0108:ケルベロス退治 その3
何とかケルベロスの討伐が完了した。
『旦那様、ケルベロスが宝箱をドロップしていたよー!』
どうやらケルベロスは魔石とドロップアイテム以外に宝箱までドロップしていたようだ。
しかもサーシャが持っているのは金色の宝箱だった。
さすがはランクAモンスターだな。
『へぇ、凄いわね。私達は金色の宝箱なんて初めて見たわね』
ランクBパーティーであるミランダ達でも金色の宝箱は初めて見るそうだ。
そう考えると俺達ってかなり運が良いんだな。
あれ? ちょっと待てよ。
このケルベロス討伐依頼ってミランダ達が受けたのであって俺達は付き添いになるんだよな?
「ひょっとして俺達の取り分って無いのか?」
『ふふふふ、そんなわけ無いじゃない。ちゃんと山分けよ。私達だけじゃケルベロスは倒せなかっただろうしね』
良かったー。
ちゃんと山分けにしてくれるようだ。
「とりあえず、疲れたから早く町に帰ろうか」
『そうね、さすがに疲れたわね』
山からの帰り道もモンスターに遭遇することは無かった。
それでも町に戻ってきた時にはすっかりと日が沈んでいた。
ギルドに到着すると受付嬢や冒険者達が集まってきた。
どうやらケルベロス討伐の結果が気になるらしい。
『お帰りなさい、それでケルベロス討伐は如何でしたか?』
受付嬢の1人が代表して結果を聞いてきた。
『ふふふ、もちろんケルベロスは討伐しましたわよ』
ミランダが討伐完了の報告をした瞬間、ギルド内がどっと湧いた。
『うおぉぉぉ、マジか!』
『すげぇな、ランクAモンスターを倒したのか!』
『これで明日から普通に依頼が出来るな』
『さすがは【一輪の花】だよな』
冒険者達が非常に盛り上がっていた。
凄く騒がしい・・・早く帰って寝たいな。
『さすがはミランダさん達ですね。ランクAモンスターを討伐するなんて凄いです』
受付嬢がミランダ達を褒めているとミランダが首を振って言った。
『実際にケルベロスを倒したのはレックス達よ。私達はサポートしたくらいよ』
『え? レックスさん達もランクCパーティーで実力はそれなりにあると思いますが・・・』
『ふふふ、ギルドカードを確認してみれば分かるでしょ?』
ミランダ達も含めてギルドカードを受付嬢に渡したところケルベロスの討伐は俺達になっていることが判明した。
『ほらね、言った通りでしょ?』
とはミランダの言葉だった。
そして受付嬢が何故か頭を下げて謝ってきた。
『本当に申し訳ありませんでした・・・』
受付嬢が何に対して謝っているのか不明だ。
元々、俺達のランクではケルベロス退治は受けられないのだから謝る必要は無いのだが。
「それよりも魔石とドロップアイテムの査定をお願いしますね」
『は、はい、大至急査定します!!』
受付嬢、慌ててカウンターの奥に行った。
「ミランダ、宝箱のほうはどうする? 今からだと夜も遅いし、そっちが問題無ければ明日にしたいんだけど?」
『えぇ、それで良いわよ。そうしたらあすの朝にここに集合で良いかしら?』
金色の宝箱から何が出てくるのか、明日は楽しみだ。
受付嬢が戻ってきた。
ケルベロスの分だけなのでそんなに時間が掛からなかった。
『まずはケルベロスの討伐報酬ですが、白金貨4枚、大金貨8枚になります。あとナギサさんがランクアップとなります。おめでとうございます』
おぉ、ナギサもついにランクCになったか。
これで全員でランクアップ試験を受けることが出来るようになったな。
『それじゃあ、報酬は約束通り山分けで良いかしら?』
「あぁ、もちろんだ」
ミランダから白金貨2枚と大金貨4枚を受け取りギルドを出た。
『それじゃあ、また明日ね!』
ギルドの前でミランダ達と別れた。
すると、アイラがレベルが上がったと言ってきたので確認してみたら俺もレベルアップしていた。
ケルベロスを討伐したことで大量の経験値を取得出来たんだろう。
『へへへぇ、ジョブスキルがひとつ増えたよ』
サーシャはレベルアップだけでなくスキルも取得したようだ。
新しく覚えたのは弓連射スキルだったが、まさか魔弓で連射するのか?
