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0072:馬車が完成した


ナギサの実力を確認した翌日だ。

ついでにナギサの裸をしっかりと確認した翌日でもある。


とりあえず、俺達はギルドに向かっている。

昨日、ナギサが倒したオークの魔石を買い取りしてもらうためだ。


オークのドロップアイテムはオーク肉であり大事な食材となるので売らない。


ギルドに到着して受付カウンターに向かった。


『あら、レックスさん。どうしたんですか?』


「オークの魔石を買い取りして欲しくて来ました」


そう言ってマジックバッグから15個の魔石を取り出した。

その時、ナギサのマジックバッグを買い忘れていることが分かった。


「あとでナギサのマジックバッグも買いに行かないといけないな」


『え、いいんですか? マジックバッグって高いですよね?』


それなりに高い買い物にはなるがマジックバッグは必需品だよな。


「まぁ、気にしないで。全員持っているし」


『え? 全員マジックバッグ持ちなんですか?』


この話の流れの中で一番驚いていたのは受付嬢だった。


受付嬢が言うには1パーティーで1つ持っていれば十分とのことだ。

普通はそうかも知れないが金に余裕があるから必需品はしっかりと揃えたい。


いざとなればマジックバッグを売ることで金を工面することも出来るしな。


そんな話をしているうちに査定が終わったようだ。

オークの魔石だけなので査定の結果は大銀貨5枚だった。


「ありがとうございます。また来ます」


受付嬢に挨拶してギルドをあとにした。

次に行くのはアイテム屋にした。

ナギサのマジックバッグを購入するためだ。


アイテム屋に到着した。

中々大きい店だ。


「へぇ、結構な種類のマジックアイテムがあるな」


見ていると欲しくなってしまうので、さっさと目的を果たしてしまおう。

カウンターに行くと店員にマジックバッグが欲しいことを伝えた。


アイラ達と同じ1500Kgの容量を持つマジックバッグを購入した。


形も俺達と同じショルダーバッグタイプだ。

大金貨1枚、金貨5枚を支払った。


『レックス殿はお金持ちなんですね。大金貨を払えるなんて驚きです』


俺のマジックバッグには白金貨も入っているんだけどな。

それはまた今度見せるとするか。


アイテム屋をあとにして本屋へ向かった。

本屋に到着してカウンターに向かうと前回来た時と同じ店員がいた。

向こうも俺達のことを覚えていたようだ。


『ご注文の本はちゃんと出来ていますよ』


店員はそう言って本をカウンターの上に置いた。

念のため、カウンターに置かれた本をペラペラ捲ってみたが問題は無さそうだった。


「ありがとうございます。確かに受け取りました」


『また他に必要な本がありましたら是非とも当店でご購入をお願いします』


無事に本を受け取り、本屋をあとにした。


『旦那様、早速本を見たいんですけど』


どうやら帰る前にレシピを確認して必要な材料を買ってから帰りたいらしい。

通りで立ちながら本を読むわけにもいかないので屋台の近くにある花壇に座った。


アイラ達が真剣な眼差しで本を読んでいる。

デザートのレシピ本ではあるが。


『これが食べたいわね』

『いや、こっちも美味しそうだよね』

『こっちも旨そうななのじゃ』

『これも凄く甘そうよ』

『こっちのほうが美味しそうじゃない?』


中々どれにするのか決まらない。

すると、とんでもない結論が出た。


『『じゃあ、全部作れば解決だね!』』


いや、それは一番駄目な解決じゃないのか?

