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0049:遺跡調査依頼 その3


遺跡の中で一泊した。

ハウステントは出さずに普通のテントで一泊した。

もし何かがあってテントを捨てるようなことが発生したら悔やんでも悔やみきれない。


夜中にモンスターが襲ってくることは無かったが、ダレンのテントが夜中揺れていたのは内緒だ。


『まったく、貴族のボンボンはこんな場所で良くやるよな・・・』


ダッチにはバレていたようだ。

というか、全員にバレているようだった。


とりあえず、朝食後に調査を再開した。

いくつかの扉を開けて部屋の中に入ってみたが怪しい部屋は無かった。

そして通路の1番奥の部屋までたどり着いた。


『ご主人様、部屋の中に何かいます』


アイラが何かの気配を察知したようだ。

念のため、扉に耳を当てて中の音を探ってみた。


カサカサ、カサカサ


確かに何かがいる音がした。

しかも何かが大量にいるような音だった。


「サーシャとシェリーで先制攻撃をするか」


一応、ダッチとダレンに魔法使いがいるか聞いてみたが野郎パーティーにもハーレムパーティーにも魔法使いはいなかった。


なので先制攻撃はサーシャとシェリーだけだ。

全ての支援を発動させて順番した。


「サーシャ、シェリー、魔力支援をするから魔弓と魔法を使いまくってくれ」


『了解です、旦那様』

『任せておいて、レックス』


俺が扉を開けるとサーシャとシェリーが部屋の中に向かって魔弓と魔法を撃ちまくった。


『よっしゃー、魔弓乱れ撃ちー!』

『ファイアボール、連射ー!』


サーシャとシェリーは魔力支援があるからか容赦なく魔弓と魔法を撃ちまくっている。

しかし、この2人は本当に容赦が無い。


無限魔力は消費した魔力をすぐさま回復するのだが、俺の魔力回復スピードよりもサーシャとシェリーの2人の魔力消費スピードのほうが僅かに早い。


「ちょっ、ちょっと2人とも、そろそろ良いんじゃないのかな?」


これ以上続けられると俺が魔力枯渇しかねない。


『ふぅふぅ、疲れた~』

『はぁはぁ、本当に疲れました・・・』


部屋の中は煙と埃が舞い散っており、まだ良く見えない。


『お前達・・・ちょっとやり過ぎだ・・・』

『な、何なんだよ、お前達は・・・』


ダッチ、ダレン達も呆れた顔をしていた。

俺もちょっと同じ気持ちだが撃ちまくれと指示したのは俺だから文句は言えないな。


暫くすると部屋の中の煙が晴れてきた。

すると部屋中のあちらこちらに魔石とドロップアイテムが散らかっていた。


「う~ん・・・結局、中にどんなモンスターがいたか分からなかったな」


とりあえず、魔石とドロップアイテムを回収しているとジーナが何かを発見した。


『マスター、あそこの壁が崩れているのじゃ』


サーシャとシェリーの乱れ撃ちで壁が崩れてしまったようだった。

しかし崩れた壁の先に通路が見える。


『ほう? お前達、お手柄じゃねぇか。どうやら隠し通路のようだな。この先に降り階段があるぞ』


ダッチが崩れた壁の先を覗き込んでいた。

事前に聞いていた情報では地下2階と聞いていたが、この遺跡には地下3階があったようだ。


『じゃあ、先に進むぞ』


野郎パーティーを先頭に地下3階へ降りていくことにした。

階段を降りると目の前に扉が1つだけあった。


『開けるしかないよな』


ダッチが扉に耳を当てて中を音を確認したが何も音がしないとのことだ。

全員がいつでも戦闘出来るように準備をしてダッチがゆっくりと扉を開けた。


扉の中は広い空間になっていた。

そして中は薄暗いが暗闇では無かった。

その空間の奥には祭壇のような物があった。

そして祭壇へ続く階段の途中には銅像らしき物があった。


『ねぇ、旦那様。何か嫌な予感がするんだけど言ってもいい?』


「・・・いや、駄目! 俺も同じような予感がするし・・・」


俺達嵩じゃなく、ダッチやダレン達も同じ予感をしているらしい。

そして、その嫌な予感は的中した。


ゴゴゴゴ


祭壇へ進むための階段途中にあった銅像が動き始めた。