そんなことをしたらすぐに魔力枯渇を起こしそうなんだが・・・
それはさておき、全員のレベルが11を超えてジョブスキルも"Ⅱ"になった。
冒険者としての格が上がったはずだ。
しみじみと感動しているとアイラ達から腹が減ったとのことだった。
食堂で夕食を食べてキャンプ場に戻った。
◇◆◇◆
翌朝、ミランダ達との約束のためギルドに向かった。
ギルドに到着するとミランダは既に到着していた。
『おはよう、それじゃあ、早速箱屋に行きましょうか』
ミランダが既にギルドの受付嬢からこの町の箱屋の場所を聞いていたようだ。
ただし、念のため確認した。
「ちなみにギルド公認の箱屋に向かっているんだよね?」
『もちろんよ。さすがに金色の宝箱に非公認の箱屋は使わないわよ』
ギルドを出てから10分ほど歩いたところに箱屋があった。
看板が無かったら完全に普通の民家だ。
箱屋の中に入ると初老の男性がいた。
如何にもオジチャンといった感じだ。
『いらっしゃい。今日はどんな色の宝箱を持ってきたんだい?』
俺がマジックバッグから金色の宝箱を取り出すとオジチャンは驚いた様子を見せた。
『ほぉ、珍しいな。金色の宝箱なんて何年ぶりかのぉ』
『私達は初めて見たんだけどね』
とはミランダ達だ。
ちなみに宝箱の山分け方法は来る途中でミランダ達の話して決めてあった。
貨幣に関して完全に山分けにする。
アイテム類に関して年の功としてミランダ達から順番に選んでいくことにした。
もちろん箱屋に成功報酬を支払った後にだ。
オジチャンは金色の宝箱をテーブルの上に置いて呪文を唱え始めた。
『・・・・・・解錠!』
呪文を唱え終わると宝箱から無数の鍵が浮かび上がった。
何度か見た光景だが鍵の数が多い。
『ほぉ、ざっと50本ほどかのぉ・・・』
オジチャンは鍵を1本ずつ掴むと宝箱に鍵を差し込んでいった。
『さすがは金色よね。こんなに沢山の鍵は見たことが無いわね』
ミランダ達は鍵の数の多さに驚いていた。
しかし、俺達は以前にプラチナと思われる宝箱を見たことがある。
その時は鍵が100本ほどだったな。
オジチャンが慎重かつ無言で鍵を宝箱に差し込んでいく。
この無言の時間が辛いんだよな・・・
2時間くらいしてやっと宝箱の解錠が終わった。
『ふぅぅぅ、無事に解錠が終わったぞ』
オジチャンはそう言うとテーブルの上には大量の貨幣と複数のスクロールとアイテムがあった。
とりあえず、ミランダ達と一緒に宝箱の中身を整理した。
白金貨 x200枚
大金貨 x300枚
スクロール x5つ
ヒールチャージャー x1つ
魔法鎧 x3つ
魔法弓 x1つ
が宝箱から出てきた物だ。
ミランダ達の目がキラキラしている。
『す、凄いわね・・・さすがに金色の宝箱は中身が桁違いたわ』
確かに出てきたアイテムは冒険者に役立ちそうな物ばかりだ。
ヒールチャージャーは魔力を込めると回復が使えるマジックアイテムらしく回復スキルが使える仲間がいないパーティーには垂涎物らしい。
そしてミランダ達のパーティーには回復スキルを使えるメンバーがいないらしい。
そして魔法鎧も魔法弓も俺達には不要だな。
逆にミランダ達はじーっと見ていた。
「ミランダ、ヒールチャージャーと魔法鎧、魔法弓はそっちで、スクロールは俺達でもらうで良いかな?」
『ほぇ? い、いいの? 本当に大丈夫なの?』
ミランダ達が満面の笑みだ。
余程欲しかったんだろうな。
「あぁ、むしろ俺達もそうしてくれたほうが助かるかな」
『それじゃあ、ありがたく頂戴するわね』
オジチャンには成功報酬として白金貨100枚を渡した。
ミランダ達の取り分は
白金貨 x50枚
大金貨 x150枚
ヒールチャージャー x1つ
魔法鎧 x3つ
魔法弓 x1つ
俺達は取り分は
白金貨 x50枚
大金貨 x150枚
スクロール x5つ
となった。
ケルベロス退治は中々苦労したが十分な見返りがあった。
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名前:レックス
種族:ヒューマン
年齢:17
レベル:14
ランク:C
ジョブ:支援術士
ジョブスキル:
【攻撃支援Ⅱ】【防御支援Ⅱ】【回復支援Ⅱ】
【回避支援Ⅱ】【強化支援Ⅱ】【魔力支援Ⅱ】
【魔法支援Ⅱ】【隠密支援Ⅱ】【隷属支援Ⅱ】
【経験支援Ⅱ】【呪縛支援Ⅱ】
加護:
【経験値2倍】【無詠唱】
【ジョブスキル全体化】【無限魔力】
【回復魔法】【刀剣術】【マッピング】
名前:アイラ (主人:レックス)
種族:狐人族
年齢:20
レベル:13
ランク:C
ジョブ:軽戦士
ジョブスキル:
【双剣Ⅱ】【速度強化Ⅱ】【腕力強化Ⅱ】
【剣撃強化Ⅱ】【連撃強化Ⅱ】
加護:
【状態異常攻撃】【生活魔法(火)】
名前:サーシャ (主人:レックス)
種族:エルフ
年齢:18
レベル:12
ランク:C
ジョブ:魔弓士
ジョブスキル:
【魔弓Ⅱ】【命中率補正Ⅱ】【誘導矢Ⅱ】
【弓強化Ⅱ】【弓連射Ⅱ】
加護:
【付与魔法】【風魔法】【異常回復】
名前:ジーナ (所有者:レックス)
種族:ヒューマン (人工生命体)
年齢:19
レベル:14
ランク:C
ジョブ:重騎士
ジョブスキル:
【盾術Ⅱ】【大剣術Ⅱ】【挑発Ⅱ】
【シールドアタックⅡ】【速度補正Ⅱ】
加護:
【解析】【罠探知】【生活魔法(光)】
名前:シェリー
種族:ヒューマン
年齢:19
レベル:13
ランク:C
ジョブ:魔法使い
ジョブスキル:
【火魔法Ⅱ】【詠唱短縮Ⅱ】【範囲魔法Ⅱ】
【魔力制御Ⅱ】【水魔法Ⅱ】【精神強化Ⅱ】
加護:
【杖術】
名前:ナギサ
種族:ヒューマン
年齢:18
レベル:11
ランク:C
ジョブ:薙刀使い
ジョブスキル:
【薙刀術Ⅱ】【腕力強化Ⅱ】【刀撃強化Ⅱ】
【体術Ⅱ】
加護:
【回復魔法】
 




