表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/111

0007:アイラ加入


奴隷商人アランと会った翌日も俺はゴブリンの森にいた。


今までは何となくその日の生活費と少しの貯金が出来れば良し程度で狩りをしていたが今日からは少し違う。


奴隷商にいる獣人女性を購入するための資金を貯めるためだ。


「ノーマルゴブリンを数多く狩るかゴブリンの上位種を狙うか、どっちにしようかな・・・」


ゴブリンの上位種をソロで倒すのは結構大変だし失敗する可能性もある。

ならば1匹の値段は安いがゴブリンを数多く倒すほうが確実だ。


「やっぱり、ここは堅実にいくとしようか」


ノーマルゴブリンを数多く倒すことに決めた。

ゴブリンの森の入口付近を歩き回ってゴブリンを討伐しまくった。


とはいっても、5匹以上の群れは避けた。

支援スキルは有効なんだが、やはり5匹以上はソロでは厳しい。


ゴブリンの群れを見つけては突撃していった。


◇◆◇◆


5日後、合計でゴブリンを100匹以上倒して目標の金貨1枚にたどり着いた。


銀貨ばかりが詰まった袋をリュックサックに入れて奴隷商に向かった。


「い、意外と重たいな・・・」


銀貨100枚は意外と重かった。

手数料を払えば両替をしてもらえるのだが今回はケチってしまったのだ。


歩く度にリュックサックの中の銀貨がジャリジャリと音を立てている。

これは俺がお金を持っていると教えているようなものだ。


「早く奴隷商に行かないと変なやつらに絡まれるかも知れないな・・・」


なるべく他人の近くに寄らないように歩いたが、かえって周りから見たら挙動不審な奴と思われたかも知れない・・・


奴隷商に到着するとカウンターには前回も会った若い男性がおりアランへの取り次ぎをお願いした。


しばらくするとアランがやって来た。


『レックス様、お待ちしておりました。どうやら金貨1枚、ご用意出来たようですね』


「はい、なんとかなりました。銀貨ばかりになってしまいますが・・・」


『ははは、そんなことは構いませんよ。ちゃんと金貨1枚分あれば大丈夫ですよ』


良かった。

硬貨20枚以上は受け付けられないとか言われたら困っていたところだ。


アランに前回と同じ部屋へ案内された。

ソファに腰を降ろすとアランの秘書なのか若い女性がお盆のような物を持ってやってきた。


『それでは代金を頂きます』


若い女性が持ってきたお盆にきっちり銀貨100枚を乗せた。


『はい。銀貨100枚、確かにお預かりしました』


若い女性が銀貨を乗せたお盆を持って下がっていった。


『しかし、さすがレックス様ですな。ちゃんと期日通りに金貨1枚をご用意されるとは』


「いやいや、運が良かっただけですよ」


【紅蓮の刃】時代は報酬を削られていたかも知れないが俺は後衛だったので装備品にはあまり金はかかっておらず、宿屋もルイーザさんが勧めてくれた宿屋のため貯金が出来ていた。


『いえ、そうではありませんよ。冒険者は意外に浪費する人が少なくありません。そして浪費癖がある冒険者は大抵、どこかで躓くものなんです。』


確かに貯金が少なくて程度の低い武器や防具しか身に付けていない冒険者は結構いるな。

武器や防具は命を守るための大事な物なのにだ。


すると扉をノックする音がした。


ガチャと扉が開き、先程の若い女性が1人の女性を連れて部屋に入ってきた。

一緒にいたのは真っ白な髪に赤い目をした綺麗は獣人女性だ。


『アイラと申します。購入して頂きありがとうございました』


着ている服は奴隷なのでボロのままだが、前回見たときは全身が灰色だったのはやはり汚れていただけだったのか。


『中々の美女でしたな。彼女はここに来た時は身体を洗うのを頑なに拒んでいたのですが。レックス様に購入して頂けるとなった日に身体を洗うことを了承したんですよ』


何がきっかけになったのか分からないが、アイラが物凄く美人だったということが分かった。


アランが一言呟いていた。


『これなら金貨2枚、いや金貨3枚でも良かったな・・・』


もう代金は支払い済みなので追加請求は受けないからな。


「えっと、アラン殿。この後はどうすれば良いんですか?」


『おっと、忘れるところでした。レックス様とアイラの奴隷契約をしますよ』


あやうく一番大事な作業を忘れられるところだったな。


『では、レックス様。アイラの首輪に血を一滴垂らして下さい』


アランに言われと通りにアイラの首輪に血を一滴垂らした。

そしてアランがブツブツと呪文を唱え始めた。


アランが呪文を唱え終わるとアイラの首輪が一瞬光った。


『これで奴隷契約は完了しました。主人は奴隷のステータスを確認出来ますのでご確認をお願いします』


アランから奴隷のステータスを確認するように言われたので確認してみた。


「ステータスオープン アイラ」



名前:アイラ (主人:レックス)