でも言っても無駄だよな。


『それじゃ、材料を買いに行くよ』


こうして買い物ツアーが始まった。

雑貨屋、果物屋等を巡って色々な材料を次々と購入していった。

こうなるのマジックバッグはやっぱり便利だった。


購入した材料を次々とマジックバッグに放り込んでいくだけで持ち運ぶ必要が無い。

とりあえず色んな店で材料を買い集めた。


「そろそろ帰らないか?」


あまり買い込み過ぎると要らぬ噂が立ちそうだしな。


『そうですね、そろそろ帰らないと仕込みの時間が無くなっちゃいますね』


という事でキャンプ場に戻ることにした。

ハウステントを設置するとすぐに夕食の準備とデザートを作る準備を始めた。


俺は風呂の準備だ。


風呂の準備が終わりキッチンに戻ってくるとサーシャを中心に全員で夕食とデザート作りに頑張っていた。


キッチンは5人も並ぶとかなり窮屈だ。

なので俺は黙って眺めているだけになる。

決してサボっているわけではない。


『旦那様、サボってないでちゃんと手伝って下さいよ』


いや、だからサボっているわけじゃないんだけどな。

とは言うものの、サボっていると言われるのは心外なので言われるがまま手伝うことにした。


「それで俺は何を手伝いすればいいんだ?」


『テーブルを拭いて、食器を並べてください』


俺に任された手伝いは雑用ばかりだった。

文句を言わずに手伝いをした。

まぁ文句を言っても聞いてくれないしな。


『レックス殿はよく手伝いをしてくれるな。他の和の国の男達とは違うな』


和の国の男は家事の手伝いは一切しないものらしい。

いわゆる亭主関白というやつか。

しかし、うちで亭主関白なんかやったらどんな目に会うか分かったものではない。


『旦那様の場合は私達の教育が行き届いているからね』


「ちょっと待て! なんだ、その教育って?」


『あれ? 違うの? アイラにはしっかりと教育されているかと思っていたけど』


そう言われるとあまり反対意見が無い気がするな。

・・・うん、間違っていないかも知れない。


『ほら、2人とも馬鹿な話をしていないでさっさと準備しなさい!』


アイラから鋭い視線が飛んで来た。


「はい! 分かりました!」

『も、もちろんです!』


このやり取りを見ていたナギサがふんふんと頷いていた。

どうやらナギサはうちのパーティーの序列が分かったようで納得の表情をしていた。


◇◆◇◆


ナギサを向かい入れてから20日以上が経過した。

3日働いて1日休みとするサイクルだった。


それでも十分に稼ぐことが出来た。

その間にナギサのランクもEからDに上がった。


『レックス殿、今日は何処に行くんですか?』


「あれ? 言っていなかったかな。今日は注文していた馬車を受け取りに行くんだよ」


『ば、馬車って、あの馬車ですか?』


「あの馬車がどんな馬車か分からないけど普通の馬車だよ」


『いや、普通の人は馬車なんか持っていないわよ。だとしてもどんな馬車を買ったのかワクワクしますね』


どんな馬車になるのかは俺も分からないからな。

その点に関しては俺もナギサと一緒だな。


そしてこの日のために俺のマジックバッグはメリサのアイテム屋で売っている最大サイズに買い換えてあった。

その容量はなんと300tサイズだ。


大金貨で驚いていたナギサが白金貨に仰天していた。

まぁ普通の冒険者なら白金貨を見たことが無いのが当たり前だからな。


ちなみに、今に向かっているのは馬車屋ではなく馬車工房というらしい。

馬車工房は受注生産とのことだった。


馬車工房に到着すると親方がいた。


「親方、馬車を受け取りに来ましたよ。馬車は出来ましたか?」


『うん? おぉ坊主じゃねぇか。もちろんだ。ちゃんと出来上がっているぞ』


馬の代わりの台車に支えられて作業場の奥から一台の幌馬車が引かれてきた。

どう見ても8~10人乗りくらいの大きめの馬車だった。


よく見ると普通の馬車よりも車輪がかなりしっかりしているように見える。


『分かるか? お嬢ちゃん達から旅に使うって聞いていたからな。かなりしっかり車輪になっているぞ。何せアルミナ製だからな!』


確か、アルミナとはかなり軽いが丈夫な金属だったよな。

アルミナ製の剣とかは人気があったはずだ。


『しかも車輪だけじゃないぞ。馬車本体も板とアルミナの合板で作ってあるからな。見た目以上に軽くなっているぞ』


なるほどね、さすがは白金貨12枚だけのことはある・・・のかな。


『しかもだ!』


え、まだあるのか?


『幌は魔法布で作ってある。だから外からの攻撃に対して丈夫だし、馬車の内部は快適な気温になるはずだ!』


マジか、魔法布って防具に使うものだろうに。

かなり豪華な仕様になっているな。


『貴族が使っている箱馬車よりも豪華かも知れないな、がははは!』


ちょっと待て、そんなものを使っているとバレたら不味いんじゃないのか?

アイラ達のほうを見るとナギサ以外は誰も目を合わせないようにしている。


ナギサは親方の説明を聞いて呆然としていた。

そりゃあ、そうだよな。

あまりにも高スペック過ぎて驚きを通り越したよな。


まぁ注文してしまったものは仕方が無いよな。

馬車の中に入ってみると中が想定よりも広く感じだ。


8~10人乗り程度のはずなんだが、明らかに12~14人くらいは乗れる気がする。

しかもトイレが完備されていた。


『はははは、気が付いたか? この馬車に空間魔法が施してあるぞ。まぁ貴族が使うような箱馬車程では無いがな』


この馬車が白金貨12枚の理由がやっと分かった。

馬車の相場は分からないが確かにかなり価値の高いものであることが分かった。


『どうだ、坊主? 気に入ってくれたか?』


「はい、もちろんです」


気持ち良く、後払いの白金貨6枚を支払った。

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