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0063:馬車を注文した


『ちょっと、旦那様、そこは・・・自分で洗います・・・』


石鹸の泡でサーシャの全身を余すところなく洗いあげた。

そしてサーシャがぐったりしていた。


『ご主人様、ちょっとやり過ぎなのでは?』


「そんな事はないよ。さ、次はアイラの番だよ」


そう言ってアイラの手を掴んで逃げないようにした。

アイラにも石鹸の泡で全身を揉み洗いする。


『ちょっ、ちょっと、待ってください・・・そんな所まで・・・そこは自分で・・・やりますよ・・・』


アイラもぐったりしてした。

そんなアイラとサーシャの姿を見てジーナとシェリーが後退りしていた。


「・・・次はどっちがやる?」


『シェリー、お先にどうぞなのじゃ!』

『ジーナ、先にやってもらっていいわよ!』


お互いに順番を押し付けてあっている。

そして中々順番が決まらない。


「面倒だから2人同時にやるか」


『『えぇぇー? そんなー!』』


右手でジーナを、左手でシェリーの全身を石鹸の泡を揉みあげた。


『マスター、手付きがやらしいのじゃ・・・』

『レックス、そこはちょっと・・・』


片手でもちゃんと洗えるもんだな。

しかも右手と左手で感じる感触が違うところがこれまた良かった。


アイラ達を揉み洗いし終わって満足しているとアイラ達が俺の両手両足を掴んできた。


『ご主人様もちゃんと洗わないといけないですよね?』

『旦那様も隅々まで洗ってあげますよ』

『マスター、覚悟は出来たのか?』

『レックス、しっかりお返しするわよ?』


「い、いや、俺は自分でやるよ・・・」


『『だ・め・で・す・よ!!』』


そりゃあ、そうだよな・・・

俺もアイラ達に満遍なく全員を洗ってもらった。

気持ち良過ぎてぐったりしてしまった。


今日はもう冷たいジュースを飲んで寝てしまおう。


◇◆◇◆


翌朝、ベッドの上で目を覚ますとハーブの香りが部屋中に充満していた。

石鹸の混ぜたハーブの香りだ。


アイラ達の頬を撫でてみたが皆、いつもよりもツルツルだった。


「良かった、これなら問題無さそうだな」


アイラ達も起きたようだ。


『『すごくグッスリと寝れました』』


ハーブにはリラックス効果もあるんだよな。

なので、きっとハーブのおかげだろう。

今後のお風呂ライフが充実しそうだ。


朝食後、ギルドに向かった。

馬車の本体を購入出来る店があるかどうかを確認するためだ。


ギルドに到着すると中は冒険者達でごった返していた。

まだレアメタルスライム狩りがブームになっているからだ。


俺達はもう3匹討伐してしまったので依頼を受けられないが。


とりあえずカウンターに並んで順番が来るのを待つしかない。

素直に行列に並んでいると順番が回ってきた。


『あら、レックスさん。今日はどうしたんですか?』


「今日は依頼とかじゃなくて馬車を購入出来る店がこの町にあるか聞きたくて来たんです」


『え、馬車ですか? それなら・・・ここですよ』


受付嬢は町の案内地図を広げて、馬車を購入することが出来る店の場所を教えてくれた。

この町の西門の近くにあるようだ。


「ありがとうございます。早速行ってみます」


『え、えぇ? レックスさん? 依頼を受けに来たんじゃないの?』


受付嬢が呆れたような声を掛けてきたが笑って誤魔化した。

受付嬢にお礼を言ってギルドをあとにした。


◇◆◇◆


メリサの町の西門近くにやって来た。

この辺りに馬車を購入出来る店があるはずだ。


『マスター、あれじゃないのか?』


西門の周辺を探しているとジーナが馬車を描いた看板を発見した。


「確かにそれっぽいな」


そこは店というよりは作業場といった感じだ。

作業場には厳つい顔をした男の作業員が5~6人いた。


「すみません、馬車の購入で話を聞きたいんですが・・・」


そう言うと作業員達がジロッと俺達を見た。

厳つい顔をしているから睨まれている感覚に陥る。

決して睨んでいるわけでは無いと思いたい。


1人の厳ついオッサンが俺達の方に近寄って来た。


『そう言う話なら親方を呼んでくるからちょっと待ってな』


オッサンはそう言って作業場の奥に行き、もう1人のオッサンを連れてきた。

親方はもっと厳つい顔をしていた。


『お前達か? 馬車を買いたいと言ってるのは』


「はい、そうです。馬車の購入で話を聞きたいんですが」


『・・・分かった。話を聞こうか』


そう言うと作業場の奥にある部屋に案内された。

部屋の中にテーブルと椅子だけがあり、椅子に座るように言われ、言われた通りに座った。


『さてと、馬車を購入したいとの話だが予算はちゃんとあるのか?』


「白金貨10枚までなら出せますよ」


『は? 白金貨10枚だと?』


「あれ? 予算が足りませんか?」


予算的には白金貨20枚でも大丈夫だが追加したほうが良いのか?


『いやいや、逆だ。予算的には十分だ』


良かった。

どうやら予算的には問題無いようだ。


『それで、どんな馬車が欲しいんだ?』


箱馬車を欲しいと言ったらダメ出しされた。

箱馬車は一般的に貴族が使うものらしい。


なので、どんな馬車があるのか聞いてみたところ、あるのは荷馬車、幌馬車の二択で、二輪車か四輪車の組み合わせがあるくらいだった。


「旅に使用するなら幌馬車の四輪車になりますかね?」


『まぁ、そうだな。俺のオススメもそれになるな。それと馬車は受注して作成することになるから1ヶ月は掛かるが大丈夫か?』


「まぁ1ヶ月くらいなら大丈夫ですよ」


『そうか、なら良かった。じゃあ早速だがどんな馬車が欲しいのか聞かせてくれ』


その後、親方と話をして欲しい機能を伝えた。

親方はかなり厳つい顔をしているが真摯にこちらの要望を聞いてくれた。


『なるほどな・・・なら、ここはこうしたほうが良いだろうな』


『それなら、ここはこうしたらどうでしょうか?』

『いやぁ、ここはここでしょう』

『いや、ここはこうなのじゃ』

『そうじゃないでしょ、こうよ』


いつの間にか俺だけ除け者にされて設計が進んでいるような気がする・・・


すると親方を呼びにいったオッサンが一言。


『諦めな。まぁなったら入り込む余地なんてねぇよ』


まさに入り込む余地が見当たらない。

しかし、このままでは俺の存在意義が問われかねない。

ここは俺の存在感をアピールするしかない。


「えっと、そこはこうしたほうが良いかと思うんだけどなぁ・・・」


『『えー? センス無くない?』』


一撃で俺の存在感は葬り去られた・・・


『ほらな、言った通りだろ? あっちで飲み物でも飲むか?』


俺は厳つい顔をしたオッサンに肩をポンポンされながら別室に移動した。


それから2時間程してアイラ達と親方が満足そうな顔をして戻ってきた。


『これはやり甲斐のある仕事になるな! がはははは』


『親方さん、頼みますね』

『いい馬車を作ってよ』

『しっかりと頼むじゃ』

『今から出来る上がりのが楽しみね』


一体、どんな馬車を頼んだのだろうか。

アイラ達に聞いても


『出来てからのお楽しみです』


と言って教えてくれなかった。

ただ凄いものを頼んだことだけは分かった。


『とりあえず、代金の半分は前払いでもらうからな』


と言われて白金貨6枚を支払ったからだ。

つまり全部で白金貨12枚になってしまったということになる。


親方をじっと見るが親方は俺と目を合わせようとはしなかった。

親方はズルい大人だった。


しかし、白金貨12枚を注ぎ込んだ幌馬車ってどんな馬車になるんだろうな。

とりあえず1ヶ月後がある意味楽しみだ。


「明日から依頼をたくさん受けないとな」


貯金はまだ十分あるが今後も色々と買う物が出てくるだろう。

なので貯金は多めにあったほうが良いだろう。


という事でギルドに向かった。

今ならギルドは空いているはずだ。


ギルドに到着すると真っ先に依頼ボードに向かった。

探すのはランクBかランクCの依頼だ。

俺達はランクCパーティーなのでランクBの依頼まで受けられる。


「さてと、どの依頼を受けようか」

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