0041:次の町を目指す
思わぬ形でシェリーから告白されてしまった。
シェリーは顔だけでなく耳まで真っ赤になっている。
こうしてみるとシェリーもかなりの美人だよな。
『旦那様、私はシェリーが仲間になることに反対はしないよ』
『ご主人様、私もです』
『マスター、妾もじゃ』
アイラもサーシャもジーナもシェリーが仲間になることに反対しないと言っている。
こうなると俺が反対することはむしろ難しい。
ここで俺が反対すると俺だけが悪者になってしまう。
『分かった。ではシェリーを仲間にする』
シェリーが満面の笑みを浮かべている。
仲間に加えてもらって喜んでいる。
『あ、ありがとう。レックス、みんな・・・』
するとグレン達もやって来た。
『良かったな、シェリー』
『頑張れよ、シェリー』
『ちょっと残念だったけど仕方ないな』
どうやらダンはシェリーに惚れていたみたいだ。
まぁ、シェリーの性格からダンは無いな。
『じゃあ、俺達は故郷に帰るとするよ。もし暇があれば遊びに来てくれ』
そう言うと、グレン達はギルドを出ていった。
ここはギルドなのでそのままシェリーをパーティー登録することにした。
ついでに人狩り集団を討伐した報酬を受け取った。
『ねぇ、レックス。奴隷契約はしなくていいの?』
シェリーが奴隷契約のことを言い出した。
別に俺は奴隷好きな訳じゃないので必要が無い奴隷契約はしない。
そう言うとシェリーは少し残念そうにしているような気がした。
う~ん、良く分からんな・・・
「とりあえず、今日はもう休むとするか。この町にも旅のキャンプ場があったよな」
『ご主人様、門の近くにありましたね』
『ねぇ、レックス。パーティーに加入したばかりの私が言うのも何だけど宿屋じゃなくてキャンプ場なの?』
シェリーはハウステントのことを知らないから当然の反応だ。
「まぁ、いいから。付いてくれば分かるよ」
サーシャもシェリーの背中を押している。
シェリーだけハテナという顔だ。
とりあえず、キャンプ場に到着し早速ハウステントを設置した。
「シェリー、驚くかも知れないけど大声は出さないくれよ」
『え? どういうこと? 普通の6人用テントにみえるんだけど・・・』
シェリーはサーシャに背中を押されてテントの中に入ると小声で驚きの声を上げた。
『え、何なのよ・・・これって本当にテントの中なの?』
やはり驚いたようだ。
俺達も始めて見た時は驚いたしな。
なので気持ちはよく分かる。
「とりあえず、サーシャは食事の準備を頼むよ。俺は風呂の準備をしてくるから」
『え? 今、風呂って言ったの? 風呂って、あのお風呂のこと?』
シェリーが言っている、あのお風呂がどんな風呂なのか不明だが、俺達が使っているのはかなり大きい風呂だ。
「シェリーは風呂のことを知っているのか?」
『見たことは無いけど、聞いたことがあるわ。貴族や大金持ちしか入れないらしいわね』
見たことは無いのか。
まぁそうだよな。
一般人には縁が無いものだしな。
「そうしたら、後でのお楽しみだな」
俺がお風呂にお湯を張っている間に、アイラとジーナにはシェリーを連れてハウステント内の案内を頼んだ。
暫くするとサーシャから食事が出来たとお呼びがあった。
リビングに行くと床の上に出来上がった料理が並んでいた。
しまったな。
そういえば、まだハウステントで使う家具類を買って無かった。
「明日は家具とかを買いに行くか。あとシェリーの日用品もだな」
食事をしながらそんな話をした。
そして食事も終ったので風呂に入りに行った。
『ねぇ、お風呂って何をするものなの?』
シェリーからの素朴な質問だ。
確かに風呂って言葉しか知らないと何をするものなのか分からないよな。
「身体の汚れを落として、しかも身体を癒してくれるものかな」
『それって、まさか魔法なの?』
魔法では無いんだけど、これ以上の説明は難しいので体験してもらうしか無い。
シェリーは服を着たまま風呂に入ろうとしたところを慌てて止めた。
前も同じようなことがあった気がするな。
「シェリー、風呂には裸で入るんだよ」
『そうなの・・・え? は、裸?』
驚いているシェリーを横目にアイラはさっさと裸になって風呂に入りだした。
『ちょっ、ちょっと、まさかレックスも一緒にに入るの?』
「うちは全員一緒に入るよ」
ここは当然という顔で回答した。
少しの躊躇も無い。
