騒ぐ弟、嫌になる兄
翔が自閉症だとわかって間もなく
アイツはパニックを起こすようになった
それも場所を選ばずに…
「ぎゃー!!ぎゃー!!」
物凄い大きな声と共に走る弟
止めようにも動きが速い…
しかも力もある…
走っていって何をするのかと思えば
気になった試食を底無しに食べていたり…
おやつの包装を開けていたり
ジュースを勝手に開けて飲んでいたり…
物凄かった…、嫌になっていた…。
「何で翔のことを見るんだ?確かに売り物を開けるのは悪いことだけど、それ以外はなにもしてないじゃんか!」
俺は自分自身がわからなくなった気持ちを母さんにぶつけた。
少し母さんは考えた後こう言った
「…じゃあ、離れて歩いてもいいよ?翔は私が見るから」
あぁ、そうしてやるよ!
心の底からそう思った
だけど…、次の買い物をしたときには
弟は…、翔は…
俺の隣を歩いていた
気付いたら俺の隣を歩いていた
歩かせようとしていた
何故かって?
「翔は俺のたった一人の弟だから」
書きながら恥ずかしくなってきた(照)
ただ、一時でも恥ずかしいと思った自分がいたのも事実。
でも同じことを思っている方に伝えたい
「恥ずかしいと思ってもいい、嫌になってもいい。少しずつでも、きょうだいに歩み寄ってみていいんじゃないかな?
あなたは本当は…きょうだいのこと嫌いじゃないんじゃない?」