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0048:遺跡調査依頼 その2


俺達はギルドで遺跡調査の依頼を受けた翌朝、再びギルドにやって来た。

遺跡調査隊の顔合わせのためだ。


ギルドに到着して受付嬢に声を掛けた。


「おはようございます。約束通り来ましたよ」


『レックスさん、おはようございます。他のパーティーの皆さんも先ほど到着していますよ』


そう言われて受付嬢にギルドの2階へ案内され2階の部屋に入った。

部屋に入ると2組のパーティーがいた。


1つ目のパーティーは野郎だけの6人パーティーだ。

2つ目のパーティーは男1人、女5人のハーレムパーティーだ。


・・・まぁ、ハーレムに関しては他人のことはとやかく言えないが。


俺達が部屋の中に入ると全員が俺達のほうを見たが何かを言われることは無かった。

そして受付嬢が各パーティーの紹介をしてくれた。


これには助かった。

後は勝手にやって下さい、とか言われてたら困ってた。


受付嬢の紹介で分かったのは野郎パーティーはランクCのベテランチームで、ハーレムパーティーはランクDのチームだということだ。


ちなみに野郎パーティーのリーダーはダッチという名前で、ハーレムパーティーのリーダーはダレン・リーバーという名前だ。


「姓持ちということは貴族か」


『はい、ダレンさんはリーバー男爵家の次男になられます』


受付嬢が教えてくれた。

貴族の跡取り以外は騎士団に入団するか冒険者になる者が多いそうだ。

そして良く見るとハーレムパーティーのメンバーは全て奴隷だった。

それなりに綺麗な女性が揃っていた。


『貴族の息子さんが冒険者になる場合、息子さんのために腕の立つ奴隷を揃えてあげるのが一般的なんですよ』


なるほどね。

ダレンはさておきパーティーメンバーは確かに腕が立ちそうだった。

それにしても貴族なだけあってプライドが高そうだ。


そして受付嬢がそのまま仕切り始めた。


『それでは皆さん、特に問題が無さそうなら早速ですが、遺跡に行ってもらいますが如何でしょうか?』


『俺達は特に問題無いぞ』

『あぁ、俺達も大丈夫だ』


ダッチとダレンが共に問題無いと答えた。


「俺達も問題無いです」


当然、俺達も問題無い。


『それでは行きだけはギルドで馬車を用意しましたのでギルドの外へお願いします』


ギルドの外に出ると少しボロい幌馬車が3台並んでいた。

1パーティーにつき1台だ。


『それじゃあ、各パーティーが馬車に乗ったら出発しますよ』


先頭の馬車には野郎パーティーが乗り、次がハーレムパーティーが乗った。

俺達は3台目の馬車に乗った。


『それでは出発します。お気を付けて下さい』


受付嬢の見送り付で馬車が遺跡に向かって出発した。


「何か普段の依頼とは違う雰囲気だね」


『多分、貴族からの依頼だからよ、レックス』


そういうもんなのか。

とりあえず、馬車で数時間の距離と聞いているので仮眠することにした。


◇◆◇◆


遺跡に到着したところでアイラに起こされた。

馬車から降りてみると目の前に遺跡の入口があった。

この遺跡は地上部分の建物は風化しているが地下部分がしっかりと現存しているとのことだ。


馬車が帰ったところで昼食を食べながらの作戦会議が始まった。


『さてと、まずは遺跡の中を進むにあたって一緒に行動するか、それとも別々に行動するか』


知らないパーティー同士では上手く連携するのは難しいだろう。

ならば別々のほうが良さそうな気がするが。


『とりあえず、俺達は一緒に行動するほうを提案する。理由はいくつかあるが遺跡の中はモンスターが多いと聞いているからな』


意外にもダッチが共闘を提案してきた。


『はははは、俺達には助けは要らないよ』


ダレンは逆に共闘を拒否してきた。

おそらくハーレムメンバーの腕に自信があるのだろうな。


『それで、お前達はどうする?』


ダッチが俺に聞いてきた。

さて、どうするか?

