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0044:指名依頼完了


旧鉱山の入口に向かって山を登っている。

一応、街道と繋がっている道があるが鉱山入口から丸見えになるため道でない所を登っているのだ。


道ではない所といっても傾斜がそんなキツイわけでは無い・・・シェリー以外はだが。

シェリーは魔法使いなので仕方が無い。


なので俺がシェリーを後ろから押していた。


『ちょっ、ちょっと、レックス、変なところを触らないでよね』


シェリーのお尻を押しているのだが、こればかりは仕方が無い。

自力で登れないほうが悪い。


『レックス、何か言ったかしら?』


「・・・いや、何も言ってないよ」


しかしシェリーのお尻は柔らかくて気持ちが良いな。


『ちょっと、レックス! 変なところを触っちゃ駄目って言ったでしょ!』


『シェリー、静かに。ハーピーに気付かれるわよ』


『あ、ごめん、アイラ・・・』


アイラに怒られたシェリーが俺を睨んできた。

シェリーの目は俺のせいで怒られたじゃないかっと言っているようだが俺が悪いんじゃないって。


斜面を登りきった。

すぐ近くに鉱山の入口が見える。

そして、何故かシェリーが俺の後ろにいて頬っぺたをつねっている。


『ご主人様、まだハーピーの見張りがいます』


確かに見張りのハーピーが2匹いた。

しかし眠いらしく頭をコックリコックリさせていた。


「サーシャ、シェリー、この距離で攻撃を当てることは出来そうか?」


ハーピーまでの距離はおよそ30~40mくらいはありそうだ。


『う~ん、やってみないと分からないかなぁ』

『そうね、私もちょっと自信が無いわ』


2人とも頼りない返事だった。


そうすると手段は1つしか無いな。


「俺とアイラが突っ込むからタイミングをみて魔弓とファイアボールを撃ち込んでくれ。くれぐれも俺達に当てるなよ?」


『ちょっと自信が無いけど頑張ってみるよ』

『そうね、なるべく当てないようにするわ』


何とも不安を感じさせる返事だ。


『2人とも、当てたらどうなるか分かりますよね?』


アイラの鋭い眼光がサーシャとシェリーの2人に向けられた。


『は、はい、もちろん、当てないよ』

『そ、そうですよ、当てませんよ』


何故、その返事を俺にしないんだ?

