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0089:ダンジョン調査完了


転ばしたオークキングに対してサーシャ、シェリーまで参戦してきた。

ここで一気に倒しに掛かった。


何とか起き上がろうとするオークキングに対してジーナがシールドアタックを喰らわして決して起き上がらせない。


そこにサーシャの魔弓とシェリーの魔法を喰らわし、俺とアイラとナギサが斬り掛かった。


その戦い方は、後で他の冒険者達から


『傍目で見るとまるで虐めっ子達のようだったよ。ちょっとオークキングが可哀想だったな』


と言われるくらいだった。


何度も何度もオークキングを転ばしては攻撃を喰らわした。

そしてついにオークキングの動きが止まった。


「はぁはぁ、やっと死んだか・・・」


『はぁはぁ、そのようですね。ご主人様』

『かなりしぶとかったよねぇ』

『ふぅ~、疲れたのじゃ・・・』

『改めて見るとキングって大きいわね』

『はぁはぁ、はぁはぁ、もう駄目です・・・立てません・・・』


オークキングが死んだのを確認して他の冒険者達が近寄って来た。


『おぉぉぉ!! すげぇなぁ!』

『まさか1パーティーでオークキングを倒すなんてな』

『この目で見ていたのに未だに信じられねぇよ』


俺は地面に大の字になって倒れ込んでおり、アイラ達はへたり込んでいた。

するとダンテがオークキングの魔石とドロップアイテムを拾って来てくれた。


『レックスちゃん、それとこれもドロップしていたわよ』


そう言って手渡してくれたのは銀色の宝箱だった。


『『おぉぉぉ! 宝箱じゃねぇか!』』


周りの冒険者達に色めき立った。

まぁ、そりゃそうだよな。

臨時収入としてはかなり金額になるはずだしな。


「しかし、オークキングって結構なアイテムをドロップするんだな」


ダンテから受け取ったのは、オークの最上級霜降り肉が数百Kg、キングの斧、そしてオークの睾丸だった。


『・・・レックスちゃん、オークの睾丸は自分達で使うのかしら?』


ダンテの言葉にアイラ達は顔を真っ赤にしていた。


「つ、使うわけ無いだろう! こんなものは俺には必要無いしな!」


『ふふふ、レックスちゃんって凄いのね?』


は、嵌められた・・・

周りの野郎達もニヤニヤしていやがる。


『ふふふ、冗談よ、冗談』


ダンテにいじられていたが休息は十分だ。

他の冒険者達も体力が回復したようだ。


そして、オーク砦を調査していたパーティーも丁度戻ってきた。


『繁殖用のメスオークがいたので処分してきた。幸いなことに人間の女性はいなかったよ』


オークは性欲が旺盛でメスオークが足りない場合は他種族のメスでも交尾することが知られている。


『分かった。ご苦労だったな。それじゃあ地上に戻るぞ!』


『『おぉぉぉ!!』』


やっと地上に帰れるな。

戻ったら暫くは休暇にしよう。


『そういえば、アイラの動きが急に良くなったような気がしませんか? レックス殿』


さすがはナギサだ。

良く気が付いたもんだ。


「それは俺の新しいスキルのせいだな。隷属支援っていうスキルだよ」


一応、スキルの説明をそのまま伝えた。


『それってレックスの奴隷になれば強くなれるってことよね?』


「多分のその通りだよ」


『そうなるとサーシャも強くなったということ?』


「サーシャの場合は弓士だからな。強くなったか分かりにくいかもな」


『う~ん、そういえば、飛距離が少し上がったと思うよ』


なるほど。

弓士の場合は飛距離が1つの判断になるのか。


『なら、妾もマスターと奴隷契約を結ぶのじゃ』

『私も元々はレックスと奴隷契約をするって約束してから問題無いわよね』


ジーナはあまり深く考えていない気がするが元々、行くところも無いしな。

シェリーも確かに以前、そんな約束をしていたな。


『う~ん、私はどうしましょう・・・強くなれるんですよねぇ・・・』


ナギサは真剣に悩んでいるようだった。

まぁ、無理して奴隷になる必要は無いんだけどね。


そう思っていたらナギサが決算したようだ。


『よし、決めました! レックス殿の奴隷になります。もう既に身も心もレックス殿に奪われているわけだし』


ちょっと待て!

