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0059:レアな奴の討伐依頼


「なんで馬車が無いんだよ?」


馬車も無くなっているが商人らしき男3人の姿も見当たらない。


『ご主人様、ひょっとしたら、あの商人らしき男達とさっきの盗賊達はグルだったのかもしれませんね・・・』


そう考えると盗賊が襲って来なかったのも奇襲が出来なかったからだけでは無いのか。

奇襲が出来なかったら俺達を野営地から引き離すのが次の目的だったのかも知れない。


何にせよ、馬車が盗まれたことには変わらない。

しかし、幸いなことに馬車には何も荷物を乗せていなかった。

荷物は全てマジックバッグの中だ。


「くっそう! やられた!」


『盗賊の仲間だったんだね。なんか胡散臭い連中だったもんね』


確かに今思えば若干胡散臭かったかも知れないな。

盗られたのは馬車だけだが盗られたという事実が悔しいし腹が立つ。


『まぁ次の町まではそんなに遠くないはずですから元気出しましょうよ、ご主人様』


これ以上怒っても仕方が無い。

今は次の町へ急ぐことが大事だな。

もうすぐ朝になる。

なので早く次の町へ行って休むことにしよう。


「とりあえず、次の町まで行くか」


『まぁ、仕方が無いのじゃ』


強化支援を発動して街道沿いを急いで進むことになった。

メリサの町まではそれほど掛からないはずだ。


◇◆◇◆


「あれがメリサの町かな?」


小高い丘の上から見下ろした先に町が見える。

話に聞いていた通り大きな町だ。

しかも町なのにしっかりとした城壁があった。


『町というよりも都市に近いですよね、ご主人様』


とアイラに言われたが、そもそも都市と町の違いが分からないな。

広さなのか、人口の数なのか、勝手に名乗るのか不明だ。

まぁ、あまり気にしても意味は無いか。


メリサの町の門に到着した。


「中々、立派な壁だよな。とても町の壁とは思えないな」


メリサの町の壁は高さが3~4mはあり、厚さもそれなりにありそうだ。

門に近付いていくと門番に呼び止められた。


『ちょっと待ってくれ。すまないが身分証明書を提示してくれないか。最近、盗賊が増えているからな』


なるほどな。

俺達も盗賊に襲われたばっかりだしな。


とりあえず、俺達のギルドカードを提示した。

門番は俺達のギルドカードを確認した。


『・・・問題無いですね。では門を通って良いですよ。メリサの町へようこそ』


門番はニコと微笑み、道を開けてくれた。

こいつ・・・明らかにアイラ達を見ているな。

しかし当の本人達は完全に無視していた。

門番の視線には気付いていたかと思うが。


「とりあえず、キャンプ場に行こうか。少し寝たいよな」


『そうね、私も少し疲れたわ』


魔法使いだから仕方が無いけど、やはり俺達の中ではシェリーの体力が1番低い。

キャンプ場に到着しハウステントを設置した。


その日はハウステントの中でゆっくりすることにした。


◇◆◇◆


翌朝、早速ギルドに向かっていた。

さすがに大きい町だけあって人通りが多い。


『ご主人様、かなりの人通りですね』


そして通りを歩いている冒険者の格好をしている人の数も結構いた。


「あれって全部冒険者なのかな?」


『どうやら、そのようですね。旦那様』


そして、その冒険者達がなにやら急いで何処かに向かっているように見えた。


『なんか騒がしそうじゃな、マスター』


「とりあえず、ギルドで話を聞いてみるか」


ギルドに到着したが、ギルドの中も騒々しい。

一体、何があったのか。

すると他の冒険者とギルドの受付嬢の話し声が聞こえてきた。


『おい、早く受付を頼むよ! 他の冒険者達に根こそぎ取られちゃうだろ!』


『分かってますよ。今、急いで受理作業をしていますから・・・』


『分かっているが、こんなの滅多にないんだから早く頼むぞ!』


どうやら、何かの依頼に冒険者達が群がっているようだ。

受付カウンター前に行列が出来ていた。

しかし、どんな依頼に群がっているのか全く不明だ。


すると、ちょうど戻って来た冒険者達がいた。


『ははは、やったな。2匹も狩れたな』

『あぁ、暫くは旨い酒が飲めるな』


「すみません、今ってなんでこんなに盛り上がっているんですか?」


とりあえず上機嫌そうな冒険者に話を聞いてみた。


『なんだ、知らないのか? 今、レアメタルスライムが大量に発生してるんだよ。こいつを倒すとレアメタルっていう金属をドロップするんだけどな、これがすげぇ高く売れるんだよ』


