後編
第一王子エルマーが毒殺された。
その日は王家の会食の日だった。
エルマーは学園からの帰宅直後は普通にしていたものの、徐々に体調不良を訴え出した。
すぐに王城付きの医者が呼ばれ治療にあたったが、容体は急激に悪化していった。
「殿下には持病もなく健康そのものだったはず。こんな急激に体調を崩すなんて……まさか、毒!?」
異常な症状に毒物の可能性に気づいたものの、毒の種類がわからなければ処置は難しい。
懸命に治療を行ったもののやはり効果はなく、とうとう数時間後に息を引き取ってしまった。
あまりに突然すぎるエルマーの死。しかも毒殺の可能性があると聞かされて王家は騒然となった。
エルマーの身体に不自然な傷跡は無く、毒殺ならば経口摂取の可能性が高かった。
しかし、エルマーは帰宅直後から体調を崩しており今日は食事を摂っていない。
体調を崩す前に口にしたものはせいぜい飲み物くらいだが、調べても毒など検出されなかった。
そうなるとエルマーが毒を摂取したのは城に戻る前ということになる。
すぐに彼と行動を共にしている側近達が呼び出された。
彼等はエルマーが亡くなったことに動揺しながら必死に朝から彼が食べた物を話していくが、同時にそれらは全て毒見済みだったとも主張した。
現状、毒見をした者の中でエルマーと同じような症状を起こしている者は居ない。
それならば、原因は毒では無いのか。
しかし、話をしていた側近達が急に顔を青ざめ出した。
様子がおかしいことに気づき強く問い詰めれば、彼らは真っ青な顔のまま答えた。
「学校から帰る直前……ジェーンから貰ったクッキーを食べていらっしゃいました……あれは、あのクッキーは誰も毒見していません」
第一王子が一介の男爵令嬢に現を抜かし、まるで恋人同士のように振舞っていたことは有名である。
そして、その男爵令嬢から度々手作りの菓子を貰っていたことも……
詳しく聞けば、最初の頃はしっかり毒見をしていたものの何度も繰り返すうちにだんだんと慣れておざなりになってしまったそうだ。
エルマーが折角貰った自分への贈り物を毒見の為とは言え他者に渡すのを渋るようになったこともあり、最近ではジェーンが渡してくる菓子に関しては安全性の確認はされていなかった。
「で、ですが、ジェーンは毒を盛るような娘ではありません!」
「馬鹿者!!! 仮にその娘が毒を盛らずとも、誰かが毒入りの菓子とすり替える可能性だってあるだろう!!!」
青ざめながらも必死に言い募る側近達だったが、すぐに言い返されそのままへたり込んでしまった。
彼らがジェーンを庇うのは恋心からだけではない。
もし本当にジェーンのクッキーが原因だった場合、それを見逃した自分達にも重い罰が下されるとわかったからだ。
茫然自失な側近達をしり目に、急ぎジェーンを確保するよう命令が出された。
エルマーの命を狙っていた者が何らかの方法で彼女の菓子を毒入りの物とすり替えたのか、あるいはジェーンを言いくるめて毒殺に協力させたのか。
いずれにせよ、事件が起きて用済みとなった彼女は口封じされる可能性が高い。そうなる前に話を聞きださなければ。
すぐに使いの者が学園へと送られた。
ジェーンは学園の寮で暮らしている為、すぐにでも見つけられると思われたが寮の部屋に彼女の姿は無かった。タイミングの悪いことに、所用で実家に帰っているらしい。
すぐにジェーンの実家である男爵家に人が送られ、同時に彼女の部屋も家宅捜査が行われたのだが……
