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0045:依頼を受けるのも大変


無事にアズリーの町で家具も購入できたし、ついでに服も購入した。

サーシャとシェリーも満足したようだった。


ついでにマジックバッグを買い換えたいと思ったがアズリーの町にあるアイテム屋では最大で300Kgのマジックバッグしか売っていなかった。


そのため、今は商業都市マッカに向かっている。

マッカはこの国の流通の拠点らしい。


移動には盗賊から奪った幌馬車を使っている。

正直、強化支援を使って歩いたほうが早いのだが急いでいるわけでも無いのでノンビリに行くことにした。


馬車の良い点は移動中も交代しながら仮眠が取れることだ。


そして、今はシェリーが御者をしている。

その横に俺が座っていた。


『レックスはいつの間にか大金持ちになっていたのね』


アズリーの町で俺が1000kgクラスのマジックバッグを買いたいと言った時にシェリーは呆れたような目をしていた。


マジックバッグの値段を知っているのか? という感じの視線だったな。


「まぁ、稼いでもすぐに無くなっちゃうんだけどね」


『ふふふ、冒険者だもんね。それは仕方ないわよ。私の両親もそうだったしね』


「シェリーの両親も冒険者だったのか」


『そうなんだけどね。私を残して冒険中に2人とも死んじゃったのよ』


なるほど。

だから孤児院上がりなのか。


実際に冒険者同士で結婚して子供を産んで冒険中に命を落とす冒険者はそれなりにいるらしく、またモンスターに親を殺されて孤児院で生活をすることになる子供もそれなりにいるらしい。


