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0027:ダンジョン2階層クリア


ジーナが遺棄されていた空間から地上に戻ってきた俺達はとりあえずノースランドに戻ることにした。


ジーナの装備を整える必要もあるし、日用品も買わないといけない。

何よりも冒険者登録もしないといけないし、下着も買わないといけない。

さすがにノーパンのまま不味いよな。

俺的にはノーパンでもいいんだが。


というか、ジーナはちゃんと冒険者登録が出来るのかな?

まぁ、やってみて駄目ならその時に考えるしか無いな。


「帰り道だけど手ぶらだと微妙だよな。これを使ってみるか、ジーナ」


マジックバッグから鎧のオークのドロップアイテムである大剣を取り出した。

ジーナが大剣をじっと見ている。


『ジェネラルの大剣じゃな。まずまずの質のようじゃな』


「え、大剣の名前が分かるのか?」


『もちろんじゃ。なんといっても解析持ちじゃからな』


そう言うとジーナは片手で大剣を振り回した。

あれ? あの大剣ってそんなに軽かったっけ?

俺はまともに振れなかった記憶があるけど・・・

俺が不思議そうに眺めているのに気付いたジーナが説明してくれた。


『大剣術というジョブスキルのおかげじゃな』


ジーナ曰く、大剣術は大剣の重さをレベル分だけ解消してくれるとのことだ。

それってレベルが上がるほど大剣が軽くなるということだよな?


