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1174:招待状。

 招待状が届いたと、私は心の底から安堵の息を吐く。


 アストライアー侯爵から届いた招待状の内容は、ミナーヴァ子爵領に新しく建てた屋敷の完成披露パーティーを開くとのこと。もちろんアルバトロス王家も新しい屋敷を建てるために出資しているのだから当然招待状が届くべきだが、貴方たちに信を置けませんと暗に伝えるべく招待状を出さない場合もあった。


 彼女がアルバトロス王国を裏切るとは考え辛いが、もしもの場合を考えていた私の胃は割とキリキリ痛みを叫んでいた。アストライアー侯爵がトラブルに巻き込まれて引き起る波乱には慣れたものの、流石に世界を創造した神と出会うとか、その神さまの娘である女神さま――しかも大陸を管理している――と面会することになるとは……三年前の私に伝えても信じてくれなさそうである。


 そのくらいアストライアー侯爵が起こした奇跡は偉大なものだが、当の本人はあまり自覚していない。いや、彼女は分かっていながら見ていないフリをしている可能性もあるのでなんとも言えないが、創造神さまや女神さまと縁を繋いでいるというのに、まるで利用しようとしない。

 普通の貴族であれば創造神さまと女神さまとお会いしたことで、方々に自慢話をしそうなものだが、アストライアー侯爵は王都の子爵邸で領地運営をしながら日々を過ごしている。


 本日の執務を終え、私の叔父であるハイゼンベルグ公爵とヴァイセンベルク辺境伯に宰相と内務卿と外務卿と財務卿が神妙な顔をして執務室に集まっている。

 叔父上は相変わらず面白そうな表情で周りを見渡しているのだが、宰相と内務卿と外務卿に財務卿の顔色はあまりよろしくない。ヴァイセンベルク辺境伯はアストライアー侯爵の後ろ盾を務めているので他の者より顔色はマシだが、いろいろと頭の中で考えを巡らせているようである。


 「良かったな、甥よ」


 「本当に良かったです……しかし、完成披露の宴の場には女神さま方もいらっしゃる可能性が……」


 叔父上がくつくつと笑いながら私に声を掛けてきた。陛下と彼が呼ばないのは、私的な時間であると周りの者たちに主張しているのだろう。

 叔父上以外は苦笑いを浮かべているが、鳩尾の下を抑えている者がいた。もしかして彼らの下にはアストライアー侯爵からの招待状が届いていないのかもしれない。彼らとアストライアー侯爵との接点は薄いため仕方ないのだろう。王城に勤めている彼らであるが、少しばかり彼女と話していたに過ぎないのだから。


 とはいえ貴族という者は招待状が送られてくるのではと期待してしまうものだなのだ。アストライアー侯爵が彼らと縁を深めたいと考えていれば、招待状が届いていたはず。それがないということは興味がないか、彼らからアプローチをして侯爵に気付いて貰うしかない。


 「いるだろうな。西の女神さまは王都のミナーヴァ子爵邸で日々を過ごしておられるし、南の女神さまは西の女神さまほどではないが良く顔を出しているそうだぞ」


 叔父上が良い顔で笑い髭を撫でている。ミナーヴァ子爵邸には他にも北と東の女神さまもこられたと聞いているし、創造神さまの声が時折届くこともあるそうだ。創造神さまの奥方さまも顔を見せたようだし、本当に数々の奇跡が王都のミナーヴァ子爵邸で起きている。

 アルバトロス王国にも『話は本当なのか!?』と各国から問い合わせがきており、友好国には真実を告げ、それ以外には情報の取捨選択を執り行っていた。馬鹿なことを仕出かしそうな国には言わない方が良いと、アルバトロス王国上層部の者たちが全会一致で首を縦に振ったためである。


 「……他にも他国の高貴な者がきますよね?」


 私は叔父上に問う。アストライアー侯爵の交友関係はアルバトロス王国だけに留まらない。何故、そのように縁が繋げられるのか、そして保つことができるのか本当に不思議だった。彼女の性格上、割と薄い付き合いで済ませそうなのだが……本当に意外である。