正直、野郎パーティーの実力が分からない。

しかし味方は多いほうが良いはずだ。


『分かった。暫くの間は一緒に行動しようか』


俺の提案は暫くの間、一緒に行動することだ。


もし野郎パーティーがちゃんとしたチームなら継続して行動を一緒にしても良い。

しかし野郎パーティーの実力が不足しているなら別れたほうがむしろ安全だ。


『くくく、なるほどな。暫くの間か・・・俺達の実力を見て判断するということか。若いのにちゃっかりしているな、小僧』


俺の意図があっさりと見破られた。

凄いな、このオッサン・・・

さすがはベテランというところか。


このやり取りを見ていたダレンが意見を翻した。


『や、やっぱり、俺達も協力しても良いぞ』


ヘタレな感じが満載なのだが、やはりプライドが高いのだろう、上から目線だった。


ダッチは頭を掻きながら呆れた表情でダレンの申し入れを承諾した。


『小僧もそれで良いな?』


「あぁ、それで良いよ。それと俺は小僧じゃなくレックスだ」


『くくく、はははは、そうかそうか。すまないな、レックス! 俺のこともダッチと呼び捨てで構わんぞ!』


何故かダッチに気に入られたようだ。

早速、遺跡の中に入って行った。

遺跡の中は入口から下り坂になっており薄暗かった。


野郎パーティーが先頭に次が俺達だった。

ハーレムパーティーは俺達の後ろから付いてきていた。


俺達がトーチを持って辺りを照らして、ゆっくりと下り坂を降っている。

下り坂を降りきると広場に出た。


『想像以上に広いな。下に降りるための階段があるはずなんだが、これは手分けして探したほうが良いな』


ダッチの提案で各パーティーが手分けして降り階段を探すことになった。


受付嬢から事前に遺跡の情報をもらっていた。

この遺跡は地下3階まで調査が進んでいるとのことだった。

なので降り階段は必ずある。


『うおぉぉぉ、モンスターだ! モンスターがいるぞ!』


ダレンの声だった。

ダレンの声と一緒にモンスターの鳴き声も聞こえて来た。


『キィィィィ』

『キッキィィィ』


『マスター、あれはジャイアントバットじゃ』


ジャイアントバットの群れがダレン達に襲い掛かっていた。

サーシャとシェリーの遠距離攻撃をと思ったがダレン達が邪魔だった。


「仕方が無いな、アイラ、ジーナ、行くぞ」


全ての支援を発動させてジャイアントバットの群れに突っ込んだ。


ダッチ達も援軍に来たためジャイアントバットは次々と倒されていく。

そして途中で残ったジャイアントバット達は逃げ出してしまった。


ジャイアントバットの魔石とドロップアイテムを3パーティーで等分に分けた。

分ける作業をしているところでアイラが降り階段を見つけた。


『ご主人様、降り階段がありました』


降り階段を発見したが、ダッチが


『一応、この地下1階を隈無く調査しておこうか』


と言ってきた。


まぁ確かに依頼は調査だしな。

ダッチは厳つい顔をしているが真面目な性格のようだった。


地下1階を調査したが特に隠し扉等もあるわけで無かった。


『じゃあ、次は地下2階に移動するぞ』


再び野郎パーティーを先頭に地下2階へ降りて行った。

地下2階に到着し、周りを確認すると通路があった。

通路の左右にはいくつかの扉が見えた。


部屋がそれなりにありそうだ。

1部屋ずつ確認する必要がありそうだ。

ダッチはきっとそう言うだろう。


『仕方が無いな。1部屋ずつ中を確認していくぞ』


やっぱりだ。

まぁ1部屋ずつ確認して進んだほうが手っ取り早いか。


1部屋ずつ中に確認しながら慎重に進んでいった。


『そろそろ夕方くらいか』


ダッチが全員に時間を確認した。

この世界では時計は非常に貴重品である。

なので時間は感覚的なもので確認している。


「確かに夕方くらいかも知れないね」


『よし、野営の準備をするか。焚き火は俺達が準備する』


そう言うとダッチは自分のマジックバッグから薪を取り出した。

やっぱりベテラン冒険者だな。

俺達は薪は持ってきていなかった。


『さて、見張りの順番だが、各パーティーで不公平にならないように各パーティーからメンバーを出し合うでいいか?』


見張りの1番目、2番目、3番目、4番目、5番目にそれぞれメンバーを出すということに決まった。


俺達はシェリー、アイラ、ジーナ、俺、サーシャの順番となった。

ちなみにハーレムパーティーに関してだがダレンは見張りをしないようだ。


「これだから貴族って奴は・・・」

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