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これで、男は帰るかもしれない。
隣は静かになった。
はあ。
少しはスッキリしたな。
ポイントの入らない「異世界でラッキーハーレムGETだぜ!」はとりあえず置いといて、新作のプロットでもやるか。
「今のです」
ニッチの声。
くそー、あいつら!
「なるほど」
男の声。
「すみません、先輩のお友達にわざわざ来ていただいて」
サッチの声。
もう一回、叩いて黙らせるか?
「いえいえ、『ぐらんどコブラ』さんには私もお世話になってますので」と男。
また、芸人絡みか…。
誰だよ、「ぐらんどコブラ」って!?
「どうですか?」
ニッチだ。
「そうですね…ここじゃないですね。鍵は持ってますか?」
男の声。
鍵?
鍵って、何の鍵だ?
「はい。大家さんに借りてきました。自由にやってくれって」
サッチの声。
何のことだ?
てか、早く帰れよ!
バイト行け、バイト!
背後でガチャッと音がした。
振り返るとオレの部屋のドアが開いて…男が1人、入ってきた。
おい、何だよ!?
誰だよ?
何でオレの部屋…鍵は?
鍵をどうやって…?。
入ってきた中年男は変な格好をしてる。
実際には見るのは初めてだが、テレビでは見たことある…。
あれだ…山で修行する修験者の格好だ!
首から法螺貝を下げてる。
コスプレか?
男の視線がオレの眼と合った。