種族:狐人族

年齢:20

レベル:1

ジョブ:軽戦士

ジョブスキル:

【双剣】

加護:


「確かに俺が主人になっていますね。ジョブは軽戦士か、俺よりも格好いいな」


種族は狐人族か。

身長は俺よりも少し低いくらいだから160cmくらいだな。

ちなみに俺は170cmだが、この世界の男性では背の低いほうだ。


『レックス様、これで一通りの作業が完了しまいた。また奴隷のご用命があれば次回も当店でお願い致します』


「ありがとうございます。俺がもう少し冒険者として成長したら追加購入しに来ますね」


パーティーメンバーは6人まで登録出来る。

そしてパーティーメンバーが多いほど冒険のリスクは下げられる。

もちろん前衛、中衛、後衛のバランスを取ることが重要ではあるが。


とりあえず奴隷商を出た。


「まずはアイラの服を買いに行ってからギルドに行ってアイラの冒険者登録をしようか」


『えっと、ご主人様。宜しいのでしょうか?』


「えっ? なにが?」


『奴隷に服を買って頂くのはどうかと・・・』


「そんなのは気にしなくていいから。俺がアイラに服を買ってあげたいだけだから」


『分かりました。ありがとうございます』


アイラが深々と頭を下げてきた。

大通りの中でお辞儀をされるとちょっと目立つから止めて欲しいな。


とりあえずアイラの手を引っ張って服屋に急ぐことにした。

庶民的な普段着が売っている店だ。

この店も実はルイーザさんのお勧めの店だ。

値段の割にはしっかりした服が売っている。


店に入ると俺はアイラに似合う服を女性店員さんに選んでもらった。

俺にはセンスが無いからな・・・


女性店員さんが選んでくれたのは茶色がベースのワンピースと薄緑色のワンピースだった。

どちらもアイラに似合いそうだった。


「じゃあ、その2つを下さい」


『はい、畏まりました。それでは尻尾を通すための穴を開けますね』


確かにアイラに尻尾があるから尻尾を通すための穴が必要だよな。

この店の店員さんは良く気が利くな。


すると顔を赤くした女性店員さんが俺のところに近寄ってきて耳打ちした。


『あ、あの、彼女、下着を履いていないのですが下着も購入されますか?』


な、なんとアイラはずっとノーパンだったのか。

さすがにノーパンのままは不味いだろ・・・


『は、はい。もちろんです。お願いします』


奴隷は下着を履くことを許されていないのだろうか?

だとしたら酷すぎるな。


アイラが新しい服に着替えてきた。

やっぱりアイラは綺麗だ。


『お客さま、よくお似合いですよ』


女性店員さんも褒めてくれた。

ワンピース2着と下着分の代金として銅貨7枚を支払い服屋をあとにした。


『ご主人様、ありがとうございます』


アイラはまた深々と頭を下げてきた。

だから、それは止めて欲しいとアイラにお願いしたところアイラの返答はNoだった。


『奴隷がご主人様にお礼を言うのは当たり前ですから』


命令をすれば止めるのかも知れないがあまり命令をする気にはなれないので俺が我慢することにした。


服屋を出た後はアイラの冒険者登録をするためにギルドへ向かった。

ギルドに到着しルイーザさんがいる受付カウンターに向かった。


「ルイーザさん、すみませんが彼女の冒険者登録をお願いします」


『あら、レックスさん。奴隷を購入したのね。ギルドの紹介状は役に立ったかしら?』


「はい、おかげさまで無事に仲間が増えました。ありがとうございます」


『それにしても随分と綺麗な子を仲間にしたのね。結構奮発したようね』


ルイーザさんがニヤニヤしている。

何か勘違いしていないかな?


『はい、その子のギルドカードが出来たわよ』


「ありがとうございます」


『ちなみにパーティー名はどうしますか?』


パーティー名か、まだ何も思い付かないな。

なのでパーティー名は保留にした。


最後に武器屋に寄ってアイラの武器を購入した。

アイラの武器はショートソード2本となった。


そして手持ちの金が銀貨2枚になってしまった。


「明日からしっかりと働かないとね」


『はい、任せて下さい。ご主人様』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