なので孤児院には常にたくさんの子供がいる。


「シェリーは両親を恨んでいるのか?」


『う~ん、冒険者になる前は恨んだこともあるけど、冒険者になってからは恨んだことは無いわね。私を捨てた訳じゃないしね。それに今は凄く楽しいしね』


楽しんでくれているなら良かった。


◇◆◇◆


数日後、無事にマッカに到着した。

商業都市だけあってかなり巨大な都市だった。

まず町の中に入るのに時間が掛かった。

城門には各地から人がやってくるため入口で行列が出来るのだ。


なので町の中に入るのに3時間も掛かった。


ようやく町に入れたが、とにかく人の数が多い。

田舎者には敷居が高いな。


まずはキャンプ場で馬車を預けた。

町の中の移動は歩きにすることにした。


アイテム屋を探しているのだが中々見つからない。

仕方がないので通行人にアイテム屋の場所を聞くことにした。

親切そう人を選んでアイテム屋の場所を確認した。


教えられた通りに進んでいくとアイテム屋が見つかった。

かなり大きな店だった。


「何か入りにくいな・・・」


『無駄にデカい店ですよね、旦那様』


サーシャも同じ意見のようだった。

とりあえず、恐る恐る店の中に入ってみた。


店の中に入ってみると陳列されているアイテムの数が凄い。

おそらくは1000個を超えるだろう数のアイテムが並んでいた。


「・・・凄いな」


『・・・はい、ご主人様』

『・・・凄いねぇ』

『・・・凄いのじゃ』

『・・・何これぇ』


あまりのアイテムの数に唖然とした。

すると、あまりにもボケッと突っ立っている俺達が邪魔だったのか店員が話し掛けてきた。


『お客様、何かアイテムをお探しですか?』


「え? え、あぁ、実はマジックバッグを探しに来たんです」


『マジックバッグですか。ちなみにどれくらいのサイズを御所望でしょうか?』


「少なくとも1000Kg以上の容量が欲しいんですが」


『分かりました。では、こちらへどうぞ』


店員に案内されカウンターで待たされることになった。


暫くすると店員が3つのマジックバッグを持ってきた。

3つとも持ち運びしやすそうなショルダーバッグ型だ。


『お待たせしました。こちらがそれぞれ1000Kg以上の容量があるマジックバッグです』


店員が持ってきたのは、3000Kg、2000Kg、1500Kgの3種類だった。

今、俺が持っているのが1000Kgだから1500Kgではあまり意味は無い。


「ちなみにマジックバッグの下取りってしていますか?」


『はい。もちろんです。不要になったマジックバッグは下取りしてますよ』


そうするとアイラとサーシャが持っている300Kgは下取りしてもらうか。


結果、俺は3000Kg、アイラ達は1500Kgのマジックバッグを購入した。

持っていた1000Kg、300Kgのマジックバッグは下取りしてもらった。


これで当分は荷物が持ち運べないということは無いだろう。

貯金は大分減ってしまったが。


「折角、商業都市に来たんだしギルドにも寄ってみるか」


ギルドに向かった。

商業都市ならではの依頼があるかも知れない。

ギルドに到着して依頼ボードを確認してみた。


依頼書を見てみると


・オーガの角を3本

・サラマンダーの牙を5本

・大岩蜘蛛の糸を3束


等、討伐依頼というよりはドロップアイテムの依頼が多い。

ドロップアイテムは必ずドロップする訳じゃないから意外と大変になるかも知れない。


いかにも商業都市のギルドの依頼らしい感じがした。


『旦那様、報酬額が凄いですねぇ』


え、報酬額?

しまった、依頼の内容しか確認してなかった。

サーシャの言う通り報酬額を見てみた。


・オーガの角を3本 (金貨1枚)

・サラマンダーの牙を5本 (金貨1枚)

・大岩蜘蛛の糸を3束 (金貨1枚)


どれも金貨1枚だ。

銀貨の間違いじゃないよな?


「ちょっと高過ぎじゃないか?」


『そうですよね、ちょっと高い気がしますね』


もちろんオーガやサラマンダーや大岩蜘蛛とは戦ったことが無いのでモンスターのランクが不明だ。

しかし金貨1枚ということはランクBクラスのモンスターということなのかな?


気になったのでカウンターにいた受付嬢に聞いてみることにした。


『あぁ、あれですか。あそこの依頼書に載っているのはランクCモンスターですよ。ただし、中々数がいないモンスターなんですよ。なので高報酬なんですよ』


なるほど。

いわゆるレアアイテムというやつか。

ランクCモンスターというのも良いな。


「俺達も受けてみるか?」


『そうですね。面白いかも知れませんね、ご主人様』

『旦那様、私は蜘蛛以外がいいです』

『妾も問題なしじゃぞ、マスター』

『レックス、私の魔法は火属性だからサラマンダーは厳しいよ』


皆の意見を聞くとオーガしか残らないな。

今後は属性対応も考えないといけないかも知れない。


「とりあえず、オーガの角を3本を取ってくる依頼を受けようと思うんですが、オーガがいる場所を教えてもらえますか?」


『そうしたらギルドカードを見せてもらっても良いですか?』


受付嬢にギルドカードを渡しすと受付嬢が少し渋い表情になった。


『・・・えっと、言いにくいんですが、レックスさん達は辛うじてランクDパーティーですよね? なので一応、この依頼を受けることは出来ますが大丈夫なのでしょうか?』


そういえば、依頼はパーティーランクの1つ上のランクまでしか受けられなかったな。

俺達は辛うじてランクDだから受付嬢の言う通りギリギリだ。

心配されるのも最もな話だ。


早くランクを上げない駄目だな。


「まぁ厳しそうなら諦めて逃げてきますよ」


本当にヤバそうなら逃げるつもりだ。

違約金やギルドの評価はまた稼げばいいだけだ。


『・・・分かりました。そこまで言われればこちらには止める権利はありませんので』


受付嬢は渋々手続きをしてくれた。

途中で受付嬢から何度も無理をしないようにと言われた。


俺達って、そんなに弱そうに見えるのかな?


とりあえず、今日はゆっくりして明日、オーガが出現するという森に向かうことにした。

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