***
「ジェーンはいまだ消息不明。しかも部屋からは毒物が複数押収されただと!?」
予想外の報告に国王は衝撃を受けていた。
エルマーが通っていた学園は王族貴族の子女が多く所属しており、相応に厳しい警備が敷かれている。そんな中でどうやって危険な毒物を持ち込めたのか。
発見された毒物はどれも一見するとそうとはわからないように偽装されていた。
例えば、ドライフラワーが詰められたサシェ。
プレゼントされた花束で作られたというそれには、猛毒を持つ植物が交ぜられていた。
例えば、厳重に保管されていたアンティークのブローチ。
装飾の一部に現在では使用が禁止されている幻覚作用のある薬品が仕込まれていた。
例えば、棚に堂々と置かれていた香水。
王子から贈られたというそれには、今回使用された毒の原材料となる物が混入されていた。
後の調査でジェーンはこれら毒物が仕込まれた物品を、エルマーを始めとした取り巻きの男子生徒達に自分への贈り物として貢がせていたことが発覚した。
決して自分から「これが欲しい」とは言わず、言葉や態度で相手の思考を誘導し、あくまで彼らに自分の意思で贈り物を選んだのだと思わせるような形で。
彼女は自身が身分の低い男爵令嬢であることを最大限活用していた。
これが例えば『男爵令嬢から王子への贈り物』或いは、『王子から公爵令嬢への贈り物』であったなら、念には念を入れて厳しく検査されただろう。
だが、『王子をはじめとした高貴な身分の者から男爵令嬢への贈り物』などいちいち調べる者などいなかった。“男爵令嬢”は“王族や公爵”ほど重要視される存在ではないし、何よりそんなことをすれば王子達への不敬になる可能性が高かったからだ。
これらの品が購入された店ではいずれもジェーンが現れてから毒殺事件が起きるまでの間に退職している従業員がいることも判明した。
王都は人の出入りが激しく、従業員の入れ替わりは珍しくない。故に店側は気にも留めていなかったが、今回の件を受けて改めて調べ直してみれば、不自然なほどその後の足取りを掴めない者が多かった。
恐らく彼らはジェーンの仲間だったのだろう。
学園に潜り込んだジェーンが男子生徒を焚き付け、各店に潜んでいた仲間が買い物に来た彼らに彼女への贈り物として毒を仕込んだ商品を売りつける。
無事ジェーンに必要な物が渡った後は時期をみて姿を消す。
このやり方なら万が一毒のことが露見しても怪しまれるのは姿を消した店員であり、毒入りのプレゼントを渡された被害者であるジェーンは追及を逃れられただろう。
関わっている人間は多いはずなのに事件解決に繋がりそうな証拠はほとんど残されていなかった。
いったい何年前から仕組まれた計画だったのか。どれだけの人間が関わっているのか。考えるだけでも恐ろしかった。
ただ、ひとつだけはっきりしたことがある。
当初は毒殺事件に利用された愚かな少女だと思われていたジェーンが、実際は周囲を利用して事件を引き起こした恐るべき犯罪者だったと言うことだ。
それまでのジェーンを知る者からすれば信じられないことだったが、専門家によればエルマーに使用された毒はジェーンの部屋にあった毒物を調合して作り上げたオリジナルの物である可能性が高かった。
効能の異なる複数の毒物を組み合わせることで遅効性の強力な毒を作り上げる。
言葉にするのは簡単だが、毒に関する深い知識と高い調合技術が無ければ実現するのは難しい。