 「ああ。亜人連合国の者とアガレス帝国の皇帝陛下に招待状を送っていると、ナイからの報告に上がっていたな。彼らは参加するだろうし、濃い面子が揃いそうだな」


 叔父上の話によればフソウ国の者にも招待状を送っているそうだ。どうやってくるのか疑問になるが、アストライアー侯爵ならば飛竜便を手配できる。きっと大型の竜の背に乗ってやってくるのだろうし、アガレス帝国の者たちは飛空艇でやってくるはずである。また騒ぎになりそうだと息を吐けば、財務卿が私を見ながら口を開いた。


 「た、他国の者もミナーヴァ子爵領へ赴くのですか」


 彼は理解しているものの、聞かずにはいられなかったようである。確かに女神さま方以外にも他国の王族クラスが小国の子爵領へとくるのだから、彼の信じ難い気持ちは理解できた。


 「ああ、それはもう。警備面に心配があるからと、アストライアー侯爵から王家とハイゼンベルグ公爵とヴァイセンベルク辺境伯に人員を貸出て欲しいと打診があってな」


 私が財務卿に答えると口の端を歪に伸ばして黙り込んだ。


 「アストライアー侯爵ならば、心配は要らない気がしますが」


 今度は宰相が少し呆れた顔になりながら言葉を放つ。確かに、アストライアー侯爵と彼女の護衛であるジークフリードとジークリンデだけで警備面は十分に足りている。だが三人だけでは手が回らないし、アストライアー侯爵家の者たちだけでも足りないようだ。

 恩を売るわけではないが、なにか問題があってはいけないと王家と叔父上とヴァイセンベルク辺境伯は彼女の打診を受けている。というか断る方が損をする状況だろう。最近はアストライアー侯爵と知り合いであると言うだけで、一目置かれるようになっているのだから。


 「体面もあろう。国内だけではなく国外からくる者たちもいる。案内やらで人員が必要だろうしな」


 「侯爵位にたった三年で就いたからなあ。人手不足は仕方あるまいて」


 叔父上と私は集まった皆に声を掛けた。本当に身一つで聖女から侯爵位まで良く昇りつめたものである。しかも三年という短い期間で。


 「……我々には招待状が届きませんでした」


 「私の部下であるベナンター卿には届いたようです……やはり私の存在感が薄いためでしょうか」


 私と叔父上とヴァイセンベルク辺境伯以外が眉尻を落として落ち込んでいる。確かに招待状が届かなかったことは悔やまれるが、アストライアー侯爵と接点を中々持てずにいるのだから仕方ない。


 「落ち込むな。これから先、アストライアー侯爵と関わる機会は多くある。彼女は受けた恩を忘れることはない。なにかしら売れそうな物を見つけておけ」


 私は皆を励ますために声を掛けるものの、彼らは微妙な視線を向けている。食べ物関係であれば侯爵は凄く喜ぶはずと、私は言葉を付け加えておいた。皆は私の声を聞いてなにかあったかと頭の中で考えているようである。

 そんな彼らを叔父上は面白そうな顔で、辺境伯は大丈夫かと心配そうな視線を向けている。暫く彼らの様子を見守っていると、宰相がはっとして私に顔を向けた。


 「では、陛下自ら赴かれると?」


 「いや、行きたい気持ちはあるのだが……私よりゲルハルトの方が適任だろう。若い者同士の方が話が弾む」


 もちろん直接パーティーに参加してアストライアー侯爵と仲を深めるのが定石である。しかし年の離れた男と政治の話をした所で彼女が楽しめるとは考え辛い。

 それならば我が息子であり王太子を務めているゲルハルトの方が適任だろう。アストライアー侯爵と長い付き合いになるのは私よりもゲルハルトなのだから。王太子妃であるツェツィーリアにも良い機会で、他国の者に顔を売るべきである。


 部屋に居る者たちが私がパーティーに赴かないことに驚きの視線を投げているが、叔父上だけは『逃げたな』と苦笑いを浮かべている。

 

 「流石に皆が赴いて、事故が起これば大問題となろう。今回は遠くから見守る立場でいてくれ。ゲルハルトに頼んで、侯爵が主催する催しに皆が興味を持っていると、それとなく伝えてくれと頼んでおこう」


