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九日目② 「完全に元には戻りません」編

九日目② 「完全に元には戻りません」編


昼の食事を食べた後、女看護師がやってきて肺炎おじさんと家族を交えて女医が病気の説明するので家族の希望する日程を確認してほしいと言う。

複数の日付と時間を伝えられたので母親にラインする。

母親から可能なら今日の夕方が都合がよいと返信があったので、女看護師に確認してもらう。

結果、今日説明を受けることになった。


その後、服を新しい服に着替えて身体を拭く。

小柄な看護師が対応してくれて背中も拭いてくれた。


午後15時頃にリハビリ担当の女性が来る。

再び50メートル歩くリハビリをする。

歩く前後に血圧と血中酸素濃度を測るが特に問題はなかった。


夕方に両親が来たので女医から説明を聞く。

両親とは一週間振りにあったが元気そうである。


「〇〇さん(肺炎おじさんの名前)には既に説明していることもありますが、改めて説明しますね。」

女医の説明が始まる。


「これは私たちの病院に入院する前に街の病院で撮ってもらったレントゲンです。こちらは数日経って私たちの病院で撮ったレントゲンです。最初のレントゲンの肺には大きな影があります。これが肺炎の炎症です。次のレントゲンでは影が小さくなっており、肺炎が快方に向かっているのが分かります。肺炎に関しては血液検査をしながら様子を見ていますが、緊急性の高い状態は抜けており、完治するのも遠くありません。」

まずは肺炎の説明だ。咳と痰が減ったことを自覚している肺炎おじさんは頷いた。


「こちらが心臓エコーで撮った〇〇さんの心臓の動画です。心臓は肥大化していて動きが悪いです。普通の人の心臓は60%程度の力で動いていますが、〇〇さんの心臓は30%程度の力でしか動いていません。」

話は聞いていたが肺炎おじさんも動画を見るのは初めてだ。

動きが悪いそうだが素人では判断がつかない。


「心臓エコーで動きが悪いことは分かりますが、これだけでは詳細も原因も分かりません。なのでこれからは心臓の検査をしていきます。明日はシンチグラフィ、明後日は造影MRIを受けていただきます。体調を見て他の検査もします。」

これからは肺炎から心不全に検査と治療が移るようだ。


「なにか質問はございますか?」

女医が質問を募る。


「完治するのでしょうか?」

母親が尋ねる。


「肥大化した心臓は多少よくなりますが完全に元には戻りません。薬を飲み続ければ日常生活で困らない程度には治ります。しかし激しい運動や重いものを持つようなことをして心臓に負荷をかけるようなことは避けてもらうことになります。」


「そうですか……。」

母親が悲しそうにするので申し訳なくなる。


「ほら、早く治さんと。」

父親が女医の説明を聞いていたのか不安になるようなことを言う。


「完治は難しいですし、心臓の病気とは長く付き合っていく必要があります。」

女医が補足する。


その後も父親は力んだらいけないのなら便秘薬を飲ませた方がいいのでは?など女医を困惑させるようなことを言う。

肺炎おじさんの父親は悪い人間ではないのだが、人の話をあまり聞かない上に思いつきで行動することがあるので、こういうような場の質問には向いていない。


「先生、すみません。父さんその辺にして。」

切りの良いところで肺炎おじさんは女医に謝る。

父親は止められたのが不服そうだったがとりあえずは喋るのをやめた。


「入院は長引くと思いますので、また分からないことがあれば聞いて下さい。」

女医の言葉で説明の場は解散となった。


「来てくれてありがとう。気をつけて帰ってね。」

肺炎おじさんは両親に挨拶をして病室に戻る。


肺炎おじさんは夜の食事を摂ると消灯まではソシャゲの日課をやり、さらに原神の新イベントを遊んだ。


消灯前の熱、血圧、血中酸素濃度は安定していた。

今日の咳はリハビリで歩いた直後に少し咳き込んだくらいだったので、肺炎が快方に向かっているというのは実感できた。


氷枕を貰って肺炎おじさんは眠った。

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