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0032:サーランド突入 その1


テントに戻るとこれからサーランドに突入することをアイラ達に伝えた。

急な話で少しは慌てるかと思っていたが既に出発する準備は整っていた。


『何となくですが、そんなことになる気がしていました』

『そうだよね、なんかそんな気がしてたよね』

『不思議と妾もじゃ』


そうか・・・でも俺が何かをやらかした訳じゃない。

民主主義的な多数決で決まった結果だしな。

それに、仮に俺が一泊するほうに回っていても結果は同じだったしな。


『ご主人様、なので後はテントをしまうだけですよ』


テント以外はアイラのマジックバッグにしまってあるそうだ。

なのでいつでも出発出来るとのことだった。


テントから出るとテントを畳み、俺のマジックバッグにしまった。

出発の準備があっという間に完了した。


周囲を確認すると他のパーティーはまだ少し時間が掛かりそうだった。


「とりあえず、先に集合場所に行っていようか」


他のパーティーが一生懸命出発の準備をしている中、俺達はのんびりと集合場所に向かったが俺達が1番乗りだった。

その後、続々と他のパーティーが集まって来て最後にゴッツが登場した。


『どうやら全員揃ったようだな。では、今から作戦を伝えるぞ!』


ゴッツが説明した作戦は至ってシンプルだった。


サーランドに突入後、レベルの低い冒険者パーティーは深入りせずに城門付近を中心にモンスターを倒していくこと。

そして、レベルが中級以上の冒険者パーティーは城門を通り過ぎた後、前進していくことになった。


『これだけの群れなら必ず統率しているボスモンスターがいるはずだ。そのボスモンスターを探しだして討伐するんだ』


とのことだ。

実にシンプルで分かりやすい指令ではあった。


そして、俺達は中級以上の冒険者パーティー扱いになった。

実際は中級者の最低ラインなんだろうけど。


全てのパーティーに役割が割り振られた。

全パーティーの準備が完了し、そして突入の号令がかかった。


『全員、突撃開始だー! モンスター共を皆殺しにするぞー!!』


『『おぉー!!!』』


サーランドの北門を目指して全員が突撃を開始した。

すると俺達を迎え撃つようにゴブリン達が北門から続々と飛び出して来た。

飛び出して来たゴブリンの数は数百匹ほどだ。


この行動は想定されており対応策は決まっていた。


『中級者パーティー、道を切り開けー!』


俺達のような中級者パーティーは中央突破するための道を作る。

上級者パーティーはその道を通り、力を温存してボスモンスターの探索を優先する。

初心者パーティーは左右に別れてゴブリン達を倒していく。


以上が事前に決められた対応策だった。


「攻撃支援、防御支援、回避支援、発動! 行くぞー!」


『『了解です!!』』


ジーナが盾を構えてゴブリンの群れに突撃していく。

そのジーナの左右には俺とアイラがいてゴブリン達を斬り裂いていく。

サーシャには魔力温存を指示していた。


『す、すげぇな。盾であんなことが出来るのか・・・』

『見ろよ、ゴブリン共が盾に弾き飛ばされてるよ・・・』

『いや、良く見ろよ。盾だけじゃなくて大剣を片手で振り回しているぞ・・・』


後ろにいる上級者パーティーの冒険者達から驚きの声が聞こえてきた。


しかし徐々にジーナの動きが鈍くなってきた。

ゴブリンだけとはいえ数百匹もいるとジーナの突進も止められてしまった。


ジーナが再び突進するためには助走するためのスペースが必要だ。

そのスペースを確保するために俺とアイラがゴブリン達を斬り倒していく。


俺達のやりたいことが分かったらしく他の中級者パーティーが援軍に来た。


『ここは俺達に任せろ!』

『お前達は中央突破することだけを考えろ!』


そう言うと他の中級者パーティー達がジーナの前にスペースを作り出してくれた。


『マスター、行くぞ! しっかりと付いてくるのじゃ!』


そしてジーナの突進が再開された。


あと少しでサーランドの北門に到着するというところでゴブリンの上位種であるゴブリンソルジャーが数十匹出て来た。


2回目の突進が弱まってきたところだったので、さすがにジーナの突進が止まった。

それでも数匹のゴブリンソルジャーは吹き飛ばしているが。


「ジーナは少し休んでろ! 残りは俺とアイラとサーシャで片付ける!」


サーシャが弓を地面と平行になるように横に構えて魔弓を放った。

魔弓の矢は3本ともゴブリンソルジャーを数匹貫通した。


続いて俺とアイラが突撃していく。

アイラは【雷炎の双剣】を自在に操りゴブリンソルジャー達を黒焦げにしていく。

俺も【村正】に魔力を込めてゴブリンソルジャーを一刀両断にしていく。