 私はアストライアー侯爵から招待を受けていない面々に真剣な眼差しを向けると、彼らはぱあっと顔を明るくしている。女神さま方がいらっしゃるのに、彼らの肝は随分と太いのだなと私は遠い目になってしまう。決して私自身がパーティーに赴けば胃の痛みが酷くなるからゲルハルトを名代として送るわけでは決してないのだ。


 ◇


 ――亜人連合国領事館。


 「ナイちゃんから手紙がきたよ~」


 「あら。早速読みましょう」


 「珍しいな。彼女からの正式な手紙は」


 「ええ。一体どうしたのでしょうか、若」


 「考えるより読んだ方が早いよー」


 「そうね。竜は本当に用心深いわ」


 「……」


 「…………」


 「えーっと、前に誘いを受けていた子爵領領主邸の完成披露パーティーにきてくださいって~」


 「ナイちゃんは相変わらず、文字が力強いわねえ。ま、当然……」


 「参加だな」


 「参加ですね、若」


 ◇


 ――アガレス帝国・執務室


 「愛らしいナイさまからお手紙が届きましたわ! とにもかくにも内容を確認して、目に焼き付けなければ!」


 「ウーノ姉さま、私にもあとで読ませて頂けると嬉しいです」


 「……見せたくない気持ちと、見せびらかしたい気持ちがせめぎ合っていますが手紙の内容次第かしらね。誰彼に言えない内容だと、ナイさまにご迷惑を掛けてしまいますもの」


 「もちろんです。差し支えない範囲で教えてくだされば」


 「――まあ! まあまあまあまあまあ、まあっ!」


 「う、ウーノ姉さま?」


 「ふふふ。ナイさまの領地で開かれる、領主邸完成披露パーティーにお誘いをようやく受けました!! まだ二ヶ月先のことですから、予定などどうにでもなります!」


 「良かったですね、お姉さま」


 「あ。あなたたちも予定が合って興味があれば遊びにきて下さいと、ナイさまが仰っております。本当にナイさまは気遣いのできる優しいお方! 嗚呼。直ぐにでもお会いして、わたくしの腕に抱き留めたい気持ちがとめどなく溢れてしまいますが、ナイさまとわたくしの立場が邪魔を致します……くっ!」


 「一先ず、必要な物やナイさまに贈る品を考えましょう。ウーノ姉さま」


 ◇


 ――フライハイト男爵領、領主邸。


 「ひょっ!??」


 「父上、どうなされたのです?」


 「あ、あ、あ、あ、あああああ!」


 「落ち着いてください、父上! ほら深呼吸して!!」


 「あ、アストライアー侯爵から子爵領に建てた新しい領主邸の完成祝いのパーティーに……参加しないかと……!?」


 「な、なんですってぇぇええええええええ!!!」


 ◇


 ――アルバトロス王都、リヒター侯爵邸。


 「ぶふっ!!」


 「ご当主さま、大丈夫ですか!?」


 「アストライアー侯爵からパーティーに参加しないかと打診された…………!」


 「おや。これはこれは、おめでとうございます。飛ぶ鳥を落とす勢いどころか、竜をオトしたアストライアー侯爵閣下主催のパーティーに誘いを頂くとは」


 「仕立て屋を呼んでくれ」


 「では奥方さまもご一緒に?」


 「もちろんだ。妙な恰好で赴くなどできぬ。金に糸目を付けぬから最高の仕上がりを目指せと、仕立て屋には伝えてくれ」


 ◇


 ――聖王国、フィーネ・ミューラー私室。


 「アリサ、ウルスラ。ナイさまから手紙が届いて、子爵領の領主邸の完成披露パーティーに参加して欲しいと。私は話を元々頂いているけれど、アリサとウルスラも参加しないかって」


 「え、フィーネお姉さま、私たちが参加しても良いのでしょうか? ナイさまの貴族の交友関係は高位貴族と王族の方々しかいないような……?」


 「あ、あはははは……」


 「丁度良い機会だし、西の女神さまも参加が決まっているそうで、この機会にと教皇猊下も同じ内容の手紙が届いているわ」


 「え、どうして教皇猊下に?」


 「聖王国には興味がないと女神さまは仰っていたのにですか?」


 「ナイさまが聖王国の内情を西の女神さまに伝えてくれたみたいなの。そうしたら教皇猊下には確りして貰わないと、という話になって、西の女神さまと教皇猊下との顔合わせの機会の場にしようってなったみたいよ」


