表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/84

第42話 提案

「森さん、本日はどうか尋常なお立ち合い、よろしくお願い申し上げます」


 白装束に着替えた姫神壱騎(ひめがみ いっき)は、むしろの上で瞑想をしている森花炉之介(もり かろのすけ)に近づき、語りかけた。


「姫神さん、なんならいますぐ、この場で切り捨ててもかまわないのですよ?」


 全盲の中年剣客の問いかけに、若き剣士はキリっとまなざしを鋭くした。


「それはいたしません。父・姫神龍聖(ひめがみ りゅうせい)の御霊に唾を吐きかけるような真似だけは、決してしたくないのです」


 クスリ。


 森花炉之介は口角を緩めた。


「はは、やはり確かなもののふ。おそらくは、父上以上の――」


 これ以上は情が移ってしまうかもしれない。


 そう思索した姫神壱騎は、ここであいさつを済ますことにした。


「森さん、決着は本番にて」


「これは、失礼を……」


 やり取りをしている二人のそばへ、見届け人である剣神・三千院静香(さんぜんいん しずか)が歩みよってくる。


「静香さま」


「ご見聞いたみいる次第にございます」


 姫神壱騎と森花炉之介は、同様にひざをついた。


「二人とも、心の準備はよろしいですか?」


「は」


 やはり同様に、決心がついていることを表明する。


「ならば、お二人に申し伝えたい儀、これあります」


「と、申しますと……?」


 意外な展開に、二人の剣士は何事かといぶかった。


「こたびの試合、アルトラの使用を許可します」


「な……」


 彼らの顔が、深い懐疑の心にくもった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