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偽善者でも天然ならモテるというのは本当ですか?~天然偽善者は無自覚にモテまくる~  作者: 絶対人生負け組


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27/29

27〜 水 〜

  俺は、九條(くじょう)様が着替えている間に協力してくれた店員のお姉さんにお礼を言った。




 しばらくしてから試着室のカーテンが開かれ中から九條様が出てくる。

  その表情は、いつもより少し柔らかい気がするが気のせいだろうか?

  九條様は、猫耳パーカーとスカートを持ったままレジに向かい購入。


  えっ?! 最初に試着したパーカーとジーンズは買わずにこっちを買うの?! 気に入ったのかな?


  意外な事もあるもんだなと感嘆していると会計を終わらせた九條様がこっちに歩いてきた。



「いい買い物が出来たわ。付き合ってくれてありがとう」


「そ、そう? 良かったよ」



  やっぱり気に入ったのか! まぁ、猫のイラストも、フードについてる猫耳も可愛いから思わず買っちゃうのも納得だよね! 俺も、今度買おうかな……。



  服を見るのはもう充分といった表情の九條様と一緒に、ショッピングモールをゆっくり歩く。



  勿論、九條様の買った服や本などは俺が持っている! 元々荷物持ちとして(あつか)われるだろうとは思っていたけどね?!!

  まぁ、レディーファースト? なんて言葉もあるし(はた)から見たら俺ちょー優しい人じゃない?!



  結果的に、善ポイントも増えて九條様からの印象もアップして一石二鳥だ。



「あそこで少し休憩しましょう?」



  歩き疲れたのか、九條様がソファーや自販機などがある休憩場所を指さしながら提案してきた。



「いいよ。俺も疲れたし」



  九條様は、体育祭で代表者に選ばれるくらいだから体力はある方なんだろうけど、本屋さんで俺にオススメする本を歩き回って探してくれたから疲れたのだろう。


  それに女の子だしね!



「荷物持ってくれてありがとう」



  正直に俺も疲れたことを言ったら九條様がお礼を言ってくれた。


  さっそく、効果覿面(てきめん)じゃないか?!


  そんな事を思いながら2人横並びでソファーに座る。



「飲み物買うけど、九條様は何かいる?」



  喉が(かわ)いたし、ちょうど自販機がすぐ近くにあるから好感度アップの為にも訊く。



「買ってきてくれるの……? ……なら、水をお願いできるかしら?」



  俺は了承の意味を込めてグッドサインをして、自販機で自分の分のお茶と九條様の水を買う。



  ――すると、朝走りに行った時に家の近くでも感じた視線が向けられたような気がした。

  反射的に勢いよく振り返って周りを見渡すが、皆楽しそうに会話しながら歩いているだけだった。



  ……? 朝の時といい、気の所為かな? 誰かに見られてるような気がするけど……。でも、誰もいないんだよな。……怖いっっ!!!



  鳥肌が立って両腕をさする。

  とりあえず、この事は九條様に言ってみようと思い、取り出し口から飲み物を取り出して九條様の元に行く。



「はい、水。買ってきたよ」



  俺はそう言いながら、九條様の後ろからほっぺたにつける。


「……っひゃぁっ?!」



  すると、九條様は変な声を上げてすぐに口元を手で隠して、俺を睨んできた。


「ご、ごめんなさいっ!!」


  そう言って水を渡して九條様の対面のソファーに座る。



  そんなに睨んでこなくても……。今ので悪ポイント増えてたりしないよねっ?!



  心配になるが、ここで確認して九條様にカードの存在がバレる訳にはいかない。

  俺は、九條様のガチ睨みによって喉がカラカラになったのでキャップを開けて、お茶を喉に流す。



  はぁ……。善ポイント増やすのも、好感度上げるのも大変だなぁ……。今の所全然憧れていた青春――仲のいい友達と馬鹿な事し合ったり、女の子からモテモテライフを過ごすことが出来てないじゃないか!!



  やはり、一筋縄ではいかないかと、あれこれ考えているとまたさっきの視線がしたのでバッと、顔を持ち上げる。



  すると――九條様から少し離れたところに黒いパーカーを目元まで深く被った、どう見ても怪しい人が立っていた。



  ッ?! やっぱり、朝の視線もさっきの自販機の所での視線も気の所為じゃなかった! あの人は一体何者なんだろう? 何が目的なんだ?



  あの人は、危ないと本能が反応して色々と考えを巡らせる。


  身長や、体格からして多分男性……。


  俺が神妙な面持ちをしていたのか、九條様はそれを疑問に思って、首を傾げて俺の視線の先を追う。

  九條様もパーカー男の姿を認識した所で、その男はニチャアと気味の悪い笑みを浮かべ「見つけた」と呟いていた。



「「……っ…………?!」」



  その瞬間、体全身に鳥肌が立った。

  その男は、不気味な笑みを浮かべながらゆっくりゆっくりとこちらに歩を進めてくる。

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