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ベーカリーダンジョン

 ベニが俺の家を訪れてから数日後、俺とベニは隣の市にいた。

 ベーカリーダンジョンを攻略するためである。

 

 あれからさらに調べてみると、ベーカリーダンジョンの前身はコショウパンで大人気を博していた超有名なパン屋さんだった。

 しかも、その場所は俺たちが住んでいる県庁所在地の寄木市のとなりである一木市いちぼくしであった。

 そこで、二人で攻略してみようという流れになったのだ。


 ちなみに、ベニの装備は俺があらかじめ作っておいた。

 ベニの身体が耐えられる重量も考えて軽装である。

 武器の方も少し時間がかかったが作りあげた。


「…数十倍の速度でお腹がすくとかなんか神秘的…」

「ベニ、ふつうそれを神秘的と表現しないぞ」

 ベニはどこかズレているところがあるのだ。でも、そこがよいのだ。

「…だってそれって普通ならありえないことじゃん。だったら全部神秘的の範疇内」

「じゃあベニはへそで茶を沸かすことができても神秘的と言うんだな」

「…うん。十分神秘的」

「神秘的の範疇広いな。『動物』という言葉の範疇並みに広いな」

「…そこまで広くはないよ」

「それもそうだな」


 そんな会話をしながらも、俺たちは牛丼屋へと足を運んだ。

 時刻は午後8時。

 夕飯時である。



「普通の牛丼を並盛りで」

「…牛丼、特大盛でお願いします」

 店員さんに注文した後、俺たちはカウンター席に隣同士で座った。

 

「…ごめんね。牛丼屋に行きたいなんて言っちゃって。変かな…」

「大丈夫大丈夫。どうせダンジョン入ったらお腹すきまくるんだし、このくらい食べとかないと」

 そうだそうだ。

 この選択は正しい。

 洒落たところ行かずにがっつり食うのが正解というやつだ。

 そして、俺たち吸血鬼は実のところ普通の食事は不要なのだが、やはり栄養面等の観点から言うと食べて損はないのだ。


 俺たちはひたすらに牛丼を食べた。

 食事中は「おいしい!」とか「ジューシー!」とかしか言ってなかった気がする。

 そして、数十分後には空の器が二つ残った。

 俺たちは店員さんにお礼を言ってから店を出た。


 

 こうして俺たちは腹を満たした状態でベーカリーダンジョンに着いた。

 入り口の建物はパン屋だったころの雰囲気をとどめている。

 

「万が一危なくなったら異空間にしまうからな」

「…わかってる」

 俺はベニにそう言ってから地下へとつながる階段を下り始めた。

 ベニも後からついてくる。

 

 俺たちは第一層についた。

 今度は前回の一本調子なダンジョンとは違っていきなり二手に道が分かれていた。

「右に行くか」

「…マッピングなら任せてください」

 ベニの手には紙とペンが握られていた。


 しばらく進んでいくと、パンでできたゴブリンがあらわれた。

「まさか、このダンジョンってパンがモンスターなのかよ…」

 俺はその柔らかそうなゴブリンに剣を振り下ろした。

 ゴブリンはたちまち一刀両断されて消えていった。

 その際、一瞬中にイチゴジャムが入っているのが見えた。

 グロイな…


 さらに進んでいくと、パン製のリリパットがあらわれた。

「遠距離型か…めんどくさそうだな…」

「…ここは私に任せて」

 そう言ってベニが猟銃を取り出した。


 ベニは昔から射的が上手かった。

 祭りでは9割近い命中率で欲しいものを手に入れていった。

 そんな彼女がダンジョン攻略に際して猟銃を選んだのも納得がいく。


 ベニが一瞬で構える。

 そして、リリパットが弓を引くよりも早く弾を撃つ。

 弾はリリパットの脳天に見事に当たり、それは弓矢をドロップして消滅した。

 

「すごい…」

 それしか言葉が出なかった。

 間違いなく戦闘面においては俺より彼女の方が上手だろう。

「…ありがとう。うれしい」

 ベニはそうやって少し微笑んだ。

 

 しばらく進んでいくと、どうやら右の道は行き止まりだったらしく岩壁が立ちふさがった。

「…この岩壁おかしい。周りの壁と微妙に色が違う」

 ベニが違和感に気付く。

 よく見ると確かにわずかに色が違う。

 

 俺は試しに異空間からダウジング棒を取り出した。

 めちゃくちゃに震えていた。

「間違いない。協力して削るぞ」

 そう言って俺は異空間でベニの分のツルハシを作ったのち、二人で岩壁を壊した。

 

 しばらく掘っていくと岩壁が急に全壊し、隠し部屋があらわれた。

 そこには、宝箱があった。


「開けてみるか…」

 俺は意を決して宝箱を開けた。

 中には金でできた黄金の腕が入っていた。

 どうやら純金製らしく、かなり重たかった。


 俺はそれをベニに見せた。

 すると

「…私も持ってみたい」

 と言ったので持たせてみると、彼女はその重さにしゃがんでしまった。

 


 俺は黄金の腕を異空間にしまった後、分岐点まで引き返して、左の道へと進んでいった。

 今度は正解のルートだったらしく、無事に下の層にまでつながっている階段についた。


 俺たちは階段を下って行った。

夢の中でランキングに乗りました!

現実で1000PV突破しました!

両方ともありがとうございます!


次の更新は本日の18:00過ぎです!

待っててください!


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