『おぉ、あの獣人の動きは凄いな。ゴブリン共の攻撃が当たる気がしないな』

『あぁ、それにしても男のほうは酷いとまでは言わないが動きが何かぎこちないな』


おぉ、酷いとは言われなかったな。

ぎこちないとは言われてしまったがな。

多分成長はしているはずだよな。

これもアイラとの訓練のおかげだな。


「お前で最後だ!」


最後に残ったゴブリンソルジャーも一刀両断にした。

これで北門から出てきたゴブリンソルジャーは全て倒した。


『よし、良くやった。後は俺達、上級者パーティーに任せておけ!』


任せておけと言われたので任せることにする。

なので上級者パーティーの後ろに回った。


上級者パーティーは全部で3組だ。

そして戦い方を見ていると各パーティーに魔法使いが最低1人はいて、魔法で先制攻撃をしてから前衛がモンスターを討伐するという戦い方だ。


「魔法使いか・・・」


俺達のパーティーには魔法使いがいない。

そもそも魔法使い自体が少ないのだ。

魔法使いはギルドに登録したら速攻で色んなパーティーから誘いが来ると聞いている。

俺と違って引く手あまただ。


『ご主人様は魔法使いがメンバーに欲しいんですか?』


ボソッと呟いた言葉をアイラに聞かれてしまったようだ。


「絶対という訳では無いけどね。いたら戦略の幅は広がるくらいかな」


まぁ魔法使いはいないがサーシャがその代わりをしているから問題とは思っていない。

ただしパーティーは6人まで登録出来るので戦力の増強はいずれ必要になるかもしれないな。


『このまま、領主の屋敷に向かうぞ!』


上級者パーティー達は領主の屋敷に向かい始めた。

確かにサーランドの町の中では一際立派な建物なのでボスモンスターがいる可能性は十分にある。


領主の屋敷に向かっている最中にサーシャがあることに気が付いた。


『ねぇ、旦那様。私のレベルが上がったようだよ。これで矢が4本になるね』


まだ戦闘中だからステータスウィンドウを確認していなかったが、全員のレベルが上がっていた。

ジョブスキルを確認すると新しく取得可能なジョブスキルがあった。


【強化支援】

術士のレベルx5の腕力、体力、走力を自分を含めたパーティーに支援する。


【魔力支援】

術士のレベルx10の魔力をパーティーメンバーに提供する。


この2つが新たに取得可能となったジョブスキルだ。

相変わらず分かりにくい内容だ。

数字的にどれくらい効果があるのか不明だ。

ただし、無いよりは全然マシだろうから取得することにした。


アイラ達もジョブスキルが取得出来たようだ。

ジョブスキルは基本的には戦闘に有効なものだから確認して良かったな。


そして念のために魔力支援をサーシャに使ってみた。


『旦那様、凄いですよ。さっき使った魔弓の魔力分が完全に回復したような感じがしますよ』


サーシャは先程の戦闘で魔弓を5~6回は使っていたはずだ。

なので魔弓1回放つのに魔力10くらいと考えておくことにした。


ついでに強化支援も試してみた。


「強化支援、発動」


すると、ごっそりと魔力が抜けていく感触に襲われた。

強化支援は結構な魔力を使うようだ。

戦闘中じゃなくて良かった。


『ご主人様の強化支援って凄いです。身体中から力が溢れるようです』

『私もそんな感じがするよ』

『妾もじゃ』


俺も同じ感想だった。

攻撃支援や防御支援は攻撃した時や攻撃を喰らった時に効果が発動するので支援されてる感覚が少ないが強化支援は違った。

常に身体が強化されているような感覚があった。


『ま、不味い! ゴブリンキングが2匹いるぞ!!』


前方の上級者パーティーからだ。



ーーーーーーーーーー


名前:レックス

種族:ヒューマン

年齢:17

レベル:7

ランク:D

ジョブ:支援術士

ジョブスキル:

【攻撃支援】【防御支援】【回復支援】

【回避支援】【強化支援】【魔力支援】

加護:

【経験値2倍】【無詠唱】

【ジョブスキル全体化】【無限魔力】


名前:アイラ (主人:レックス)

種族:狐人族

年齢:20

レベル:6

ランク:E

ジョブ:軽戦士

ジョブスキル:

【双剣】【速度強化】【腕力強化】

加護:


名前:サーシャ (主人:レックス)

種族:エルフ

年齢:18

レベル:4

ランク:F

ジョブ:魔弓士

ジョブスキル:

【魔弓】【命中率補正】【誘導矢】

加護:


名前:ジーナ (所有者:レックス)

種族:ヒューマン (人工生命体)

年齢:19

レベル:7

ランク:F

ジョブ:重騎士

ジョブスキル:

【盾術】【大剣術】【挑発】

【シールドアタック】

加護:

【解析】

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