王家が全力を挙げて捜査しているにもかかわらず、ジェーンの行方がいまだに掴めないことも、彼女が只者でないことを証明していた。
あの後、男爵家に確認したところジェーンは実家には帰っておらず、用事があるというのも嘘であったことが判明した。
これらのことから、改めてジェーンという少女について本格的に捜査することとなったのだが……
***
ジェーンについて知る為、まず彼女と交流のあったエルマーの側近達に話が聞かれたのだが、取り調べを始めてすぐに違和感が生じた。
どうにも“ジェーン”に対する印象が一致しないのだ。
例えば「彼女の好物は?」という質問一つとっても
「彼女は華やかなスイーツが好きだった」
「素朴な彼女らしく、飾り気のないシンプルなお菓子が好きだった」
「ああ見えて意外とがっつりとした肉料理が好きなんだ」
と、まあばらばらの返答が返ってくる。
どうやら、彼女は相手によって違和感が無い程度に態度や振舞を変えて、意図的に異なる印象を植え付けていたようだ。
エルマーや側近達に対しては好ましい異性と愛されるように。
オリバーやエリーゼ達に対しては利用しやすい愚か者と侮られるように。
癖の一つでも特定できればと思っていたが、彼らにいくら話を聞いてもジェーンの印象が一致することは無く側近達から情報を引き出すことは早々に断念された。
次に注目されたのは学園の教師や他生徒達である。
あれだけ目立っていた人間だ。ジェーン自身も気づかないうちに、正体に繋がるような姿を目撃されているかも知れない。
しかし、こちらも空振りであった。
ジェーンのことを聞いても『身分の高い男にすり寄っていた非常識な女』という話しか出てこないのだ。
ジェーンはその言動のせいで友人が居らず、普段の生活の様子を詳しく聞ける相手が見つからなかった……今の状況を考えればわざとターゲット以外からは距離を置かれるように振舞っていたのかもしれない。意外にも学校の成績も普通で、男子生徒との距離感がおかしい点以外は平凡な生徒というのが教師達の認識だった。
エルマー達と居る時の姿が目立ちすぎて逆にそれ以外の印象が残っていない。
さらに、寮暮らしでありながら誰も彼女の化粧を落とした素顔を知らなかった。
学園の寮室にはそれぞれ小さなシャワースペースがついており、ジェーンはいつもそこで身支度を完璧に済ませてから外に出ていたらしい。
大浴場も存在するが、特に身分の低い生徒の中には気を使いたくない等の理由で利用したがらない者も少なくなかった為、ジェーンが来なくても誰も気にしていなかったそうだ。
ただでさえよくある髪と目の色をしているのに素顔もわからないとなれば、探し出すのは非常に困難だった。
***
実行犯であるジェーンの足取りがまったく掴めないせいで事件の捜査は難航した。
頭を抱える王家であったが、さらに厄介な事態が起きてしまった。
息子を殺された正妃が、あろうことか国王と第二王子オリバーをエルマー毒殺事件の黒幕だと糾弾しだしたのだ。
正妃は実家の力を使って独自に捜査を進めていたのだが、その過程でオリバーを次期国王にする準備が進められていたことや、エリーゼとエルマーの婚約を勝手に解消してオリバーと婚約し直していたことを知られてしまった。
「確かに、最近のエルマーの行動には問題も多かったようですが、廃嫡されるほどの失態は犯していないはずです。それなのに陛下やオリバーの行動は……まるでエルマーが居なくなることが最初からわかっていたかようではありませんか!
