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0011:金策と訓練


マジックバッグを購入するために毎日飽きもせずにゴブリンの森に通い初めてから10日が経過した。


午前中は狩りがメインで数多く狩ることを目的にしているが、午後は主に俺の戦闘訓練のついでに狩りにしている。


「アイラ、そろそろゴブリンの上位種を狙ってみない?」


『ゴブリンの上位種ですか。確かにそろそろステップアップしても良いかも知れませんね、ご主人様』


アイラの了解も得られたのでゴブリンの森の少し奥に進むことにした。

ソロになってから一度だけ奥に進んだときはホブゴブリンと遭遇してかなり苦戦した。

しかし、今はアイラがいるので以前みたいなことにはならないはずだ。


『ご主人様、向こうからゴブリンの匂いがします。5匹ですかね』


アイラがゴブリンの匂いがするという方向に進んでいく。

ゴブリンを発見したアイラが小声で言った。


『ご主人様、あそこにゴブリンがいます』


剣を持ったゴブリンが2匹に、弓を持ったゴブリンが2匹に、杖を持ったゴブリンが1匹だ。

アイラの言う通り、きっちり5匹いた。


「どうやら、ゴブリンソルジャー、ゴブリンアーチェリー、ゴブリンメイジのようだね」


『私がソルジャーとメイジを倒しますから、ご主人様はアーチェリーをお願いしますね』


それってアイラが3匹を受け持つということか。


「それって大丈夫なのか?」


『はい、まかせて下さい。その代わり支援はちゃんとお願いしますね』


「それはもちろんだけど」


攻撃支援、防御支援を発動した。


『ありがとうございます。では、行きます!』


アイラを先頭にゴブリン上位種達に突撃した。

出来れば気付かれずに瞬殺したいところだったがそうはいかなかった。

それでもゴブリン達が臨戦態勢を取る前に俺とアイラが1匹ずつ倒した。


『クギャ?』

『ギャ、ギャギャ!』

『グギャッギャ!』


「何を言っているのか分からんって!」


俺はもう1匹のアーチェリーに向かって突撃した。

アーチェリーも急いで弓を構えようとするが慌てたようで上手く矢をつがえられないでいる。

その隙を突いてアーチェリーの首を斬り落とした。


俺の担当分を倒したのでアイラのほうを見るとアイラもちょうど最後のゴブリンを倒したところだった。


アイラが笑顔で俺のところにやって来てハイタッチをした。

最近、俺がアイラに教えたモンスターとの戦闘で勝利した場合の作法だ。


このハイタッチはアイラも気に入ってくれているようなのだ。

何故ならハイタッチするときにアイラの尻尾がフリフリしている。


狐も犬科だから喜んでいるんだよな?

実は嫌がっているとかは無いよな?


それはさておき、その後もゴブリンの上位種を討伐していった。


昼頃までにはそれなりの数のゴブリン達を討伐した。

リュックサックは魔石とドロップアイテムで満杯になってしまった。

早くマジックバッグを手に入れたいところだ。


さらにゴブリンの上位種を数匹倒したところで俺とアイラのレベルが上がっていた。

俺がレベル5に、そしてアイラがレベル3になっていた。


「ゴブリン上位種の経験値が旨かったのかな」


俺の【経験値2倍】も効いているんだろうけどね。

そして、取得可能なジョブスキルも増えたので早速新たなジョブスキルを追加した。


【回避支援】

術士のレベルx1%の確率でダメージを完全回避する付与をパーティー全員に支援する。


これが今回取得した俺のジョブスキルだ。

これって俺がレベル100になったらダメージを完全に回避出来るんだよな?

ひょっとしたら無敵になるんじゃないのか?


・・・というか、レベルって100まで上がるんだっけ?

