別な恋なんだ。


 他の人とは違う恋。少年と彼だけの特別な関係。自らの感情をそう定義した少年の恋心は、益々募っていきました。

 そして想いが膨らんでいく程に、少年は彼と距離を取るようになったのです。


 特別だと思っているのが自分だけだったらどうしよう。

 この想いが一方通行だったらどうしよう。

 嫌われて拒絶されたらどうしよう。


 少年は彼を遠巻きに見つめる日々を過ごしました。彼の近くに居るよりも、特別な恋を否定されたくなかったのです。

 たまに視線が合っても、少年が一方的に笑むばかり。彼は特に気にしてもいない様子でしたが、視線が交差しただけでも少年にとっては十分でした。

 少年の特別な恋心は、彼から離れていても膨らみ続けていました……遠くへ引っ越すことになっても、伝えられなくなってしまう程に。


 最期まで、少年は待ち続けていました。

 きっと、想いを告げに来てくれると信じていました。

 しかし、彼は来てはくれませんでした。

 それでもやっぱり、少年にとってその恋は特別なままでした。


 だって、こんなにも想っている自分が会いに行かなかったのだから。

 彼も同じ想いを抱いているのなら、会いに来ないのは当然だ。

 だからこれは、同じくらいに想い合っている証明なんだ。


 遠く離れて見つめることすらできなくなっても、少年は彼を想い続けていました。

 同性愛という概念を知っても、少年の恋は特別で在り続けました。

 しかし会えない時間が積もっていくと、次第に不安も増していったのです。


 わたくしはまだ、特別なままでしょうか……?

 少年は同性との刹那的な恋に耽り、自分が異性には惹かれない特別であることを確認しました。

 あぁ、良かった……。


 わたくしのあの方への想いは、本当に唯一なのでしょうか……?

 少年は心惹かれた同性と肌を重ねて、それでも幼いままの彼の顔を忘れないことを確認しました。

 あぁ、良かった……。


 身と心を爛れさせて愛を得ることで、少年は安堵できました。

 少年は安心したくて、愛を求めて身と心を爛れさせました。

 そんな退廃的な確認も、もう必要ありません。

 特別な恋に縋っていた少年は、特別でありたいだけの少女だったのです。


 異性に惹かれるのは普通のこと。何処にでも溢れていて、普遍的で、特別な要素なんて少しもありません。

 ずっと大事にしてきた想いがそんな凡庸で、平凡な恋心だと知った少女には、もう彼の顔を思い出すことも出来ません。

 特別な恋に焦がれた少女に残ったのは、爛れてしまった心と身体だけなのでした。

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