何か釈然としないものはあるが今はハーピーを倒すことに専念することにしよう。


「攻撃支援、防御支援、回避支援、強化支援、発動。よし、行くぞ!」


俺とアイラが鉱山入口に向かって走り始めた。

半分寝ていたハーピーが俺達に気付いたようだ。


『キィィィ』

『クエェェェ』


ハーピーが鳴き声を上げた瞬間に魔弓とファイアボールがハーピーに直撃した。

そして、次の瞬間に俺とアイラがハーピーの首を斬り落とした。


「見張りの声を聞かれたかな?」


『どうでしょう?』


俺とアイラの2人で鉱山入口の左右に別れて中の様子を伺った。


『クイィィィ』

『キュィィィ』


入口の奥からハーピーの声がする。

やはり気付かれた可能性が高いようだ。

全部のハーピーが起き出す前に片付けたほうが良さそうだ。


「ジーナを先頭に中に入るぞ!」


ギルドのアネッサから聞いていた鉱山の情報通り、入口はそれほど広くはないが中はかなり広い空洞になっていた。


しかも空洞の中はかなり暗い。


「シェリー、上に向かってファイアボールを範囲魔法で放て!」


『了解!』


「サーシャはファイアボールの明かりでハーピーを狙え!」


『分かった!』


「アイラはサーシャの取りこぼしを頼むぞ」


『分かりました!』


「ジーナはサーシャの壁を頼むぞ、シェリーの壁は俺がする」


『分かったのじゃ!』


シェリーのファイアボールで羽を損傷して地面に落下したハーピーは次々とアイラが斬り倒していく。


空洞の上を飛んでいるハーピーはサーシャやシェリーに狙いを付けようとしてくるが俺とジーナに阻まれている。


空洞がいかに広いといっても大量のハーピーが飛ぶには狭すぎた。

他の仲間とぶつからないように飛んでいるため動きが悪い。


サーシャとシェリーのコンボは抜群だった。

特に仕留める必要が無く、ハーピーを地面に落とせば良いだけだ。

地面に落下したハーピーは漏れなくアイラが首を斬り落としていく。

地面に落下したハーピーはアイラの敵では無かった。


1時間程の戦闘で空洞の中を飛ぶハーピーはいなくなった。

辺りには魔石とドロップアイテムが散乱していた。

拾い集めるもの苦労しそうだった。


拾い集めた魔石は全部で56個になった。

なので少なくとも56匹のハーピーを倒したことになる。


『旦那様、ちょっとこっちに来て』


サーシャが勝手にハーピーの巣を漁っていたようだ。

とりあえず、サーシャのところに行ってみた。


『ほら、旦那様。見てみてよ、結構な物を集めていたみたいだよ』


どこから集めて来たのか分からないが鉱石類があった。

解析持ちのジーナが解析したところ、風来石、火炎石、雷紅石等であった。

鉱石の価値は分からないがとりあえず持ち帰ることにした。


「それじゃあ、帰るとするか」


このまま野営をしてから帰るという選択肢もあったがベッドでぐっすりと寝たい気持ちの方が大きかったのですぐに帰ることにした。


◇◆◇◆


アズリーの町に帰って来た。


「さすがに眠いな。ギルドに報告しに行くのは明日にしようか」


『『賛成~!』』


ということで、ギルドには寄らずにキャンプ場に行き、風呂と食事の準備をした。

風呂の準備をしている最中にふと思い出した。

そういえば最近アイラ達を抱いていなかった。


シェリーがパーティーメンバーになってから禁欲生活を送っているな。

まぁ今日は眠いからその辺は明日以降考えるとこにしよう。


食事が終わり全員で風呂を入った。

いつ見てもアイラもサーシャもジーナもシェリーも綺麗だ。

風呂も終わりベッドに寝転んだところでシェリーから一言があった。


『ねぇ、レックス。いつまでも待たせるつもりなのよ?』


「え、待つって何を?」


『わ、私があんたに、ほ、惚れてるって言ったわよね?』


確かに聞いた。

しっかりと記憶に残っている。


「そ、それって、もしかして抱いていいの?」


『な、何回も言わせないでよ! 惚れてるんだから良いに決まってるでしょ!』


念のため、アイラ達のほうをチラッと見てみたが怒っている様子は無かった。

シェリーを正式にハーレムメンバーに加えても大丈夫のようだ。


『わ、私、初めてなんだから、や、優しくしてよね』


◇◆◇◆


翌日、朝食後にギルドへ向かった。


『アネッサさん、指名依頼を達成してきたよ』


「あら、お帰り。随分と早かったわね」


受付カウンターにいたアネッサに依頼達成を告げてマジックバッグから魔石やドロップアイテムを取り出した。


魔石が56個とドロップアイテムであるハーピーの羽とハーピーの爪の査定をお願いした。


『査定に1時間くらい掛かるわね。それまでのんびりしていて頂戴』


とのことなので、カウンターの酒場でジュースを飲みながら本日の予定を相談した。


「今日は1日のんびりしようかと思うんだけど何かしたいことはあるかな?」


最近、働きすぎのような気がするからな。

ちゃんと休暇を取らないとな。


『そうしたらタンスが欲しいな、旦那様。メサリアの町で買えなかったし』


確かにメサリアの町の家具屋にあったものはお気に召さなかったんだよな。

サーシャとシェリーが。


「分かった。そうしたら査定が終わったら家具屋に行ってみるか」


この後の予定は家具屋に行くことに決まった。

家具を購入した後、日用品や服も購入しておきたいところだ。


そんな話をしていたらアネッサから呼ばれ、受付カウンターに向かった。


『はい、今回の指名依頼の報酬よ』


トレーの上に置かれた報酬を確認した。

全部で金貨3枚、大銀貨5枚、銀貨3枚だ。

まずまずの成果だった。


『ねぇ、あなた達。まだ他にも依頼があるんだけど受けてく?』


これは安請け合いすると次々から次へと仕事を振られるパターンのような気がする。

前世での社畜化の一歩手前に似ている。


「い、いや、今日はもう予定があるので」


『あら、そうなの。残念だけどそれなら仕方が無いわね』


報酬を受け取り、さっさとギルドをあとにして家具屋に向かうことにした。


いやぁ、危なかったぁ・・・

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