レアメタルをドロップするからレアメタルスライムというのか。

某ゲームのように大量の経験値を取得出来る訳ではないらしいが高く売れるんなら俺達も依頼を受けてみたいな。


情報を教えてくれた冒険者に礼を言って依頼を受けるために受付カウンターに出来ている行列に並ぶことにした。


行列に並ぶこと2時間掛かってようやく俺達の順番になった。

俺達も並び疲れていたが受付嬢も疲れていた。

受付嬢の場合は説明疲れだと思うが。


『あなた達もレアメタルスライム狩りの受付ですよね? では、ギルドカードを出して下さい』


俺達のギルドカードを提出すると別の職員が俺達のギルドカードを持ってカウンター奥に行った。

そして受付嬢が説明を開始した。


『レアメタルスライムは1パーティーで3匹まで狩って良いですが、くれぐれも3匹を超えないようにしてください』


「もし超えたらどうなるんですか?」


『その場合は契約違反として罰金となります。罰金の金額ですが、4匹目以降は1匹分ずつ引かれます』


ということは、もし4匹倒してしまうと報酬は2匹分になるということか。

5匹だと報酬は1匹分、6匹だと報酬は0匹分だよな。


「もしかして、間違って7匹倒すとマイナスになるのか?」


『はい、その通りですよ。なので気を付けて下さいね』


「分かりました。気を付けます」


『次にレアメタルスライムがドロップしたものは宝箱以外は全てギルドでの買取になります』


なるほど、商人とかに横流しするなということか。

まぁ当然といえば当然か。


『最後に他の冒険者と揉め事を起こすのは禁止です。たとえどんな些細な揉め事でもです』


これもまぁ当然だよな。

報酬が良い依頼ほど揉め事が起こり易いという話も聞くしな。


「了解しました。まぁ問題無いです」


『分かりました。それではレアメタルスライム狩り依頼の受付を許可します。ギルドカードも返却しますね』


受付嬢の説明が終わったと同時に他のギルド職員が俺達のギルドカードを持ってきた。


『レアメタルスライムは北門を出て北上した岩石地帯にいます。では頑張って下さいね』


受付嬢はそう言って俺達のギルドカードを返してくれた。

ギルドカードを受け取ってギルドを出た。


「早速、北門を出て岩石地帯に行ってみるか」


『レアメタルスライムってどんなモンスターなのか、ちょっと楽しみですよね、旦那様?』


確かにちょっと興味がある。

スライムというとゲームでいえば序盤に出てくる雑魚モンスターのはずだが。


北門に到着すると北門の門番が話し掛けてきた。


『おや、君達もレアメタルスライム狩りかな? 最近は皆してレアメタルスライム狩りだな』


「そうらしいですね。俺達は昨日、この町に来たばかりだったんですが、ちょうどレアメタルスライム狩りの依頼があったんで受けたんですよ」


『はははは、そうなのか。それは運が良かったな。それじゃあ頑張ってきな。目的の岩石地帯は歩いて2~3時間くらいだからな』


親切な門番との会話も終わり岩石地帯に向かった。


強化支援を使ったため目的の岩石地帯に1時間ちょっとで到着した。

岩石地帯はかなりの広さがあるようだが他の冒険者達がたくさんいた。


「これはレアメタルスライムを探すのは大変そうだな・・・」


よく考えてみれば多く冒険者達が集まっているんだよな。

さて、どうしようかと考えているとアイラから


『ご主人様、あっちのほうに感じたことの無いモンスターの気配があります』


そうだった。

うちのパーティーにはアイラはいるんだった。

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