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光り輝く巨大ニワトリ

 扉の先にいたのは巨大ニワトリであった。


『コケコッコー!!』

 巨大ニワトリは俺を見るなり耳が痛くなるほどの大声で鳴いた。

 

 俺は早速ドローンたちをバラバラに飛ばしてエアガンを撃たせ、ニワトリの狙いが定まらないようにした。

 そして、そのすきにニワトリの足を切りつけまくることにした。

 片足を完全に切り落とせば、機動力が一気に落ちてとどめを刺しやすくなると考えたからだ。


『コケェ!!コケェ!!』

 足から血が噴き出るたびにニワトリは悲痛な叫びをあげる。

 しかし、鳥頭なせいかドローンを目で追うことで精いっぱいのようである。

 

 

 しかし、ニワトリもただでは終わらなかった。

 なんと卵を20個ほど生み落とし、そこから鋭いくちばしを持った狂暴ヒヨコたちが誕生したのだ。

 そして恐ろしいことに子供は親と違って飛ぶことができたのだ。

 

『ピヨピヨー!!』『ピヨピヨピー!!!』

 まるで親の仇と言わんがばかりにドローンを次々と襲い、墜落させていった。

 俺は足への攻撃をやめ、集団ヒヨコ軍団たちとの戦いをすることとなった。


 ヒヨコたちが俺の身体を鎧を貫くほどの勢いで次々とつついてくる。

 しかし、俺は吸血鬼特有の再生力で肉体にまで及んだ傷をすぐに治し、ヒヨコを次々と斬っていった。

 

 

 ヒヨコたちを全滅させた頃には、俺のドローンも全滅していた。

 つまり、ここからは正真正銘の一対一である。

 

「とりあえず、足を攻撃するという方針は変えずに行くか…」

 そう俺が言った瞬間

『ゴケゴケゴケゴオオオオォォォォ!!!!』

 ニワトリがこれまでになく大きな声で鳴いた。

 明らかに怒っているようだ。


 そして、ニワトリの身体が七色に光り始めた!


 まずい!

 

 そう本能が叫んでいることに気が付いた俺は急いで異空間に逃げた。

 

 異空間に逃げた後、俺は体の表面がわずかに灰化していることに気が付いた。

 俺はダンジョンの道中に書かれていた怪文を思い出した。


 迷宮の主、鳥という言葉を嫌い七色に光る。

 確かにそう書かれてあった。

 しかし、鳥などと言った覚えはない。


 …いや言っていた。

 「『とり』あえず」と言ってしまっていたではないか!

 

 俺はひっかけ問題に引っかかったような気持ちになった。

 

 どうやら俺は不意にニワトリの怒りを買ってしまったようだ。

 その時の七色の光は日光と同種の光だったがために若干灰化したのだろう。

 

 さて、異空間に避難してしばらくたったが、ニワトリの怒りは収まったのだろうか。

 俺はそれを確かめるべく、カメラ付きドローンを作って外に送り出した。


 そこから送り出された映像には疲れ果てて七色に光るのをやめたニワトリが映っていたので、俺は安心して異空間を出ることにした。

 もちろん、その前におとり用ドローンを大量に作り直してからのことであるが。

 


 俺は異空間から出ると、すこしためらってからニワトリの目に剣を突き刺した。

『ゴケエエエエエ!!!!』

 ニワトリは鼓膜が一瞬破れるほどの大音量で鳴き叫び、起き上がった。

 

 そして、その場中をドスドスと駆け回り始めた。

 なお、俺が片足を執拗に攻撃したせいで駆け回る速度は遅めである。

 

 

 俺は今回用意したドローンに搭載させた奥の手を使うことにした。

 

 「合体しろ!」

 そう俺が口頭で命令すると、それまでバラバラに飛んでいたドローンたちが一か所に集まり、次々と非現実的な合体をしていった。

 

 合体が終わった時、そこには2メートルほどある人間型戦闘ロボットがいた。


 ロボットの出現にニワトリは驚き、卵を30個ほど生み落とした。

 そして、そこからは真っ赤で鋭利なくちばしを持った先ほどよりさらに狂暴そうなニワトリがあらわれた。

 ロボットはそれを両腕から放つレーザービームで一網打尽にした。

「あれ、なんか俺よりあのロボットの方が強くないか…」

 俺はそう思わずつぶやいてしまった。

 まあ、制作に一時間以上かかっているため、それくらいの性能はないと困るのだが。


 ヒヨコを倒した後、ロボットはニワトリの首筋にしがみつき、第3、第四の腕を展開した。

 そして、その腕からレーザー光線を放つことでニワトリの首を掻き切った。

 勝負はあっけなく終わってしまった。


 ニワトリの遺体は金の指輪を残して消滅した。

 モンスターとしての一生を終えたのだ。

 

 俺は金の腕輪を回収すると、謎の扉が生成されていることに気が付いた。

 そこには丁寧に「ショートカット扉」と書かれていた。

 おそらく地上に通じているのだろう。

 

 時刻は朝六時になっていた。

 もうそろそろ太陽が昇る時間だ。

 俺はあらかじめ持ってきた耐日光薬を飲んでから、ロボットを異空間にしまった。

 そして、扉の向こうへと行った。

 


 扉を開けると、そこには一体の人型精霊がいた。

 そして、彼女からこう言われた。

「おめでとうございます。あなたはダンジョン生成から撃破までの時間の記録を更新しました!」

本日最後の更新は18:00過ぎ!

家族みんなでパソコンorスマホの前で体育座りして待とう!

もし良ければ私に青い星のおすそわけをお願いします!

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