微妙なスキルではあるが無いよりはマシ程度だと思うことにしよう。


ちなみにアイラも新しいジョブスキルを取得していた。


【速度強化】

戦闘時の速度を使用者のレベルx5上げる。


アイラはますます素早い動き出来るというわけだ。

ただでさえ、アイラは俺よりも素早く動けるのにますます差がつくわけか。


・・・うん、その辺のことは忘れることにしようか。

とりあえず町に戻ることにした。


午前中の成果は


ゴブリンソルジャー x4

ゴブリンアーチェリー x5

ゴブリンメイジ x3

ゴブリン x8


だった。

ギルドに行き、換金を済ませると俺の冒険者ランクがFからEに上がっていた。


『レックスさん、おめでとうございます。冒険者ランクがEにアップです』

『ご主人様、おめでとうございます』


ルイーザさんもアイラも喜んでくれた。

ランクアップよりも美人2人が喜んでくれたことのほうが嬉しい。


『査定の結果ですが、大銀貨3枚、銀貨4枚になります』


やはりゴブリン上位種の魔石とドロップアイテムはそれなりの高値で売れるようだった。

今後はお金の面でも経験値の面でもゴブリンの上位種を狙ったほうが良さそうだ。


『レックスさん、無理をしては駄目ですよ? もう1人じゃないんですからね?』


ルイーザさんはアイラのことを言っているのだろう。

ルイーザさんから見て俺とアイラの関係がどう見えるのか?

今度、一度聞いてみたいな。


ルイーザさんの言葉を聞いてアイラは少し顔を赤らめていた。

アイラの尻尾が少しだけフリフリしていた。


このままギルドにいるとルイーザさんから色々と弄られそうだ。

なので早めに退散することにした。


ギルドを出る前にルイーザさんから一言。


『レックスさん、本当に無理をしちゃ駄目ですよ』


無理をするなと二度言われてしまった。

まぁ大事なことなのは分かるが。


「はい、分かってますよ」


ギルドを出ると大通りの屋台に向かい、昼食用の串肉を購入してゴブリンの森に向かった。


ゴブリンの森の入口で岩に腰を降ろして串肉を食べているとゴブリンの森から出てくる冒険者達に会った。


『よう、レックス達じゃないか。お前達、朝から森にいたよな? また森に行くのか?』


「はい、そうです。そんなに長い時間は入っているつもりは無いですけど」


『そうか、頑張ってるな。まぁ無理すんなよ』


そう言って声を掛けてきた冒険者達は町に戻って行った。

その後も町に戻ろうとする冒険者パーティー達とすれ違った。


大半の冒険者達は午前中に依頼をこなして午後には町に帰ってくる。


俺達みたいに1日中依頼をこなしている冒険者パーティーはまずいない。

いても、それは借金を抱えてやむを得ずが相場だ。

もしくは飲み屋のツケが貯まってとかだが・・・


串肉も食べ終わったのでゴブリンの森の中に入って行った。

午後は相変わらず、ゴブリンを狩るよりも俺の剣術及び戦闘時の体捌きの訓練がメインだ。

ゴブリンを狩るのはあくまでも訓練のついでだった。


訓練のついでなので森の奥には行かない。

あくまでも森の入口付近で訓練を開始した。


『ご主人様、今日は個別の訓練では無く連携の訓練にしましょうか』


アイラからの提案は連携だった。

俺としてそこまで悪い連携では無いと思っていたがアイラから見ると違っていたようだ。


アイラは軽戦士であり種族的に身体能力が優れていた。

そのアイラから見るとやはり俺の動きは鈍いのかも知れないな。


『ご主人様の動きはヒューマンの割には決して悪くありません。なので私が先制攻撃をした際に追撃するようにして下さい』


何度かアイラと連携攻撃の訓練をした後、早速実地訓練となった。

アイラは意外とスパルタだった・・・


『ご主人様、ちょうど良い感じにゴブリンが3匹いますね』


アイラがゴブリンを見つけたようでゴブリン達のほうに向かった。

早速訓練の成果を試すことになった。

攻撃支援、防御支援、回避支援を発動させてゴブリンに突撃した。


俺はアイラのすぐ後ろに付いていく。

アイラはゴブリンの手前ですっと右に移動した。

そのアイラの動きに合わせて俺は突撃する速度を上げた。

ゴブリンからするとアイラの後ろから突然俺が現れたように感じたはずだ。


ゴブリン達にはこの俺達の動きに付いてこれない。

ゴブリン達は成す術無く首を斬り落とされた。


『ご主人様、さすがです。かなり良い感じでしたよ』


アイラに褒められた。

アイラの笑顔が見られた。


これだけで十分幸せを感じるな。



ーーーーーーーーーー


名前:レックス

種族:ヒューマン

年齢:17

レベル:5

ランク:E

ジョブ:支援術士

ジョブスキル:

【攻撃支援】【防御支援】【回復支援】

【回避支援】

加護:

【経験値2倍】【無詠唱】

【ジョブスキル全体化】【無限魔力】


名前:アイラ (主人:レックス)

種族:狐人族

年齢:20

レベル:3

ランク:F

ジョブ:軽戦士

ジョブスキル:

【双剣】【速度強化】

加護:

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