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幼馴染の挑戦

「…私も、ダンジョンに行きたい」

 ダンジョンから帰ってから数日後にベニからその一言を聞いたとき、俺は驚いた。


 ベニと俺は中学までは同じ学校だった。

 その頃から俺たちは吸血鬼だという理由だけで陰でいじめられていたが、二人で結束することで何とか耐えてきた。


 しかし、学力の都合で違う高校に行くことになった時、運命の歯車が狂った。

 一人高校でいじめられ続けたベニは精神が壊れてしまい、耐日光薬を飲まずに日光を浴びて自殺しようとした。

 危うく灰になりかけたが 幸いにもその場を通りかかった謎の吸血鬼の即席治療によって一命をとりとめたのだという。


 それ以降、彼女は高校を退学して自宅に引きこもり続けている。

 彼女いわく「外に出る理由がないから外にでない」とのことだそうだ。


 そんなベニがダンジョンに行きたいと言った。

 俺が驚くのも無理はないだろう。

 

「そんな急に外に出て大丈夫か」

「…大丈夫。コウ君が頑張っているんだから私も頑張らないと。それに…ガイドブックの写真で見たスライムおいしそうだし」

 こう見えてベニは結構食べるし、美食家だったりもする。

 ついでに料理も上手い。

 

「言っておくが、モンスターは倒した時点で体全て消滅するから、腹はふくれないぞ」

「…そっか。それでも私はダンジョンに行きたい。できればコウ君と一緒に…」

 そう言って顔を赤らめるベニを見て俺はドキッとした。

 そして、なんとなく彼女の言動の理由を察した。

 

 でも、止めないといけない。

 ガイドブックに書いてあった。

 ダンジョン内では、年間約1000人の人間が亡くなっているのだと。

 かくゆう俺も、巨大ニワトリの七色の光で危うく消し炭になりかけてしまったので、そのことは重々承知している。

 俺はそれを説明して、最後にこう締めた。

「ベニ、お前を幼馴染として大事に思っているからこそ、俺はお前がダンジョンに行くことに反対する」

 

 それを聞いたベニはしぶしぶ納得したような表情をした。


 

 

 それから数日後、俺はこの前ダンジョンに潜った時の興奮が忘れられず、県内にあるダンジョンについて調べていた。

 その結果、とある一つの興味深いダンジョンを見つけた。


 そこはもともとパン屋さんだったことから、「ベーカリーダンジョン」という名がついていた。

 どうやらできたのは半年前らしく、一発型であることとCランクであることから元の施設に戻そうとあらゆる冒険者が挑んだものの、とあることが原因してみんな攻略をあきらめたらしい。

 

 さらに調べてみると、攻略が放棄された理由が分かった。

 なんと、このダンジョン内では通常の数十倍の速度でお腹がすくらしいのだ。

 要するに、腹が減っては戦ができぬということでみんな退却したのだろう。


 俺はそこに目を付けた。

 俺たち吸血鬼は一か月血を飲まなくてもなんとか生きていける上に、その血は一回の献血でとれる量で事足りるのだ。

 さらに言うと、俺のスキルを使えばいつでも飯にありつけることができる。

 

 攻略してみたい。

 不覚にもそう思ったその時、誰かがインターホンを鳴らす音がした。


 今日は休日なので遠慮なく俺が玄関に出てみると、私服姿のベニがいた。

 ベニの私服などここ1.2年見たことがないから新鮮であった。

「…見せたいものがあるから、来たよ」

 そう言って彼女はウエストポーチからとあるカードを取り出した。

 

「そ、それは…」

 ベニの小さくて華奢な手に収まるそれは、まぎれもない冒険者カードであった。

 しかも、よく見たらAランクである。

 おそらく、この数日の間に発行してもらったのであろう。


「…ギルド職員さんからは、AランクならCランクダンジョンを死亡率1パーセントで攻略できるって言ってた」

 そう言ってから彼女はウエストポーチからまた別の紙を取り出した。

 そこには、スキルについての詳細が書かれていた。

======================

 スキル:吸食きゅうしょく


モンスターを一部でも食べることで、そのモンスターの能力を一時的に得る。

======================


「…スキル証明書まで作ってもらった。私は、本気でダンジョンに行きたい」 

 そう言って彼女は今まで見せたことのないようなきりりとしたまなざしで俺を見た。


 俺はしばらく考えた。

 そして、考えに考え抜いた末に結論を出した。

「いいよ。一緒に行こうじゃないか」

 次は二人での冒険というのもいいかもしれない。 

 そう思うと胸が弾んだ。

すみません!

寝ていたら投稿が若干遅れました!

本日も三回投稿です!

次は17:00からだ!

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