『う、わ、分かったわよ。裸になればいいんでしょ。その代わりジロジロ見ないでよね』
そう言うとシェリーは服を脱いだ。
見るなと言われても見てしまうのが男の性だ。
シェリーも中々のスタイルをしている。
胸はDカップといったところだろうな。
シェリーは桶で身体をお湯で流して浴槽の中に入った。
『確かに身体の中から癒される感じがするわねぇ』
シェリーも風呂には満足しているようだ。
風呂も満喫したので、そろそろ寝ようかとしたところで大事なことに気が付いた。
寝袋が1つ足りなかった。
『私なら大丈夫よ。私だって冒険者なんだか床の上でも平気よ』
そうは言われてもな。
さすがに女性を床に寝かす訳にはいかない。
なので俺が床に寝ようとしたところシェリーが言ってきた。
『分かったわよ、レックス。なら私と一緒に寝ましょう』
寝袋は少し大きめのサイズを買ってある。
何かあった場合にすぐに出られるようにだ。
なのでシェリーと密着すれば2人は入れる。
特にアイラ達からも異論は無かった。
なのでシェリーと同じ寝袋で寝ることになった。
いくら少し大きめの寝袋とはいっても身体を横に向けないと狭い。
そして俺の目の前にシェリーの後頭部がある。
『ちょっと、レックス。変なところを触らないでよ・・・』
「狭いんだから仕方が無いだろ?」
とりあえず、あまり動かないように気を付けて寝ることにした。
しかしシェリーの髪から良い匂いがしてくる。
◇◆◇◆
翌朝、窮屈な状態で目覚めた。
窮屈ではあったが手には柔らかい感触がある。
案の定、シェリーの胸を揉んでしまったがこれは不可抗力というやつだ。
しかしシェリーからは怒られてしまった。
『ほ、惚れてるのは事実だけど・・・まだ身体は許していないんだからね』
とのことだった。
女子は難しい・・・
とりあえず朝食後に家具を購入しに向かった。
事前にハウステントに安物の椅子を置いたままにしてハウステントを畳んでみたが椅子は壊れることは無かった。
仕組みは分からないが家具やベッドを購入しても問題は無さそうだった。
家具屋に向かったがメサリアの町自体が小さい町のため種類が少なかった。
アイラとジーナはあまり家具の装飾にこだわらなかったがサーシャとシェリーが気にしていた。
ただ、ベッドとテーブルと椅子だけは必要なのでキングサイズのベッドを3台、6人用のテーブルと椅子のセットを購入した。
その他の家具は別の町で購入することにした。
『マスター、そういえば魔法スクロールを持っていたんじゃないのか?』
確かに持っていたままだった。
なので、ついでに魔法スクロールの鑑定も行った。
アイテム鑑定屋はどの町にもいた。
鑑定してもらった結果は
【範囲魔法】
魔法の効果が術士のレベルx直径1mとなる。
【魔力制御】
術士のレベルx1%で魔法が強化される。
【回復魔法】
回復魔法が使用可能となる。
だった。
回復魔法は俺がもらって、残りは全部シェリーに使うで良いだろう。
シェリーも戦力になって欲しいしな。
『え、本当にいいの? ありがとう、レックス』
【範囲魔法】が今回の中では1番の掘り出し物だと思う。
とりあえず、準備完了だ。
明日には次の町を目指すことにしよう。
ーーーーーーーーーー
名前:レックス
種族:ヒューマン
年齢:17
レベル:7
ランク:C
ジョブ:支援術士
ジョブスキル:
【攻撃支援】【防御支援】【回復支援】
【回避支援】【強化支援】【魔力支援】
加護:
【経験値2倍】【無詠唱】
【ジョブスキル全体化】【無限魔力】
【回復魔法】
名前:アイラ (主人:レックス)
種族:狐人族
年齢:20
レベル:6
ランク:D
ジョブ:軽戦士
ジョブスキル:
【双剣】【速度強化】【腕力強化】
加護:
名前:サーシャ (主人:レックス)
種族:エルフ
年齢:18
レベル:5
ランク:E
ジョブ:魔弓士
ジョブスキル:
【魔弓】【命中率補正】【誘導矢】
加護:
名前:ジーナ (所有者:レックス)
種族:ヒューマン (人工生命体)
年齢:19
レベル:7
ランク:E
ジョブ:重騎士
ジョブスキル:
【盾術】【大剣術】【挑発】
【シールドアタック】
加護:
【解析】
名前:シェリー
種族:ヒューマン
年齢:19
レベル:6
ランク:E
ジョブ:魔法使い
ジョブスキル:
【火魔法】【詠唱短縮】【範囲魔法】
【魔力制御】
加護:




