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0061:米を食べた


『ほ、本当なんですか? 嘘をついていても査定をすれば分かりますよ?』


一応、キングレアメタルスライムの話をしたが信用してくれていない・・・

査定してくれれば分かる話なんだけどな。


「まぁ、査定してください。あとドロップしたもレアメタルも出しますね」


普通のレアメタルを2つはカウンターの上に置いた。

普通のレアメタルは1つ30Kgくらいの塊だ。


そして3つ目のレアメタルを床に取り出すことにした。

こっちは推定300Kgくらいある。

マジックバッグから取り出す際に数cm程、床の上に出してしまったため、ズンっと大きな音を立ててしまった。


『な、な、な、なんですか? この塊は?』


「レアメタルですよ、ちょっと大きいですけと」


『ちょっ、ちょっと待っててください。今、運ぶ人を連れて来ますから・・・』


そう言い残すと受付嬢は何処かに行ってしまった。

すると何人かの冒険者達が集まってきた。


『おい兄ちゃん。すげぇな、それ』

『そのデカいのもレアメタルなのか?』

『ひょっとして、岩場の主を倒したのか?』


「岩場の主・・・ですか?」


『あぁ、何人か岩場で見た奴がいてな。ただ誰も倒せなかったんだがな。お前ら凄いな!』


まぁモンスターの名前がキングレアメタルスライムだからな。

そう考えると岩場の主と言っても過言ではないか。


暫くすると何処かに行っていた受付嬢が何人かのギルド職員を連れて戻ってきた。


『す、すみません。お待たせしました。鑑定人を連れてきました』


鑑定人をここに連れて来たということはこの場で鑑定するのか。


『おぉぉ、これは凄いのう。こんな巨大なレアメタルの塊は初めて見るのう。しかも純度が高いな』


『あ、あの、やっぱり、これもレアメタルなんですか?』


『あぁ、見た通りだ。立派なレアメタルだな』


受付嬢と鑑定人が話している内容を聞く限りちゃんとしたレアメタルで問題無さそうだ。


「えっと、それで俺達はどうすれば良いですか?」


鑑定人が首を振っていると見て受付嬢が答えた。


『あ、すみません。申し訳ありませんが報酬は明日に支払うで良いでしょうか? こんな大きさのレアメタルは初めなので・・・』


まぁ急いでいないので特に問題は無いかな。


「分かりました。明日、またギルドに来ます」


ギルドを出る前に受付嬢にギルド公認の箱屋の場所を聞いてギルドをあとにした。

今日はまだ時間があるので箱屋に向かった。


『レックス、あったわよ。看板が見えたわ』


箱屋に入ると中には恰幅の良いオバサンがいた。


『あら、いらっしゃいませ。宝箱の解錠かしら?』


「はい、今からお願いしても大丈夫でしょうか?」


『えぇ、大丈夫ですよ。ちなみに宝箱の色は何色かしら?』


「金色の宝箱です」


そう言って、俺はマジックバッグから金色の宝箱を取り出した。


『あら、珍しいわね。ここ最近は銅や銀色ばっかりだったのよね』


オバサンは嬉しそうに宝箱を眺めている。


『じゃあ、早速、解錠作業を始めても良いかしら?』


「はい、お願いします」


そう言うとオバサンは俺から宝箱を受け取り、作業場に移動してテーブルの上に宝箱を置いた。

そして両手を宝箱にかざして呪文を唱え始めた。


すると宝箱から無数の鍵が現れた。

鍵の数は50個くらいかな。

ある程度見慣れた光景ではある。


『じゃあ、解錠を開始するわね』


オバサンはそう言うと鍵を1本ずつ宝箱に差し込んでいった。


俺達はオバサンの邪魔にならないように少し離れたところで解錠作業を見守った。


作業を開始して1時間が経過した。


『これで最後の1本ね』


オバサンが最後の鍵を宝箱に差し込むと宝箱が輝き、宝箱から色々な物が出てきた。


宝箱から出てきた物の中で一際目に付いたのは2頭の馬だ。

馬の額には大きな宝石が埋められている。


「馬の置物か?」


触ってみると馬の毛の手触りがリアルだ。

もちろん体温は感じられないが。


