55 第三段階、完全復活!
その隙に、俺たちは急いで駆け上がって、まだ踏み潰されてない小型ジョーカーの残りを始末した。ゴルフクラブをブン回し、フラフラしてた木の頭を一つ残らずカチ割ってやったぜ!
よし、ザコは一掃した!けど、問題はデカい方のパペットジョーカーだ――あいつ、全然こっちが息つく暇も与えてくれなかった!
ドゴォォン!ゴゴゴゴ!
デカい木の足裏が、またステージをメチャクチャに踏みつけ始めた。踏み下ろすたびに、地鳴りみてえな轟音と揺れがゴゴゴッて襲ってくる!木っ端と土埃がめちゃくちゃに舞い上がって、視界も最悪だ!
「うわっ!」
プレイヤーたちの悲鳴があちこちで上がった。みんな必死こいて足場から足場へ飛び移り、避けるだけでマジで精一杯だった。何度かマジでヤバいところまで踏まれそうになって、見てるこっちの心臓がキュッてなったぜ。
このままじゃダメだ…逃げ回ってるだけじゃラチがあかねえ!あいつの足首の弱点…あんな激しいストンピングの嵐じゃ、近づいて叩く隙なんて全然ねぇよ!
マジか…アレ、使うしかねえのか?「ガード反撃」…残りはあと3回。けど…今はこれしか選択肢がねぇっぽい!イチかバチか、やってみるしかねえ!
俺はクラブをギュッと握りしめ、もう一度振り下ろされる、あのクソデカい左足に狙いを定めた!
今だ!
俺は弾丸みてえに飛び出し、頭上から迫る影の真下へ、一直線に突っ込んだ!死のプレッシャーで息が詰まりそうだったぜ!
くらえ!「ガード反撃」!
心の中でスキル名をシャウトしつつ、俺はクラブを渾身の力でカチ上げた!
ガキィィィンッ!!!
クラブの先っぽが、デカい木の足の裏にゴツンと当たった瞬間、とんでもねえ衝撃が腕にズシンと来た!
バキバキバキッ――!
あのクソデカい左足が、なんと足首の付け根からバッキリへし折れたんだ!無数の木っ端が、爆発みてえにそこら中にブッ飛んだ!
片足をなくしたパペットジョーカーは、「ギギギィィ」って耳障りな音を立て、デカい体がバランスを崩して、後ろにドッシーン!と倒れやがった!
ドゴォォォォォン――!!!
ステージ全体がまたグラグラ揺れて、今度の揺れはさっきの踏みつけよりマジでヤバかった!俺たち、もう少しでみんな床に叩きつけられるところだったぜ。
「せ、成功した…のか!?」
「うおおおおぉぉぉ!」
ステージ上のプレイヤーたちは一瞬キョトンとしてたけど、すぐさま割れんばかりの歓声を上げた!
そうだ!まだあの足首の弱点があった!足の先は砕けたけど、光点はまだ残ってる!今のうちに完全に叩き潰さねえと!
生き残ってたプレイヤーたちが、どっと押し寄せ、まだチカチカしてる左足首の弱点に、ボッコボコに攻撃を叩き込んだ!水鉄砲の高圧ウォーター、ボクシンググローブのゴツいパンチ、ロープのビュンビュン攻撃、それから俺の哀れなゴルフクラブも…ありったけの武器で弱点をメッタ打ちだ!
弱点の光が、みるみるうちに弱々しくなっていった!
その時だった――
ギギ…ガガガ…
ぶっ倒れてたパペットジョーカーの、背中のメカアーム8本がいきなり動き出し、あのクソ重い体を持ち上げようとしてやがる!動きはなんかギクシャクしててキモいけど、マジで起き上がろうとしてた!
マジかよ?!あれでまだ動けんのかよ?!全員の心臓がバクバクいってた!もしあいつがまた立ち上がったら…マジでシャレにならんぞ…
その時、動いたのはイ・ユンチョルだった。ヤツが持ってた花火筒が、パペットジョーカーの無事だった右足首の弱点に狙いを定めた!
ヒュルルル――ドカン!
真っ赤な尾を引きながら飛んだ花火弾が、寸分の狂いもなくターゲットにクリーンヒット!ものすげえ爆発音がしたかと思うと、パペットジョーカーの右足首が、弱点ごと一瞬で木っ端微塵に吹っ飛んだ!
ギギィィ―――ッ!!