その犯罪者みたいに奪われたみたいな言い方はどうかと思うんだけど?


『・・・ねぇ、レックスちゃん・・・』


突然、ダンテが話に割り込んで来た。


『レックスちゃん、ナギサちゃんの言っていることって本当なの?』


「ちょっ、ちょっと待ってくれ! 奪ったという言葉がおかしい! そんな事はしていない・・・はずだ」


アイラ達がダンテにちゃんと説明してくれたので何とか誤解は解けた。

危うく犯罪者のレッテルを張られるところだった。


それはそうと、帰りのダンジョンでは俺達は一切戦闘をしなかった。


『一番手柄のお前達はノンビリしていろ。むしろ何もしなくて良いぞ』


ガボットから仕事をしなくても良いと言われたからだ。


仕事をしなくても良いと言われたが結局は強行軍で地上まで戻って来た。


『皆、今回の依頼では犠牲者はゼロだった。本当に良くやってくれた。今回の報酬は銀の宝箱もあるため2日後に取りに来てくれ』


複数パーティーで受けた依頼人で宝箱が発見された場合はギルドが現金化するんだったな。

一応、宝箱の中身を教えてくれて買い取りすることも可能だ。


とりあえず、キャンプ場に戻ろうとするとダンテ達に呼び止められた。


『レックスちゃん達と一緒に依頼が出来て本当に楽しかったわ。またいつか一緒に依頼を受けたいわね』


「えっと、まぁ、そうだね」


『アイラちゃん達も元気でね。また女の子同士で語らいましょ』


『はい。クリスさん達もお元気で』


「・・・は? クリスって誰だよ?」


『やぁねぇ、私の本名よ』


「・・・え? 本名ってなに? 源氏名のこと?」


『レックスちゃん、何を言っているの? 源氏名ってなに?』


「・・・いや、源氏名って本名では無くて所謂呼び名っていうか・・・」


『あら、そういうことね。それなら私の源氏名がダンテで、本名がクリスよ』


あれ? 頭が混乱してきたぞ。

本名がダンテで、源氏名がクリスじゃないのか?

だって、クリスじゃ女性の名前じゃないか。


『・・・ねぇ、レックスちゃん・・・あなた、まさか、私達のこと、男だと思っていないわよね?』


え? えぇ? まさか違うのか?

確かにダンテ達は自分達のことを男とは言っていない。

むしろ、ずっと乙女と言っていたよな。


ただ、ごっついのと髭が濃いだけなのか。


『ねぇ、レックスちゃん・・・その辺はどうなのかしら・・・?』


ヤ、ヤバい・・・完全に男だと思っていましたとは言えない状況だ。


何か考えろ、俺・・・


「えっと、ほら、ダンテ達って中性的じゃない? だから、男性と女性とか気にしなかったよ」


俺は一体、何を言っているんだろう・・・


『う~ん、なるほどねぇ。分かったわ』


この意味不明な言葉で何とか切り抜けたらしい。


ちなみに、ダンテの本名はクリス、メッシュの本名はメリダ、ビロードの本名はフラン、ヤンヌの本名はメリーナと言うらしい。


ダンテ達のギルドカードを見せてもらったが確かに本名は合っていた。


どうやら生物学的にダンテ達は女性だったらしい。

というか分かるはずが無いと言いたい。


・・・とりあえず、ここから早く離れよう。


「また機会があれば一緒に依頼を受けような。とりあえず、俺達はちょっと出掛ける場所があるから行ってくるよ」


そう言って少し強引ではあったがダンテ達と分かれた。

用事があるのは本当だしな。


「それじゃあ、奴隷商人のところに行くか」


◇◆◇◆


無事にジーナ達の奴隷契約も完了した。

さすがに疲れたので食事してから帰ることにした。


「明日は休暇にする予定だけど、何かしたいことはあるかな?」


『う~ん、これといって何も無いですね』

『そうですねぇ、楽しいことなら何でも良いですね』


テレビもネットも無い世界で楽しいことはあまり無いだろう。

町を散歩するか買い物をするくらいか。


「散歩しながら買い物をするか?」


『『おぉぉぉ! 賛成です!!』』


そろそろ暇潰しの方法を考えないといけないな。

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