何より、本当にエルマーと男爵令嬢の関係に問題があったのなら早々に王家が介入したはずです。それをずっと見守るような態度をとりながら事件が起きるまで放置していたのは、彼女が第二王子が放った刺客だったからではありませんか!!?」
実際のところ、正妃は息子のことを駒としか見ておらず、母親としての愛情などまったく注いでいなかった。
そのことを知っている者達は彼女のわざとらしい涙に白けた視線を向けていたが、事情を知らぬ者達には我が子を亡くした母親の涙の効果は絶大だったようで、世論は正妃側に傾いた。
何より困ったのは、正妃の主張の大半が紛れもない事実だったことだ。
『エルマーを廃嫡する為にわざとジェーンを近づけていたのは事実だが、殺す気は無かった』などと三文小説のような台詞を言っても説得力などないだろう。
正妃は追い打ちをかけるようにエルマーの日記を公開した。
そこには彼の長年の苦悩が綴られていた。
国王は気の強い正妃を苦手に思い、穏やかな側室に心を向けていた。
公の場では正妃とその息子を尊重していたが、私的な場では側室とその息子オリバーにばかり愛情を偏らせていた。
貴族らしい感覚を持つ正妃は、自分の正妃としての立場さえ尊重されていれば愛が与えられずとも気にはしていなかった。
しかし、子どもであるエルマーは違う。
父親である国王に関心を向けて欲しい。オリバーに向ける愛情を自分にも分けて欲しい。そう願う気持ちが止められなかった。
いつまでたっても国王は公の場以外ではエルマーのことを褒めてくれない。仕事を理由に話もろくに聞いてくれない。
オリバーに対しては些細なことでもよく褒めて、どんなに忙しい時でも声を掛けられれば必ず足を止めるというのに……
エルマーの婚約が決まった時、相手の令嬢は悲しそうな顔をしていた。
まるでエルマーとの婚約が罰ゲームであるかのように。
まるで恋人との仲を悪役に引き裂かれた悲劇のヒロインかのように。
こんな対応をされて相手に良い印象を抱ける訳がない。
この婚約は決してエルマーが望んだものでは無い。エリーゼとの婚約は第二王子であるオリバーを護る為のものであり、すでに母親の実家という後ろ盾があるエルマーにとってはそれほどメリットが無かったのだ。
それなのに、国王は注意するどころか陰で彼女とその両親に謝罪していた。望まぬ婚約を押し付けてしまいすまないと。
自分の意思と関係なく婚約を結ばされたのはエルマーだって同じなのに、エルマーに対するフォローは一切なかった。
そうして印象が最悪のまま婚約者となった令嬢は、いつまでたってもオリバーに心を向けたままだった。本人は自覚していないだろうが、言葉の端々にオリバーを持ち上げエルマーを見下す気持ちが滲み出ていた。贈ってくるプレゼントだって明らかにオリバーを意識した色合いの物ばかりだ。
父親からも婚約者からも顧みて貰えない状況に、次第にエルマーの心が荒んでいき、問題行動を起こすようになっていったことが日記からは読み取れた。
***
日記はあくまでエルマーの主観で書かれた物であり、これが事実だと言う証拠は無い。
しかし、優秀だと噂されていた第二王子や公爵令嬢のスキャンダルは、わずか18歳で殺されてしまった第一王子への同情も相まって瞬く間に国内に広がった。
エルマーの日記が公開されたことで国王や元婚約者のエリーゼ、そして兄から婚約者を奪ってのうのうと婚約したオリバーに対する批判が一気に高まった。
同時に、国王とオリバーがエルマーが邪魔になって彼を殺した……という正妃の説にも説得力が出てしまった。
いまだジェーンを捕まえられないことも王家が黒幕という説に拍車をかけていた。
エルマーの評判を落とす為、貴族平民問わずジェーンとの悪い噂を広めていたことが仇になってしまった。
噂の影響で“ジェーン”は男を侍らせるだけの“無能な女”という印象が広まっていた。その為、捜査状況を詳しく知らない者達の中で『そんな無能な女一人捕まえられないのは、王家が真剣に犯人を捕まえる気が無いからではないか』という疑念が広まってしまったのだ。
いくらオリバーが優秀でも、周囲から殺人疑惑を向けられている状況で王位を継がせることなどできない。
他に手がかりが得られない以上、事態を解決するには実行犯であるジェーンを捕まえるしかなかった。
