表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/111

0017:メンバー追加


『分かりました。確かに仕方が無いですよね』


何とかアイラからこの言葉を引き出すことに成功した。

馬は宿屋の馬小屋に預けて、サーシャを肩から担いで部屋に戻ってきた。


とにかく眠い、とてつもなく眠い。


社畜時代の俺なら1日や2日、いや3日の徹夜くらいは何でも無かったはずだったのだが。

普通の生活がすっかりと馴染んでしまったようだ。


とりあえずサーシャをベッドに寝かせて俺とアイラもベッドに寝転んでいたらいつの間にか寝てしまった。


色々と疲れていたからか3人とも丸1日寝てしまったようだ。


◇◆◇◆


翌朝、目を覚ましたが何故か俺の頭は柔らかい物に挟まれていた。

枕としては非常に気持ちが良い。

そして目の前には女性の大事な部分が剥き出しであった。


一瞬、アイラかと思ったが違う。

お尻に手を回してみたが尻尾が無い。


・・・ということは、これはサーシャだ。

そういえばサーシャを見つけたときに全裸だったよな。

適当な服を着させた記憶はあるが下着を履かせた記憶は無い。


ま、不味い・・・これは間違いなく不味いぞ。

こんなところをアイラに見られたら洒落にならないぞ。

なんとかこの状態から脱出しようとしたところ、アイラが俺の背中に抱き付いてきた。

これで完全に身動きが取れなくなってしまった。


どうすればこの窮地から抜け出せるのか?

懸命に考えているとサーシャを俺の股関を触ってきた。


サーシャは完全に寝ぼけているようだ。

そして、この窮地から抜け出せないままサーシャが目覚めた。


『え? い、いやぁー、私に何をするつもりなのー!』


「え、ち、違う、何もしないよ・・・」


悲鳴を上げたサーシャが俺の股関を掴み上げて振り回そうとする。


「ちょっ、ちょっと待って! も、もげる、もげちゃうよ・・・」


◇◆◇◆


本当にもげるかと思った・・・


とりあえずサーシャは落ち着いたようだ。

次はアイラの誤解を解かないといけない。


不思議なものだな。

悪いことをした時には言い訳が沢山出てくるのに、そうでは無い時には中々言い訳が出てこないな。

それでも必死になってアイラに説明した。


『分かりました。今回だけはご主人様の言葉を信用します』


なんとか納得してくれたようだ。


「とりあえず、まずは朝食を食べてから今後のことを考えようか」


丸1日寝ていたので腹も減っているだろうし。

腹が減っては良いアイディアも出てこないだろう。


1階の食堂に行くと女将さんはヤレヤレといった表情だった。


『あんた達、朝から元気だよねぇ・・・』


おそらく、もげちゃうかも事件の騒ぎを言っているんだろうな。


でも、あれに関しては俺は悪くないはずだ。

しかし、ここは素直に謝った。

そして改めて女将さんにサーシャを紹介した。


『まぁ、それよりもさっさと朝食をお食べ』


朝食にパンとスープが3人分出てきた。

女将さんはちゃんと3人分用意してくれたようだった。


朝食を食べながら話をした。


「やっぱり、まずはギルドに報告しないといけないよな」


『そうですね、ご主人様』


『えぇぇ、それよりも私を仲間にして欲しいんだけど』


「仲間って、冒険者になるっていうのか?」


『そうだよ、私って意外に使えるはずだよ』


仮にそうだとしても自分で言うかな・・・


「冒険者になるのはいいとして、なんで俺達の仲間なんだ?」


『う~ん、あなた達が強そうで、良い人達っぽいからかな』


本当にそう思っているのかな。

良い人ではなく、人が良いの間違いでは?


