23〜 食事・本・連絡先 〜
席に着き、俺たちはメニューをみる。
「ねぇ、九條様。なんで時間あるか聞いてきたの?」
静かな時間が流れるのは何か気まずいので、率直に思った事を聞いてみる。
「ただ、映画の感想でも言い合えたらきっと楽しいと思ったからですよ」
えっ?! たったそれだけの理由で? そんな理由なら、ちゃんと言ってくれれば弱みを出して脅迫しなくても感想言い合うのに……。
そんな事で弱みを出してきたのかとジト目で九條様を見ると、俺の視線に気付き、内心を察したのかすぐに付け足す。
「別に、たったそれだけで誘ったと言う事ではないんです。ちょっと買い物に付き合って欲しくて……。……そ、それに、貴方といると少し楽しいから……。」
買い物に付き合って欲しいまではよく聞こえたが、その後はボソボソと顔を下に向けて呟いていたので何を言ってるのかよく分からなかった。
それよりも、買い物に付き合ってって……。どうせ荷物持ちだろう。
母さんと一緒に買い物に行く時はいつもそうだからね。まぁ、別に苦じゃないからいいんだけどね。
「何買うの?」
「今日の映画の原作を買ってみようかと……。他にも服など色々見て回りたいなと思っています」
「えっ?! 原作読んでなかったの? ほんと読んだ方がいいよ!」
「えぇ。ですから今日買おうかと……」
「あぁ、そうだったね!」
俺は少しはしゃぎ過ぎた事に恥ずかしくなり頬をポリポリとかく。
九條様は、俺の勢いに少しビックリしたのか苦笑していた。
「それじゃあ、今日はとことん付き合って貰おうかしら」
「まぁ、どうせ暇だったし。いいよ」
「あれ、貴方用事があるなんて言ってたけどあれは嘘だったのかしら?」
「あっ!……」
嘘はバレて、九條様に少し怒られたものの今日1日付き合う事でチャラにしてくれた。
それから、俺達はファミレスで昼食をとりながら映画の感想を言い合った。
原作は、母さんと語り合ったけど映画はまた違った感想を抱いた。
九條様と感想を言い合うのは、結構楽しかった。
九條様は日頃から、本を読んでいるらしくオススメの本を教えてくれたりした。
楽しい昼食を終え、まず俺達が向かったのは本屋さんだ。
まぁ、1番の目的が本を買うことで2番目に服や色々なお店を見て回る事だから当たり前っちゃ、当たり前のことだ。
本屋さんに着くと、文庫本の所に向かう。
九條様は今日観た映画の原作小説を手に取る。
そして、俺は昼食の時にオススメされた本を2冊手に取る。
普段から本を読んでいる人のオススメの物なんて、面白いに決まってるじゃん!
もう特に買う予定のものはなくなったので、2人して面白そうなのがないかブラブラと本を見て回る。
「九條様って、漫画とか読むの?」
ふと気になった事を尋ねてみる。
「あんまり読まないわね。面白いのだけれど、すぐ読んでしまって量も多くて置く場所に困るのよ」
「あー、あれだ! 速読だ! 本を早く読めるのってなんか憧れるなぁ……」
「そ、そうかしら?」
「うん! あ、なんかスマホとかで読める電子書籍? ってやつもあるらしいよ?」
「そ、そんなものがあるのね。それなら、置く場所には困らないわね……今度買ってみようかしら……」
九條様でも、漫画読む事にビックリしたが速読出来ることの方が凄くて羨望の眼差しを向ける。
九條様は、チラッと俺の方を向くとすぐに顔を逸らして少し俯いてしまった。
……? なにかダメなこと言ったのかな?
何故顔を逸らしたのか不思議に思い、九條様の顔を覗き込む。
覗き込むと言っても、俺の方が身長低いから少し見上げる形になる。
九條様の顔は少し赤く染っていたが、多分暑いからだろう。
この本屋さんは、この時期にしては少し暑いと思われる。
それにしても九條様の顔で気になったことがある。
「九條様。なんで、笑ってるの?」
俺が声をかけたことでようやく、見られてることに気づいたのか勢いよく顔を上げて、口元を手で隠す。
「え? 私、笑ってた?」
「え? うん。嬉しそうに笑ってたっていうか、微笑んでた……よ?」
もしかして、無意識なのかな? 無意識で笑顔になっちゃうくらい小説が買えて嬉しいのかな?
その証拠にさっきから、九條様の視線は手に持っている小説で固定されている。
というか、九條様自体が固まっていた。
「もしもーし。九條様? 生きてますかー?」
30秒くらい経ってもずっと固まっているので、目の前で手を振りながら呼びかける。
「っ?! あ、生きてます。大丈夫です」
無事に生き返ってきたので、一安心。結構長い間、瞬きすらせずに停止していてホントに死んでないか怖くなったぐらいだ。
この事を誰かに言ったら、間違えなく笑われてネタにされるので、自分の心の中に封じておく。
「九條様。もうお会計行きましょう!」
本屋さんに長居するのもどうかと思うので、俺達はレジへ向かい、本を買った。
少し時間が経って、落ち着いたのか九條様はもう、いつも通りに戻っていた。
「さて、じゃあ服を見に行きましょう」
九條様は、服屋さんを目指して移動を始めた。
切り替えの速さに圧倒されるも、置いていかれないように急いで九條様の後を追った。
こんな、広いショッピングモールではぐれたら大変だからね。連絡でも取り合わないと、再会出来ないくらいだ。
あれ? そういえば、九條様と連絡先交換してなかったような……。
テストが終わったので、もう1作品の方も頑張って執筆します!
もうすぐ、200総pt!
去年の8月? くらいから投稿し始めるのを考えると時間が経つのは早いなぁと最近よく考えています。
時間は限られている! さぁ、僕執筆を再開せよ!




