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ランキング9995位の勇者  作者: ペレット・カンニバル12世
1/5

其の壱 召喚回とみせかけて説明回

この物語はフィクションです

実際の人物、団体、組織名、あれ?似たような小説知ってんなという記憶はすべて架空のものです

 人は誰でも唯一の存在になろうとする。

 何年か前に流行った歌に「ナンバーワンよりオンリーワン」というものがあったが結局のところ同じである。

 ナンバーワンということはオンリーワンであるし、オンリーワンということは、つまるところその狭すぎる業界で他の人がいない、繰り上がり一位ということでしかない。

 だからこそ人はナンバーワンをめざし、誰かの特別になろうとするのだ。


 まあ、何が言いたいかというと、


「異世界でくらい一位になりたかったよっ!」


 僕は勇者召喚の魔法陣の中で叫んだ。

 目の前で召喚師のおっさんが「なにコイツ」みたいな目で見ているが気にしない。

 なんだよ。

 召喚されて聞く第一声が「あ、9995位さん。うっす。」ってさ。

 なにその流れ作業みたいなあいさつ。

 丁重に扱えよ。こちとら異世界からお前らの事を救うために来た救世主だぞ。もっともてなせよっ。


「あのーそろそろ説明はいっていいっすか。9995位さん。」


 僕がひとしきり悶え終わると召喚師のおっさんがおそるおそる聞いてきた。

 さっきからなぜこんなにもおっさんが登場するのか。

 それはこの部屋におっさんと僕しか存在しないからである。

 普通さ、こういう勇者召喚って国のトップ12人くらいが集って見守って、設定をひとしきり聞かされて、そしてお姫様が主人公に惚れるまではテンプレじゃん。

 というかもう暗黙のルールじゃん。

 僕の顔知らなくていいのかいトップ陣。


 まあまだそこはこのアリの巣穴より深い心を持つ僕なら許せる。

 一番気に食わないのはそこじゃない。


「つーかさっきからなんなんだよ。その9995位って。その微妙に高いのか低いのかわからない順位がちょっとイラッてくるんだよ。」


「えっとですね。これはあなたの勇者としての順位なんです。こっちの世界に来る途中に女神さまに会いましたよね。この順位はその時に女神様から頂いた能力の優劣と人格によって判断させていただいているのです。」


 でも9995位って何人中だ?


「実は合計で10000人の勇者がこの世界に来てまして。管理に順位が必要なんです。」


 下5人かよ。


 確かに召喚師のおっさんの言うとおり僕はこの世界に来るとき一度女神の部屋を通ってきている。

 そしてそこでは欲しい能力を一つもらえるとはいわれた。

 しかし僕は考えられる限り最強の能力を貰ったはずなのだが。なぜ、こんなにも順位が低い。

 なぜだ。

 なぜなのだ。


「おかしいだろ。いくらなんでもこの能力で上に一万人近くもいないはずだ!」


「いえ、ですから、あの……」


 ええい。うるさい。もう一回確認してみよう。


情報確認(ステータスオープン)


checkingcheckingcheckingchecking


【名前】 オオヒト・キミオ


【年齢】 17歳


【固有スキル】


血脈の支配者(ブラッディーソウル)…自身の血液を操るスキル


【付与スキル】 


異世界常識…物の名前、言語などの、この世界の住民ならだいたい知っている知識を得るスキル


アイテムボックス…異空間にアイテムを保存するスキル。容量無限。中のものは劣化しない


checkingcheckingcheckingchecking


 付与スキルというのは召喚者全員に配られたスキルだ。ここに差はない。

 ということはランキングはその上の女神様に貰った固有スキルの差ということになる。

 しかし僕のこのスキル大好きなマンガ「ブラッディームーン」の連戦連勝な最強主人公の能力。

 わざわざ女神さまにお願いして名前までそろえたんだ。弱いはずがない。


 このことを召喚師のおっさんに伝えてみるとあっさりと答えが返ってきた。


「いえ、あの、上位1000人くらいの方々は『最強』とか『チート』という能力を持ってまして。もう戦闘の余波で世界を壊してしまうような方々ばかりなのです。」


 ばかな。

 こっちがバランスとか考えてぎりぎり許される能力として考えたのに。

 なんだよ固有スキル【最強】とか【チート】って。現代っ子かよ。

 しかも1000人って。いくら丈夫な界王界でも指先一つでダウンだよ。

 自重しろっ!


「まあ上位1000人は見逃してやろう。だが残りの8000人はどうした。そこには負けてないはずだ。」


「いえ、あの、人格面でのマイナスポイントがひどすぎて。」


 なんだと。

 自分で言うのも嫌なくらいこんなにも平々凡々な僕にどんなマイナスポイントが。まさか…


「いえ、あの、あなた、極度のロリコンですよね。しかも守備範囲が生後後一カ月から10か月って。うわ、きもっ…すみません。なんでもありません。」


「おいおい。なんで知っているんだよ!生まれてきてからこの17年間友達から『お前好きな子だれ?』って聞かれたときに『えーっとあそこの保育園のユウカちゃん、じゃなくて隣のクラスの子かなー』とか言い続けて必死に隠し続けてきたというのに。誰だ!誰から聞いたんだ!」


「女神様です」


 そりゃ隠せねえわ。


「ついでに言うとランキングの評価自体も女神さまが作っています。あなたはこれで6000位くらい評価が落ちています。」


 つーか能力自体もチート系を除いて、更に上に2000人くらいいるんだ。


「ハイじゃあこれが支度金です。これで仲間とか装備とか整えて下さい。」


「はい」


 もう性癖がばれてしまった僕には絶望しかなかった。

 夢見ていたハーレムエンドが、チート冒険記がガラガラと崩れ落ちる。

 終わった、異世界デビュー失敗した、そう思いながら召喚師のおっさんから支度金を受け取る。

 中の金額は【異世界常識】で調べてみると一万円相当が入っていた。世界中を旅する必要があるのに一万円とか僕にどれだけ期待してないかがうかがえる。


 僕が嘆いていると突然召喚師のおっさんがポーズをとって叫び始めた。


「さあ、いけ勇者よ。世界を救うために旅立つのだ!あ、でもうちの生後3カ月の子だけはホント手を出さないでください。やっと生まれた第一子なんです。」


「詳しく聞かせて下さいお義父さん。」


 こうして、僕の勇者への旅は始まった。

 果たして、僕は魔王を倒す英雄となりうるのか。

 はたまた、恋人のために世界を滅ぼす悲劇のヒーローとなりうるのか。

 今はだれにもわからない。

 ただ一つ分かっているのは召喚師のおっさんの子どもとはフラグが立つことはなかったということだけであった。


     To Be Continued.....


★☆次回予告☆★


 性癖を女神にばらされるという激しい絶望に負けず旅立ったキミオ。

 彼は気づいていなかったが、実は女神はこれを王族全員にばらしていた。

 もう、彼が姫とフラグが経つことはないだろう。


 一方、仲間を勧誘しに街に出たキミオ。

 ところが勇者ランキング9995位の彼と一緒に旅立てくれる者はいなかった。

 どうなるキミオ。果たして彼は一人で旅立つのか?

 


次回「奴隷で妥協するかっていうか最初から奴隷1択でした」

 


皆もパソコンの前でレッツ全裸待機!



くっそ眠い時に書いたのでいろいろ適当かも。あとで多分直します。

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