それはさておき、サーシャの首に奴隷の首輪が付いているのは事実だ。

なので仮にサーシャを仲間にするにしてもギルドに報告しないといけないだろう。


朝食後、渋るサーシャを連れてギルドに向かった。

ギルドに到着するとルイーザさんが受付しているカウンターに並んだ。


『あら、レックスさん。今日も換金ですか?』


「それもあるんですが、別に報告というか相談したいことがあるというか・・・」


『そちらのお嬢さんのことかしら?』


「はい、そうです。実は・・・」


ルイーザさんにオークの棲みかに行った帰りに奴隷狩りの集団と会ったこと、そしてサーシャを拾ったことを説明した。


『・・・なるほどね。結論から言うとサーシャさんはレックスさんの持ち物になるわね。サーシャさんをそのまま保有するのも、奴隷商に売るのもレックスさんの自由よ』


やっぱり奴隷も物扱いなのか・・・


でも、それって一番困るパターンだよな。

サーシャは涙目になりながら俺を見ている。

アイラはヤレヤレといった表情だ。


『でも、サーシャさんを売る売らないは別としても、一度は奴隷商に見てもらったほうが良いわよ』


ルイーザさん曰く、奴隷契約が空白になっている可能性があるとのこと。

奴隷契約が空白だと他の人間が勝手に奴隷契約をしてしまうことが出来るらしい。


「分かりました。早速、奴隷商に行ってきますね。あ、そうだ。ついでにこれの換金もお願いしますね」


マジックバッグからオークの魔石とオーク肉、それに奴隷狩りの馬車から回収した物を取り出した。


『・・・はいはい、分かったわよ。ちゃんと査定しておくから早く奴隷商に行ってきなさい』


ということで、今度は奴隷商に向かった。

サーシャはなんだか元気が無くなってきた。

本当に売られてしまうのでは? と考えているのだろう。

アイラは今のところ変化は無い。


奴隷商に到着するとアランと面会した。

アランにもルイーザさんと同じ説明をした。

まずはサーシャの奴隷契約の状態を確認してもらった。


『ふむう、確かに奴隷契約が空白になっていますな。レックスさん、どうですかな? このエルフを私に大金貨3枚で売って頂けませんか?』


ルイーザさんの予想が的中していた。

なので、サーシャをそのまま保有するも売るも俺の自由となった。

しかも売れば大金貨3枚になる。

サーシャはもう諦め顔になっていた。


最後にアイラの顔を見た。

アイラは特に表情を変えずに頷いただけだった。

これって俺の好きなようにしろってことだよな。


「アラン、スミマセンがサーシャは売れません。奴隷契約だけお願いします」


俺がハッキリとそう言うとアランは何故か笑い出した。

サーシャは非常に驚いた顔をしている。


『はははは、レックス様ならそう言うと思っていましたよ。では奴隷契約だけしましょうか』


サーシャの首輪に俺の血を一滴垂らした。

そしてアランがサーシャの首輪に手を当てて呪文を唱え始めた。

アイラの時と同様に一瞬首輪が光った。


『これで奴隷契約が完了しました。ステータスウィンドウを確認して下さい』



名前:サーシャ (主人:レックス)

種族:エルフ

年齢:18

レベル:2

ジョブ:魔弓士

ジョブスキル:

【魔弓】【命中率補正】

加護:



ジョブが【魔弓士】って格好良いな。

しかも魔法まで使えるのか。

自己申告通りに使える奴だったようだ。


「ありがとうございます。確認出来ました」


アランに礼を言って代金を支払った。

するとアイラがサーシャのところに近寄っていき挨拶をした。


『サーシャさん。改めて自己紹介しますね。私が主席奴隷のアイラです。よろしくお願いしますね』


アイラの目は笑っていたが力がこもっていた。

というか、主席奴隷ってなんだろうか?

いつからそんな役職が出来たんだろうか?


『アイラさん、私のことはサーシャと呼び捨てでお願いします。とりあえず、私が次席奴隷ですよね』


『分かりましたわ。サーシャ。では、私のこともアイラと呼び捨てでお願いしますね』


とりあえず、アイラが主席奴隷で、サーシャが次席奴隷ということで丸く収まったようだ。

そしてアランが俺の耳元で一言。


『レックス様。美女奴隷が2人も。羨ましい限りですな』


確かにアイラもサーシャもかなりの美人だ。

その点において申し分ない。

サーシャの胸が少し残念ではあるが。


まぁ、2人とも性格は問題無さそうだし楽しくやっていけるだろう。


・・・とりあえず、ギルドに戻ってサーシャの冒険者登録をしないとな。


奴隷商をあとにしてギルドに戻るとルイーザさんが笑顔で迎えてくれた。


『やっぱり、仲間にすることにしたんですね。あ、査定のほうは終わってるわよ』


やっぱりって言われてしまったな・・・

サーシャがここにいる時点で分かる話ではあるか。


報酬は大銀貨5枚、銀貨7枚だった。

オーク1匹で大銀貨1枚、銀貨2枚くらいになるらしい。

そんな話をルイーザさんとしていたらサーシャのギルドカードが出来上がったようだ。


ルイーザさんからサーシャのギルドカードを受け取りサーシャに渡そうとしたら


『私のギルドカードは旦那様が持っていてよ。私じゃ多分落とすから』


「だ、旦那様?」


『え、だってアイラがご主人様って呼ぶんなら、私は旦那様って呼んだほうが良いかなって。駄目ですか?』


まぁ、いいか。

メイド喫茶みたいになったな・・・嫌じゃないけど。


『改めてよろしくお願いしますね。旦那様。』


「あぁ、こちらこそよろしくな」


サーシャはニッコリと笑いかけてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