しかし、手がかりは一向に掴めない。
すでに口封じされたのでは? という意見もあったが、それならば遺体が見つからないのはおかしい。遺体の処理にはそれなり手間がかかる。王子を毒殺して一刻も早く逃げなければならない状況でわざわざ懇切丁寧に遺体や証拠を隠滅するメリットがない。
何より、これだけ自分の痕跡を残さず逃げ出したジェーンがそう簡単に殺されるとは到底思えなかった。
いつまでも進展しない毒殺事件の捜査に国王と第二王子黒幕説。
国は混乱の渦にあったが、その状況は突如打開された。
突然、隣国が攻め込んできて戦争が勃発したからだ。
後の記録では、王族に殺人容疑が掛かっている状況を打破しようと焦った者が先走り、隣国の人間を第一王子殺人犯の一味として不当に逮捕したことが戦争のきっかけとされている。
この戦争は次々と同盟国が参戦したこともあって終結するまでに長い時間を要した。
国王や第二王子オリバー、正妃も戦争が原因で命を落とすこととなり、捜査がうやむやになってしまった第一王子毒殺事件は未解決のまま人々の記憶から忘れ去られた……はずだった。
***
この事件が再び世間の脚光を浴びたのは、戦後数十年以上経ってからのことだった。
敗戦国となった亡国でかつて記者としてこの事件を追っていた人物が、奇跡的に戦火を逃れて残った資料と自身の記憶を本にまとめて出版したのだ。
この“世紀の未解決事件”は瞬く間に世間の注目を集めた。
『身分の低い男爵令嬢が周囲を欺き、一国の王子を暗殺して華麗に逃げ切った』という内容はまるで物語そのもので人々の興味を引いた。
人々が特に注目したのは男爵令嬢ジェーンの正体だ。
本当に貴族の令嬢だったのか、それとも別人が成り代わっていたのか。
最初から第一王子の暗殺を目的としていたのか。
ただのハニートラップ要員だったのが、運よく条件が整ったから暗殺を実行したのか。
いくら調査を重ねても正確な正体が掴めないジェーンの存在は、人々の創作意欲を大いに刺激した。
『毒殺令嬢ジェーン』と名付けられた彼女を題材にした作品やキャラクターが多く創作され、後世までその存在を語られることとなった。
被害者である第一王子エルマーもまた、ジェーン人気に比例してその名前が広まっていった。
この事件の真相については、『戦争を仕掛けた隣国の陰謀説』や『第二王子派が先走った説』、『第二王子に王位を奪われることを恐れた正妃が息子を犠牲に第二王子を引きずり降ろそうとした説』など複数候補が挙げられているが、その中でも特に人気が高いのが『エルマー第一王子黒幕説』だった。
これは母親には駒として扱われ、第二王子には見当違いの嫉妬を向けられ、国王にも婚約者にも蔑ろにされる状況に心を削られた第一王子が、ジェーンに依頼して彼らにとって最も都合が悪い状況で殺されることで一矢報いたというものだ。
とあるミステリー作家がこの事件を元にした小説を執筆した際にこの説を採用したことが切っ掛けで広く知られるようになり、人気キャラクターであるジェーンと王子との関係性や時には恋愛要素を盛れることもあって、同じ説を採用する者が後を絶たなかった。
たかが男爵令嬢と侮られたジェーンと凡庸と評されたエルマーがある意味歴史に名前を残した一方で、第二王子の扱いはあまり良いものでは無かった。
結果だけ見れば終始ジェーンに翻弄されていたことになる彼は、脇役もしくはジェーンやエルマーに対するかませポジションとして描かれることが多かった。
史実でも第一王子を嵌めようとして自分が窮地に陥った程度の記録しか残されておらず、『国王になれば必ず歴史に名を遺す人物になる』という事前評価とは真逆の結果となってしまった。
また、元婚約者である公爵令嬢も似たような扱いをされることが多かったが、一つだけ歴史に刻まれる有名なエピソードがあった。
戦後、彼女の日記が発見されたのだが、その中に書かれた言葉がまさに一連の事件を象徴するものとして知られているのだ。
毒殺令嬢ジェーンを題材にした物語のラストは、必ずと言って良いほどこの公爵令嬢の言葉で締められる。
『たかが男爵令嬢と侮るべきでは無かった』
あとがき
後世における『毒殺令嬢ジェーン』の扱いは、現代で言う『切り裂きジャック』みたいな感じです。