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0102:うどんは定番の食事だ


突然、見知らぬ男達に囲まれて一触即発の状況になったが、これまた見知らぬ男が現れた。


『ノ、ノブヤス・・・様』


このノブヤスという男はナギサの知り合いらしい。

ひょっとすると、このノブヤスという男がナギサの許嫁なのか?


『ナギサ殿、そなたならきっとまた和の国に戻ってくると信じて、このスルガの町で待っていましたぞ』


確かにこのスルガの町は国境に一番近い町だから張り込むならここになるだろうな。

しかし、ナギサが和の国に戻って来なかったらどうするつもりだったのかな?


『さぁ、ナギサ殿。私と一緒にエドの町に戻ろうじゃないか』


あれ? ひょっとしてノブヤスには俺達の姿が視界に入っていないのか?

このノブヤスという男は俺達の存在を完全に無視して話を進めているな。


そう思うと段々腹が立ってきたな。


「ナギサ、そろそろ帰るとするか」


『え、レックス殿・・・いいんですか?』


ナギサが俺の方に向かおうとした瞬間、ノブヤスが大声を上げた。


『ちょっと待て! 貴様、ナギサ殿を誘拐するつもりなのか? それも私の目の前で!』


「は? 何を言っているんだ? ナギサは俺達の仲間だぞ。誘拐も何も無い」


俺がノブヤスに言い放つとノブヤスは顔を真っ赤にして全身がプルプルと震えていた。

かなりご立腹の様子だ。


『ゆ、ゆ、許さん! こうなった決闘だ! 貴様に決闘を申し込む!』


ノブヤスは突然、決闘をしろと言ってきた。

全く意味が分からないな。


「何でお前と決闘をしないといけないんだ?」


『黙れ! 私との決闘を拒否したいのであればナギサ殿を置いていってもらおう!』


どういう理屈でそんな話になるのか全く理解出来ない。

ただし、どんなに理不尽であろうともナギサを手離すつもりは毛頭無い。


「分かった。その決闘を受けよう。俺が勝ったら金輪際、ナギサには近付くなよ!」


『くっくっく、北神一刀流免許皆伝の実力を見せてやる!』


北神一刀流? 何か凄く強そうな名前だな。

ひょっとしたら決闘を受けたのは失敗だったか。

今さら、やっぱり止めたとは言えないよな。


「簡単に勝てると思うなよ!」


こうなった全支援を発動して、ひたすら回復支援を使って粘り勝ちを狙うしかないな。

一刀両断とかさえ気を付ければなんとかなるはず


・・・なんとかなるよな?


『そろそろ死ぬ覚悟は出来たか? せめてもの情けだ。苦しまないように殺してやるからな!』


おいおい、殺す気満々だな。


『行くぞ! 死ねぇー!』


ノブヤスが俺に突っ込んで来た。


・・・


え? なにこのスピード?


・・・


かなり遅いんですけど?

ノブヤスの動きが恐ろしくトロい。


ノブヤスは刀を上段に構えて俺に向かって来ているが遅く、ようやく俺の目の前に到達すると上段に構えた刀を振り下ろしてきた。


しかし刀の振りも遅い。

軽く身体を横に捻るとノブヤスの刀は俺の横を通り過ぎて地面に突き刺さった。


『な、なんだと! 今の一刀を避けただと?』


いや、今の鈍い振りで当たると思ったのか?

まさか俺を試しているつもりなのか?


