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08~ 天然偽善者、1000ポイントを使う ~

  男女別学年対抗リレー。名前の通り、男女別で学年で争うリレーだ。

  学年ごとに赤団、白団の2つにわかれるので、最終的には6組で競う感じになる。

  俺らB組は赤団だから、A組と協力して走る事になる。

  う〜む。A組そこまで速くなかったような……。

  勝てるか不安だけど、同じ1年の白団にいるC組のハゲ達には負けたくない!








  1走者目がスタートした。やはり、2、3年生が速い。因みに俺はまたまたアンカーを任された。洋太は2走者目だ。

  洋太にバトンが渡り、同じ1年を越す。そのままの勢いで2年生の白団を越していく。現在順位は4位。

  おぉー! 流石洋太! やっぱり速いなぁー。

  と満足気に頷いていると早くも3走者目にバトンが渡った。

  アンカーで知ってる人は、というか一方的にしか知らないけど。

  金髪副会長と黒髪眼鏡会長とC組のハゲがいる。

  普通に考えたら3位取れるか取れないかぐらいだけど、今日俺運悪いしな……。

  弱気になる俺を差し置いて1位の3年生が黒髪眼鏡会長にバトンを渡す。続いて3年生の白団の方の1人と、金髪副会長がバトンを貰い会長の後を追う。

  俺もバトンを走りながら貰いすぐ後を追う。

  今回はハゲ達がちょっと遅かったから大丈夫だろうと安心して走る。

  俺はグングンと白団の3年生との距離を縮める。

  あと少しで追い越せる! 3位取れるぞ!

  その後は何事もなく、追い越しそのまま3位でゴール。

  うん。やっぱり会長と副会長には勝てなかったや! それにしても速かったなぁー。

  距離を縮めるどころか離されてる気がした。

「やったな刀夜! 3位だぜ!」

  洋太が嬉しそうに駆け寄ってきた。

「会長と副会長速すぎるよ! あんなの見た事ない!」

  興奮気味に言うと洋太は苦笑しながら

「いや、足の速さ的にはあんまり刀夜と変わんないと思うぞ? なんか刀夜最後の方減速してた気がしたしな」

「えっ! まじで?! 減速してた?!」

「多分疲れからだろうな。俺も流石に疲れたわ」

  洋太に言われて気づいた。もう足が重くて走りたくないと拒否反応を起こしていることに。

  まぁ、今日はこれで終わりなわけだし帰ったらすぐ眠れそうだ!

 ポジティブ思考で疲れを誤魔化しみんなで帰る用意をする。






  言い忘れていたが、女子の順位は4位だった。1日目はかなりの好成績を残したから、このままいけば赤団は優勝できるだろう。

 




 家に帰るなり、ベッドにダイブしたい気持ちを抑えシャワーを浴びて夜ご飯を食べたりと一通り済ませた。

  俺はすぐにベッドにダイブすると、カードを確認する。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  レベル1.5

  好感度 71%(女子)

  42%(男子)


  ■善1452 悪423 計1029■

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  っ?! なんでこんなに貯まってるの?! 1000超えてる!

  俺はポイントの多さに思わず驚いたが、すぐに考え始める。

  1000ポイント使ったら1人から好きになられる――俺に惚れさせることができるってことだったよね……。

  ホントかどうかは使ってからじゃないと分からない。どういう風に効果があるのか見当もつかない。

  1人目は誰にしようかなー。佐藤さん? 塩崎さん? 加田野さん? それともみゆ姉? でも仲良い人達だとあんまり効果が分からないような……。

  俺は色々と考えている間に意識が朦朧とし、眠りについた。







  翌朝、昨日と同じように教室に集合した。

  昨日は結局眠ってしまい、誰にするか決めれなかった。

  うーむ。誰使えばいいんだろう。いざ使うとなったら悩むな。なんかこう、「おすすめの人!」みたいなのないかな?

  俺がそう思ったからなのか、ポイント表示がスーッと消え、新しい文字が浮かんできた。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  <おすすめの人!>

 

 1年C組 九條くじょう 玲奈れいな(女王様)


  この人にしますか? YES / NO

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  俺は出てきた文字に思わず目を見開いた。

  昨日C組ハゲたちを連れていった女王様をオススメしてるの?! てか、要望通りにおすすめの人紹介してくれてるし!!!

  思わずツッコミをする俺だが、女王様の名前を初めてしり、それにもツッコミを入れてしまう。

  いや、名前! どこかの令嬢みたいな上品そうな名前だし!

  まぁ、それは置いといて。確かに怖そうだったから、女王様こと九條玲奈さんに使ったら効果がわかりやすそうだ。

  もう女王様にしてみるか? いやでも、頑張って貯めた1000ポイントだ。もっとちゃんと考えた方がいいのかな……。








  俺は悩みに悩んだ末に、女王様に使う事を決め、教室に置いてあったペンでYESの方に丸をつける。

  すると、またさっきの文字と書いたペンの丸が一緒にスーッと消え新しい文字が浮かび上がる。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  レベル 1.5

  好感度 71%(女子)

  42%(男子)


  ●1―C 九條 玲奈(くじょう れいな)(女王様) 27%


  ■善452 悪423 計29■

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  おおっ! 女王様の好感度が見えるようになった! 27%って低いのか? 周りの人の平均の好感度、女子なんか高くない?

  あぁそうか!100ぐらいが基本なんだね! ……俺好感度低すぎだろ……。


  俺はがっくりとうなだれたが、すぐにポジティブに考える。

  体育祭2日目。今日はできるだけいい事をたくさんして、好感度を上げよう!

  カードをポケットにしまい、そう決意した。





  よし! 体育祭2日目も頑張るぞ!











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