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第一章序章 悪夢



第一章序章 悪夢



・・・・・・ふふふ。

私のこと、覚えているかしら。


ねえ、アリス?


まさか私のことを

忘れてしまったのではないでしょうね?


忘れてたのなら、もう一度思い出させてあげるわ。


私は貴女の全てを奪った者であり、貴女の所持者よ。

貴女にとっては、悪夢のような“三日間”を

貴女はそう簡単に忘れられるものかしら。


私だったら忘れられないわね。


“あの世界”を捨てて、一人のうのうと生きている時でも、ね。


アリスったら、私が話しかけても私に見向きもしないんですもの。

本当にひどい子よね、全く貴女を育てた親の顔が見てみたいものだわ。


私が貴女を好きだから、

貴女を殺さなかったっていうことを理解してもらいたいものよ。


私の能力じゃ、貴女は太刀打ちできないのだから。


まあ、貴女を失ったこの世界は、破滅に少しずつ向かっているわ。

そろそろ、貴女の今いる世界から一つ大切な物語が抜け落ちることになる。

そして貴女が好きで好きでたまらない、大切な仲間達もね。


私の知るところではないけれど。


この物語の主人公である貴女もそれに伴い、消えてゆくはずよ。

だけど、そんなことはさせてあげない。


この物語と共に消えるなんて、許さないわ。


そして私の手が届かない場所に逃げた、

貴女には一生死ぬことができない苦しみを味わせてあげる。


そうなるととても面白いわね。


仲間も誰もいない世界で、独りで生きるのはどんな感じなのかしら。

ぜひ私も味わってみたいけれどその権利は貴女に渡してあげるわ。


私からの一足早いプレゼントよ、喜びなさい。


それとも、私を止めに戻ってこられる?

でもぬけぬけと戻ってきた貴女を見て、大切な仲間達は何て思うかしら。

ふふふ、とても面白いわね。


壊れてゆく童話と、信頼を失くしたアリス、そして傷付いた貴女の仲間達。


それでは、もうすぐ白兎が目覚めるから。

私はここでさよならね。



アリス、貴女がさらにこの物語を面白くしてくれるのを待っているわ。







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