両足の支えを失って、さっきちょびっとだけ持ち上がってた巨体が、今度こそ完全にバランスを崩しちまって、ズシーンと音を立てて地面に叩きつけられ、もうもうと土煙を上げた。
それから…「パチン!」って音がした!
パペットジョーカーの左胸のあたり、でっかい木の装甲がパカっと外れて、中から――手首や足首のやつより何倍もデカいコアの弱点が丸見えになった!
やっぱりな…こいつ、第一段階と同じパターンか?まず二箇所の弱点を壊すと、本当のコアがむき出しになるってやつ!
全員、狂ったようにあのデカい胸の弱点に突進した!アドレナリンがドバドバ出て、生き残りたいって欲望が全てを圧倒してた!
攻撃!攻撃!さらに攻撃だ!
ガキン!ドガン!シュン!ドン!
ありったけの武器が、コアの弱点に叩き込まれて、木屑が雨みたいに飛び散った。
観客席の方から、突然また、魂の叫びみたいな声援が爆発した!
「行けーっ!あと少しだ!」
「ぶっ壊せーっ!」
「白狼様ーっ!持ちこたえてくれー!!!」
ん?白狼様?
俺は思わず攻撃の合間に、声がした方を見ちまった。観客席の最前列の端っこ――さっきのステージ崩壊で、俺たちがいる穴底のステージより七、八メートルくらい高くなってるあたり――石田正弘って名前のヤツが、興奮して拳を振り上げてた。額にはなんか文字が書かれた白いハチマキまで巻いてやがる…
よく見ると…「白狼必勝」?!なんだコイツ?!俺のことスポーツ選手か何かと勘違いしてんのか?こっちは命がけだってのに、応援団ごっこかよ?!理解不能!やりすぎだろ!
まあいい、今はあいつにかまってる暇はねぇ!攻撃に集中だ!
コアの弱点の光が、もう明らかにチカチカと不安定に点滅してて、今にも消えそうだった!
でも、その時だった――
ギ…ギギギギギギ…!!!
パペットジョーカーのデカい体全体が、いきなりブルブル震え始めた!その震えはどんどんデカく、速くなって、まるで中から何かが爆発しそうな勢いだ!
やべえ!この感じ…『インフィニティ』でよくあるボスの暴走フラグだ!
「全員、離れろー!!!」
俺はほとんど本能的に、周りでまだガンガン攻撃してたプレイヤーたちに叫びながら、自分も迷わず横後ろに飛びのいた!
他のヤツらも俺の叫び声を聞いて、一瞬ためらったけど、すぐに状況を理解して攻撃をやめ、慌てて後ろに下がった!
次の瞬間――
パペットジョーカーの震えが止まった。代わりに、体全体がグニャリと歪み、変形し始めた!砕けた両足首、それにぶっ壊れた背中のメカアームが、耳障りな木の軋む音と金属音を響かせながら、なんと元通りに再生しやがった!
さっきまで消えかかってた弱点の光も、またピカッと点灯!まばたきする間に、あいつはまた腕八本、武器八種類、両足もピンピンしてる完全体に戻っちまった!
そして、ゆっくりと、再び立ち上がった!あの十数メートルの巨体が、また絶望的な影を落とす!
おいおいおい…マジかよ?第三段階?!しかも直接変形して回復とかアリかよ?!
俺がパニックで頭真っ白になって、まだショックから立ち直れてねえうちに――
パペットジョーカーのデカい体が、いきなり両足をグッと曲げたかと思うと、次の瞬間、猛烈な勢いで真上に跳び上がった!
ドンッ――!
あ…あいつ、跳んだ?!めっちゃ高く!
ヤバい!
俺の頭の中で警報がガンガン鳴り響いた。ほとんど本能的に、ありったけの力で横に転がって避けた!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ――!!!
パペットジョーカーが、とんでもない重さとスピードで地面に叩きつけられた!ステージ全体、いや、この空間全部が、大地震みてえに激しく揺れた!強烈な衝撃波が、着地点を中心に円形に広がっていく!
「ぐぶっ――!」
全力で避けたつもりだったけど、衝撃波の範囲から完全には逃げ切れなかった!ものすげえ力が背中にドカンとぶつかって、内臓が砕けそうになった!激痛が一気に襲ってきた!
脳内にメッセージが浮かんだ。「HP:25/100」
ヤバ…ヤバすぎる…HPもうこれだけかよ…今度こそ…今度こそマジで死ぬかも…