『う~ん、ゴーレム馬とも違うようだねぇ、これは私には価値が分からないねぇ・・・』


オバサンは少し困ったそうにしていた。

とりあえず、宝箱から出てきた物を整理した。


・大金貨500枚、金貨200枚

・馬(?)2頭


『多分だけど、馬の額の宝石が値打ち物なんだろうけど私には値段が分からないねぇ・・・料金は大金貨200枚でどうだい?』


馬の価値が分からないから馬の分は無視してくれてたようだ。


「分かりました。問題無いです」


代金の交渉も無く手っ取り早く終わった。

とりあえず、馬の置物(?)をマジックバッグにしまって箱屋をあとにした。


『旦那様、夕食はどうしましょうか? もう夜ですし、どこかで食べて帰りますか?』


サーシャの言う通り、既に暗くなっていた。

今からキャンプ場に帰ってから夕食の準備をするのは面倒だよな。


「そうだな、どこかで食べてから帰ろうか」


周囲に食事が出来そうな店を探してみたが、どこもかしこも騒がしそう店ばかりだ。


「出来ればゆっくりと食事が出来る店が良いんだけどな・・・」


すると、ちょうど箱屋を店仕舞いしたオバサンが声を掛けてきた。


『あんた達、こんなとこで何をしてるんだい?』


ちょうど良いのでオバサンにゆっくりと夕食を食べられる店が無いかを聞いてみた。


『それなら、良い店があるよ。ちょうど私の帰り道だから連れていってあげるよ』


そう言ってオバサンに連れていかれた。

その店は大通りから少しだけ外れた所にあり、外から覗くと店の中の客も多くなかった。


『ここならゆっくりと食事が出来るし、味もしっかりしているわよ』


そう言ってオバサンは帰っていった。


「とりあえず、店の中に入ってみるか」


何故静かなのかというと店の外にある看板のせいだろう。


《酒類は提供しません》


なので本当に食事したい人だけが利用する店のようだ。

店の中に入ってみると店の中は普通の食堂だ。


『いらっしゃい。空いてる席に座って頂戴』


女性店員に言われた通りに空いていた6人用のテーブル席に座った。

席に座るとすぐに店員が水とメニューを持ってきた。


メニューを見たが愕然とした。


「なんだこれ?」


『ふふふ、これは斬新ですね。ご主人様』

『これは驚きだわ・・・』

『まったく分からんのじゃ』

『面白すぎね。ねぇ、レックス』


メニューに記載されていたのは


・店長のオススメ その1(普通)

・店長のオススメ その2(甘口)

・店長のオススメ その3(辛口)


この3つしか無かった。


「メニューの必要性があるのか? とりあえずメニューで悩むことは無さそうだけどな」


『ご注文は決まりましたか?』


店員が注文の確認に来た。

選択の余地はほぼ無いので全員がオススメその1を頼んだ。


『承知しました。では少しお待ち下さい』


そして10分くらいして食事が出てきた。

出てきた食事を見てビックリした。

こっちの世界で初めて米が出てきた。


『これはライスと言います。よく噛むと口の中で甘味が出る食べ物です。このライスにスープをかけると更に美味しくなりますよ』


出てきた食事はスープが2つと米の丼だ。

店員の言う通りにスープをご飯にかけてみた。

味噌汁をご飯にかけて食べるのとは違った美味しさだった。


『ライスも美味しいですけどスープに入っているお肉のほうが美味しいです』


アイラはやっぱり肉派らしいな。


『スープの中に入っている野菜も美味しいよ』


サーシャは野菜もイケるようだ。


『このライスは絶品なのじゃ』

『本当、このライスは美味しいわね』


ジーナとシェリーはライスが気に入ったようだ。


『『美味しかった~!!』』


それぞれ、好みのポイントは違ったようではあるが全員満足したようだった。


確かに味は十分満足感出来るものだった。

代金を支払う時に店員に聞いてみた。


「あのライスって普通に買えるものなんですか?」


『はい、この町のタナカ商会で購入出来ますよ』


タナカ商会?

名前からすると日本人のような響きだよな。

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