仮に油断しているとしても関係無い。

ここで一気に勝たせてもらう。


俺は村正の峰打ちでノブヤスの腹を横凪ぎにしてノブヤスを吹き飛ばした。


『ぶほぉっ!!』


ノブヤスは5~6m後方に吹き飛んでいった。

口から泡を吹いて失神してしまったようだ。


「あれ? もう終りか?」


ノブヤスの部下達がノブヤスの元に駆けつけて介抱している。

どうやら大丈夫そうだ。


するとノブヤスの部下の1人がこちらにやって来た。


『この勝負は貴方の勝ちだ』


ノブヤスの部下はそれだけを言うと主人の元に戻っていった。

そして部下達はノブヤスを連れて何処かに行ってしまった。


ノブヤスとその部下達が消えた後、アイラ達に聞いてみた。


「なぁ、あのノブヤスって奴、かなり弱かったのか?」


『いえ、ご主人様。少なくとも免許皆伝者なのでそれなりの強さだと思いますよ』


ということは俺も結構強くなったということか。

するとナギサが近くに寄ってきた。


『レックス殿、ありがとうございます』


ナギサが礼を言ってきたが、ナギサは大事な仲間であり、同時に大事な俺の女だ。

なので守るのは当然のことだ。


「礼を言わなくていいよ。当たり前のことをしただけだから。それよりもノブヤスがリベンジしてきたりするかな?」


『それは無いと思います。決闘に負けたらそれで終わりです』


決闘は勝っても負けても一度きりなのが決まりらしい。

この決まりを破ると死刑になるらしい。

しかも一族郎党全員が死刑の対象になるとのことだ。


「かなり厳しい決まりなんだな」


『そうしないといつまでも決闘が続く可能性がありますからね』


まぁそれは分かるな。

そうしないと奴隷を次々と決闘に注ぎ込むということも出来てしまうからな。


「ということは、ノブヤスとの問題はこれで解決したと思って良いのかな?」


『はい! これで問題は無くなったはずです!』


和の国に来たときは少し憂鬱そうな顔をしていたがスッキリした笑顔になっていた。


『ねぇ、茶番劇も終わったことだし食事に行こうよ』


サーシャは俺とノブヤスの決闘を茶番劇と言いやがった。

いや、まぁ、結果だけみれば茶番劇のように見えたのかも知れないが、それは言っては駄目だよな。


『そうですね、私もほっとしたらお腹が減ってきましたよ、ふふふふ』


ナギサも笑顔で腹が減ったと言って笑いだした。

そして何故かアイラ達も笑いだした。


「ははは、それじゃあ、食事しに行くか」


『ふふふ、ご主人様。向こうにある食堂から美味しそうな匂いがしてきますよ』

『マスターよ、早く行くのじゃ』

『そうよ、レックス。私達もお腹が減ったわ』


アイラが美味しそうと言った店はうどん屋だった。

肉を煮込んだ汁の匂いが凄く食欲をそそる。


うどん屋に入り席を座ると肉入りうどんを注文した。

すると運ばれてきたうどんにビックリした。


「肉の量が半端無いな・・・」


お椀に盛り付けされた肉のせいでうどんが見えない。


『『おぉぉ、お肉がたくさん!』』


アイラ達は早速肉にかぶり付いていた。

かなり食べ応えがあるうどんだ。


今さら気が付いたがテーブルの上には箸とフォークが用意されていた。

俺とナギサは箸を使ったがアイラ達はフォークを使っていた。


『ねぇ、レックス。それって何なの?』


シェリーが箸に気付いたようだ。


「これは箸といって食べ物を掴む道具だな」


『レックス殿は箸の使い方が上手いですね』


そりゃあ、こう見えても元日本人だからな。

箸を使えて当然だ。


アイラ達が俺やナギサの真似をして箸を使いだしたが上手く使えないようだ。


『こ、これは中々難しいですね』

『旦那様にできて私に出来ないはずは・・・』

『むぅ、凄く難しいのじゃ・・・』

『何で挟んだらすぐにこぼれるのよ・・・』


中々苦戦しているようだな。

ここは俺が手本を見せてやるか。


「君達、箸とはこうやって使うものだよ」


『『ナギサ、箸の使い方を教えて!』』


・・・誰も俺の話を聞いていないな。

せっかく箸の使い方を教えてやると言っているのに。


・・・


『『出来たー、箸が使えるようになったよ。ナギサのおかげだね!』』


ものの数分で全員が箸を使えるようになったらしい。


『ほら、旦那様。上手でしょ?』


「・・・あぁ、上手だね」


俺の出番もなく皆が上手に箸を使って肉うどんを美味しく食べた。


『うどんって結構食べ応えがあるね』


サーシャはうどんが気に入ったようだ。


「ひょっとしたら、うどん粉って買えるよな? そうしたら自分達でもうどんが作れるんじゃないのか?」


『え、うどんを自分達で作れるの?』


サーシャが食い付いてきた。

かなり興味津々のご様子だった。


「た、多分な・・・うどん粉さえ買えれば」


『旦那様、うどん粉を買いに行きますよ!』


『サーシャ、うどん粉なら雑貨屋で売ってますよ』


ナギサがうどん粉を売っている店を教えた。

なので次の目的地は雑貨屋になった。


雑貨屋に到着するとすぐにうどん粉と麺棒を購入した。

購入したうどん粉は100Kgだ。


何食分になるのか検討もつかないな。


サーシャは店員になにやら色々と聞き出していた。

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