『ちっ、やっぱりガーディアンか・・・』


ダッチが吐き捨てるように呟いた。

遺跡の中にある宝物を守っているガーディアンの存在は冒険者の中では割りと有名な話だ。

見たことがある冒険者は少ないらしいが。


『お前ら、死にたくなかったら死に物狂いで戦えよ!』


ダッチが大声を上げた。

野郎パーティーは戦闘準備は万全のようだ。


一方でダレンも自分のパーティーメンバーに指示しているが内容が酷かった。


『いいかぁ、お前達! 俺の事をしっかりと守れよ!』


それを見ていたアイラ達が呆れていた。

まぁ俺も呆れていたが。


「攻撃支援、防御支援、回避支援、強化支援、発動」


俺達も戦闘準備は整った。


銅像がこちらに向かって歩いてきた。

見た目は完全にゴーレムだ。

大きさは2mを少しずつ超えたくらいだ。


『よし、野郎共、行くぞ!!』


ダッチが突撃の合図をしたが、サーシャが俺の後ろでポツリと一言。


『私達は野郎じゃないけどね・・・』


そんな細かい事を気にしては駄目だろう・・・

とりあえず、サーシャの一言は無視して俺達も突撃した。


「ダッチ、横に避けろ! 先制攻撃をする!」


サーシャとシェリーが魔弓と魔法を同時に放った。

魔弓と魔法はゴーレムに直撃したが効いているのかどうかがさっぱりと分からない。

ゴーレムは動きを止めずにこちらに向かってくる。


ゴーレムは右腕を大きく後ろに引き、パンチを繰り出してきた。

狙いはジーナのようだったがパンチを放つ動作が鈍いため余裕で回避出来た。

しかしゴーレムのパンチで地面が抉れている。


「威力だけは凄いな」


ゴーレムのパンチはさすがにジーナの大盾でも受け止められそうにも無いな。


『奴の攻撃を喰らわないように注意しろ、あとは奴の足を狙うんだ!』


ダッチからの指示だ。


ゴーレムの正面に立っている俺達はジーナがゴーレムの囮となり、ゴーレムがパンチをしてきた後に俺とアイラでゴーレムの足を攻撃した。


ダッチとダレンのパーティーはゴーレムの背後から足を狙っている。

さすがにゴーレムは硬く中々削れない。


『膝だ! 奴の膝を狙うんだ!』


確かに間接部分はゴーレムの身体で1番脆そうな箇所だ。

それにしてもベテラン冒険者はさすがだな。

ダレンとは大違いだ。


そのダレンはハーレムパーティーの1番後ろでボケッと戦況を眺めているだけだった。

その代わりにハーレムメンバーがしっかりと働いていた。


ゴーレムの膝への一撃で少し欠片が飛び散る程度だが繰り返していくことでゴーレムの膝が細くなっていく。


『もう少しだぞ。踏ん張れよ、野郎ども!』


ゴーレムのパンチは当たることは無いが戦闘時間が長くなってくると疲労が溜まってくる。


『妾に任せるのじゃ』


ジーナはそう言うと大盾を構えてゴーレムの膝に向かってシールドアタックをぶちかました。

そして、ゴーレムの左膝を完全に粉砕した。


ゴーレムはうつ伏せになって倒れ込んだ。

不思議なことにゴーレムはうつ伏せから立ち上がれないようだ。


一度立ち上がろうとしたがバランスを崩し仰向けになってしまった。

また立ち上がろうするがまたバランスを崩しうつ伏せになってしまった。


どうやら左膝を失ったこと理解出来ていないようだ。

なんとか立ち上がろうしているが立ち上がれない。


『こいつはこのまま放っておけば、いずれは動力が尽きて停止するはすだ』


なんか惨めな感じがするがどうにもならないよな。

ドタバタしているゴーレムを避けて祭壇に向かった。


祭壇には複数の複数の宝箱があった。

金色の宝箱が2つ、銀色の宝箱も2つ。

そしてもう1つの宝箱は鈍い銀色の宝箱だ。


『よし、この宝箱を回収して都市に帰るぞ!』


あれ? 宝箱はどうするの?

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[気になる点] >>これ以上続けられると俺が魔力枯渇しかねない。 [一言] 魔力無限じゃないの?
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