 「猊下も苦労なされていますからね……」


 「教皇猊下と西の女神さまとの顔合わせが叶えば、聖王国内での猊下の発言力が高くなるからでしょうか?」


 「そういうことね。アリサとウルスラはどうするの?」


 「フィーネお姉さまの行くところに私アリです!」


 「私も参加したいです! でも夜会に赴く衣装なんて……」


 「聖女の衣装で十分よ。私もいつも通り、大聖女の衣装で赴くもの」


 ◇


 ――聖王国、アルバトロス王国外務官控室。


 「ユルゲン、これ読んでくれ」


 「エーリヒ。構いませんが、どうしたので……アストライアー侯爵閣下からですか」


 「そうなんだ。まあ、なんだ、気軽に読んでくれれば良い内容じゃないかと」


 「――全然、気軽な内容ではないですよ! どうして僕がアストライアー侯爵主催のパーティーに誘われているんですか!?」


 「ジークフリードと仲が良いからだろ。あと俺一人だと居心地が悪い、とか考えてくれたんじゃないかな」


 「そんなことで?」


 「ナイさまだからな。そんなことで誘いを受けるんだよ。ユルゲンはどうする?」


 「エーリヒはどうするんです?」


 「前に打診されていたから参加する。ナイさまの気遣いもあるし、ジークフリードにもいろいろと話をしたいことがあるしな」


 「では、僕も参加させて頂きます。しかし……二ヶ月先ですか。いろいろと動きがありそうですねえ」


 「亜人連合国とアガレス帝国の方々は確実に招待状を出すだろうなあ……」


 ◇


 ――フソウ国、朝廷。


 「み、帝さま!!」


 「ナガノブ、どうなさったのです?」


 「ナ、ナイから領地の屋敷が完成したからアルバトロス王国のミナーヴァ子爵領に遊びにこないかと! あと要人が参加予定の宴にも参加しないかと打診がきておりますぞ!!」


 「おや。しかし私がフソウを離れるのは難しいこと。ナガノブ、貴方いってらっしゃいな。国外に赴いてみたいと前々から言っておりましたし、ナイの領地ならば安心でしょう」


 「……よ、よろしいのですか!?」


 「ええ。しかしフソウの代表として恥ずかしくないように務めなさい。ねえ、松風、早風、権太」


 『――!』


 『!!』


 『ナガノブは立派、一緒に行くって松風と早風が言うとる。ナガノブは偶にキレるやろ……オイラは心配や。丁度良いからオイラも松風と早風と一緒に行ってええか?」


 「ナイに聞いて許可が降りれば構わないでしょう。しかし権太に懐いている二頭の仔狐はどうするのです?」


 『一緒に行けばええやろ。ご飯はこっちで用意しとけば問題ないやろし。な、松風、早風』


 「松風と早風がいるなら権太も大丈夫でしょう。あとはナイの許可だけですな」


 ◇


 ――リーム王国・執務室


 「兄上! 兄上!!」


 「ギド、もう少し声量を落としてくれ。うるさいぞ」


 「兄上大変です!! アストライアー侯爵閣下から手紙が届いておりますよ!! 早く目を通してください!!」


 「分かった。分かったから、顔が近いぞ、ギド――は?」


 「良かったですね、兄上! アストライアー侯爵閣下から誘いを受ければリームの名が大陸中の王たちの噂になるかと!」


 「…………せ、聖樹脱却を目指して三年しか経っていないが、アルバトロス王国とアストライアー侯爵には多大な恩がある。参加せぬわけにはいくまい」


 「ええ、ええ! 俺の下にも同じ内容の招待状が届いております! 兄上、一緒に参りましょう!」


 「ああ。しかしアストライアー侯爵の下には西の女神さまがいらっしゃると噂が流れているが……」


 「あ、おそらく女神さまも参加なされるかと。俺は近くで拝見したことがありますが、本当に凄く雰囲気のある方でした」


 「…………女神さまがいらっしゃる夜会?」


 ◇


 ――ヤーバン王国・執務室。


 「やったああああぁぁあああああ!!! アストライアー侯爵から招待状が届いたぞ! ジャドさまにも会えるし、侯爵にも会える!」