「ひょっとしてかなりレベルが上がると大剣の重さが無くなったりするのか?」


『そこまで軽くなることは無いのじゃ』


ノースランドに戻る途中で何度かモンスターが襲ってきたがアイラとジーナの2人で蹴散らしていった。

もちろん支援をしているのだが。

サーシャですら弓で攻撃しているのに俺は支援だけだな。


『旦那様、まるでヒモみたいですね、へへへ』


「ヒモじゃないだろ? ちゃんと支援してるじゃん」


サーシャは分かってないな。

ヒモは何もしないんだぞ。

あくまでも俺が認識しているヒモだけどな。

少なくても俺はちゃんと働いている。

なので、ヒモでは無い・・・はずだ。


◇◆◇◆


無事にノースランドに戻ってきた。

まずはギルドに向かい、ギルドに到着するとすぐに受付カウンターに向かった。


「ルイーザさん。すみません、こちらのジーナの冒険者登録をお願いします。あと換金も一緒にお願いします」


『分かりましたわ、それにしてもレックスさんやるわね。また綺麗な子を連れてきたのね、ふふふ』


「えっと、ちょっと待ってよ、ルイーザさん。ジーナはちゃんとした戦力ですよ」


『ふふふ。はいはい、分かってるわよ。それじゃ手続きをするわよ』


本当に分かってくれているのか疑問だ。

ルイーザさんは終始ニタニタしていた。


それはそうと、ちゃんとジーナの冒険者登録が出来るのか心配していたが問題なく登録が完了した。

ジーナのギルドカードと一緒に換金結果である大銀貨7枚、銀貨3枚を受け取った。


ついでに鎧のオークの正体も判明した。

鎧のオークはオークジェネラルだった。

これはドロップアイテムがジェネラルの大剣だったので予想通りだった。


魔石を査定するとモンスターの種類が分かるのだがオークジェネラルはランクCモンスターであった。

確かに倒すのに苦労はしたよな。


ギルドを出る際に、ルイーザさんからは無理をしないようにと繰り返し念押しの小言を言われてしまった。


続いて武器屋に向かった。

もちろん行くのは禿げマッチョ店長の店だ。


「店長いる~?」


『うん? おぉ小僧じゃないか。今日はどうしたんだ?』


「新しいメンバーが増えたんで装備を買いに来たんだよ」


ジーナを紹介しようと思ったら、ジーナはラージシールドを見ていた。


『おいおい、お嬢ちゃんにはラージシールドは無理なんじゃないのか?』


『いや、大丈夫じゃ。そこの盾を見せてもらえるか』


店の裏庭に向かいジーナはジェネラルの大剣とラージシールドを持って使い勝手を確認している。


『おいおい、すげぇな・・・何なんだよ、あのお嬢ちゃんは・・・』


ジーナの身長はアイラよりも少しだけ低いので160cmに少し足りないくらいだ。

一方でジェネラルの大剣とラージシールドは120cmくらいある。

なのでジーナには明らかに手に余るはずなんだが軽々と扱っていた。

店長が驚くのもよく分かる。


『マスター、この盾がしっくりくるんだけど』


少し値段が高そうだけど購入して良いか気にしているようだ。

それよりもジーナの俺に対する呼び方が『マスター』に変わった。

確かに所有者になったんだし気にするのはやめておこう。


『店長、この盾とジーナの革の服と靴が欲しいんだけど全部でいくらになるかな?』


『まぁ、坊主はお得意様だしな。まとめて大銀貨5枚でどうだ?』


本日の収入の大半が無くなるが特に問題は無いのて購入することにした。

続いてジーナの服と日用品を購入しに行った。

これで本日の収入が完全に無くなった。


しまった・・・宿屋のことをすっかりと忘れていた。

急いで宿屋に戻り、副女将に相談した。


『大丈夫ですよ、レックスさん。今なら4人部屋が空いていますよ』


そうだよな、やっぱり4人部屋になるよな。

俺がガッカリしているとジーナが小声で。


『マスター、妾ならいつでも大丈夫じゃ。』


え、本当にいいのか。

念のためアイラとサーシャのほうを見てみた。

2人とも表情は怒っていない。

呆れ顔をしているが怒っていないよな。

これは辛うじて大丈夫な合図だ。


2人の気が変わらないうちに4人部屋に移ることにした。

そして、その日は至福の時を過ごすことが出来た。


◇◆◇◆


翌日、俺達は再びダンジョンにいた。

2階層の中ボス部屋の行列に並んでいる。


「ジーナ、そういえば中ボス部屋の罠はもう発動しないんだよね?」


『もちろんじゃ。もう妾は起きているからな。あの仕掛けは妾が睡眠状態じゃないと発動しないはずじゃ』


ということは今度こそ3階層にチャレンジ出来るな。


今まで2階層までは順調に進むことが出来た。

しかし、そこで足踏みをしてしまった。

決して遠回りをしていた訳ではないのだが。


やっと中ボスの部屋に入る順番が回ってきた。

中ボスに入ると魔方陣が展開されモンスターが現れた。


・・・


「あれってオークだよね? しかも普通の」


『そのようですね、ご主人様』


前回はオークジェネラルだったのにこの差はなんだろうな。


『マスター、妾にやらしてくれるか?』


ジーナ曰く、今の自分の実力を試したいとのことだった。

無理そうならすぐに助っ人に入れば良いだけだから了承した。


ジーナは左手に盾を持ち、右手には大剣を持ってオークに向かった。

意外と走る速度は遅くなかった。


オークは持っていた棍棒をジーナ目掛けて振り下ろした。

ジーナの盾にオークの棍棒がぶつかった瞬間、鈍い金属音がしたがジーナは左手一本でオークの棍棒を受け止めていた。


オークって結構力があるはずなんだが。


大剣を片手で振り回していた腕力は伊達じゃなかった。

そしてジーナはそのまま大剣をオークの脇腹を目掛けて横凪ぎした。

するとジーナの大剣がオークの腹半分まで食い込んだ。

あとちょっとでオークを一刀両断するところだった。


「マジか・・・」


大剣は相手を叩き潰すのが普通の使い方のはずなのに・・・

確かにジーナに渡した大剣はそれなりに切れそう刃をした大剣ではあったが。


『す、凄い馬鹿力ですよね、旦那様』


サーシャの言う通りだ。

ちょっと真似出来ない芸当だ。

もちろんアイラの真似も出来ないのだが。


『ブッブギィィ・・・』


オークはそのまま倒れた。

ジーナの圧勝だったがジーナは納得していなかった。


『オークごときを一刀両断出来ぬようでは駄目じゃな』


いやいや、十分だと思うんだけどな。

オークの腹だぞ? おそらくウエスト3mはあると思える腹だよ?


悔しがっているジーナをよそに地上に帰還するための魔方陣が現れた。

今度の魔方陣は直径3mくらい魔方陣だ。


ただし、この魔方陣は使わない。

何故ならこのまま3階層を目指すからだ。


魔方陣を避けて部屋の奥にある扉に向かった。

この扉を開ければ3階層への降り階段があるはずだ。


「じゃあ、扉を開けるよ?」


アイラ、サーシャ、ジーナの3人はゆっくりと頷いた。

扉を開けると目の前に降り階段があった。

周囲が薄暗いので足下を注意する必要がある。

慎重に降り階段を降っていくと、降り階段の先にまた扉があった。


「じゃあ、扉を開けるぞ?」


『『はい、大丈夫ですよ!』』


扉を開けると想定外の景色が目の前にあった。


「なんだ、ここは?」

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