 「陛下、良かったですな。しかし……ヤーバン以外の夜会に参加となれば、相手方の文化に合わせる必要がありましょう」


 「確かに我が国の正装では問題があるわね。アルバトロス王国に詳しい者はいるか?」


 「いませんね。アルバトロス王に直接尋ねるのが一番の早道かと」


 「そうしよう。迷惑を掛けてしまうが、参加者を驚かせるわけにもいかぬ」


 ◇


 ――アルバトロス王都、ミナーヴァ子爵邸、執務室。


 いつも通りに私は執務室で仕事を捌いていた。いつも通りのメンバーが揃って、大量の仕事を凄い勢いで終わらせている。優秀な方たちの足手纏いになるわけにはいかないと、私も必死で作業を進めて一段落した頃だった。家宰さまが数枚の手紙を持って私の前に立つ。


 「ご当主さま、各国、各人より返事が届き始めておりますよ」


 「本当ですか? 皆さま返信が早い気がします」


 どうやら送っていた招待状の返事が戻ってきているようだ。遠い地に送った手紙はもう少し時間が掛かると考えていたのだけれど、流石魔術が存在する世界である。アルバトロス王国を経由して私の下へ渡るようにと手配したようである。なににしても参加者把握は大事なので有難いことだと、手紙を開封して参加の是非を確かめた。


 「ご当主さまが初めて主催して客人を招きますからね。当然のことかと」


 にこりと笑う家宰さまに私は苦笑いを返した。まあヴァルトルーデさまとジルケさまが興味があると言い、パーティーに参加することになったので割と凄い面子が揃うことになったのだ。

 アルバトロス王家からはゲルハルト王太子殿下が陛下の名代を務めてきてくださるし、ハイゼンベルグ公爵さまとヴァイセンベルク辺境伯さまも参加する。


 亜人連合国からはディアンさまとベリルさまとダリア姉さんとアイリス姉さんが、アガレス帝国からはウーノさまと第二皇女殿下が、フソウからはナガノブさまと九条さまが、リームからはリーム王とギド殿下も参加する。他にもラウ男爵さまにフェルカー伯爵、リヒター侯爵さまとフライハイト男爵もである。あと個人的にフィーネさまとアリサさまとウルスラさまとエーリヒさまと緑髪くんも誘っている。


 本当は下位貴族、子爵位や男爵位の方が侯爵家主催のパーティーに参加するのは稀であり得ないのだが、女神さま方が参加する時点でお貴族さま世界のルールから外れるから、家宰さまとソフィーアさまとセレスティアさまは構わないだろうと判断してくれた。

 そんなことなので、裏ではクレイグとサフィールもくるようにと誘っている最中だけれど果たして彼らはきてくれるのか。あとソフィーアさまとセレスティアさまも今回は私の側仕えではなく、個人的に参加して頂く予定だ。


 なににせよ、凄い面子が揃うのだし気合を入れなければ。招待し忘れている方はいないよねと、お世話になっている面々の顔を思い浮かべる。多分きっと大丈夫だけれど、私はうっかりミスを起こしてしまうので怪しいなあと窓の外を見るのだった。


 ◇


 ――某所、某部屋。


 「親父、誘われているのか?」


 「エーリヒ?」


 「いや、なんでもないよ、ユルゲン」

凄く長くなりました……約7600字です。短くするために途中、ワザと地の文を書いていません。ご了承を!

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― 新着の感想 ―
どこをどう見てもサミット開催です。本当にありがとうございましたwww しかも女神様もいるよwww 一部の方々は胃薬持参して来てね(;^_^A
更新ありがとうございます。 アルバトロス王国のミナーヴァ子爵領の領主邸の完成披露パーティー。 今回、招待されなかった方も、子爵領なのでキャパシティが少ないので…。 本番は、王都の侯爵邸の改装後のナイ…
其々の反応がww ーアガレスー ウーノ様方のナイさんへの好意は以前の事もあり、天元が突破状態です。 そんなナイさんに呼ばれたら狂喜乱舞するでしょうなw ーフソウー ナガノブ公の喜びもウーノ様程では…
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