表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜に喚ばれた男  作者: 下総 一二三
第9章「王都、燃ゆ」
99/243

女たちの決闘

『あれは……?』


 屋根づたいに駆けていく三人の人影が目に止まり、リディアは不審な目で人影を追った。

 三人は魔空艦へと向かっていくようだった。

 南門側の上空にリディアは到着し、空から変わり果てた東門の状況に眉をひそめて状況を眺めていたのだが、ふと視界に映ったのが三人の不審者だった。

 子どものように、小柄な女二人の後方に男一人。

 軽い身のこなしで屋根づたいに走っていく。動きに無駄がなく、よほど訓練された人間の動きに思えた。


『さては、あいつらか……』

『待て、リディア!』


 後方からどら声がし、振り向くとネプラスが“アゼル”というグリフォンに乗って大慌てで(かけ)てくる姿があった。


『お父様、お一人ですか?』


 家士の姿もなく、不審にの目を向けると、ネプラスはまったくと苦虫を潰したように顔をしかめた。


『お前が心配で、私だけ先に追い掛けてきたのだ。……まったく、抜け駆けは軍法ものだぞ』

『あら、私は魔王軍に正式に加えられておりませんし、戦功を立てれば褒められこそすれ、罰せられることはないのでしょ?』

『む、む……。しかし、その相手がだな……』

『それはもう見つけました』


 リディアは馬上用の長剣を引き抜いて、切っ先を三人の人間たちに向けた。ネプラスはその一人の金髪の女を見て、唸るような声を発した。


『クリューネ姫……。だとすると、あの男がリュウヤ・ラングか』

『あれがクリューネ姫?随分と子どもですね。それにリュウヤという男も、やせっぽちのひげ面で頼りない』

『見た目で見くびるな。竜の力を失っても武術師範のベリアを斬ったのはあの男だ。それにクリューネ姫は子どもではない。確か、もうすぐ二十歳になるはずだ』

『あの男がベリア先生を?』


 小柄なクリューネが二十歳ということよりも、ベリアを斬った男を目の前にして、リディアは驚愕きょうがくすると同時に怒りの感情がわき起こり、頭が熱で急激に熱くなっていった。

 人間によって斬られたことは聞いているが、それがリュウヤという名前や人物までは知らないでいた。魔王軍の正式な家臣ではないから、ネプラスの娘でも、そこまで情報が伝わっていない。

 ベリア教官はリディアにとっても魔王軍にとっても宝と言って過言ではない人物だったと思っている。それを斬った人間があの男というなら、魔王軍の仇敵ではないか。見過ごす理由がない。


『お父様、それならリュウヤを即刻討ち果たしませんと』

『待て。奴らをこのまま泳がせよ。周りを固めてから一気に仕掛けんと危険だ』


 いつもは豪放ごうほうな父がどことなく慎重で、かつ仇敵であるリュウヤという男に恐れを抱いているのが気に入らなかった。やはり父は老齢で、万事が鈍くなっているとリディアは歯がゆい思いがした。


 ――相手は所詮、人間。自分は将軍ネプラスの娘。なんのことがあろうか。


 リディアはネプラスに“女は家で守っていろ”と言われたことがまだ引っ掛かっている。それに初陣で気分が高揚していたし、功を焦っていたこともあって、援軍を呼ぶというネプラスの考えには否定的だった。むしろ自分だけでやってやるという気持ちになっている。


 ――女剣士リディアが初陣にて、不逞なる輩を一網打尽。


 称賛と驚嘆を向けてくる男たちを想像するだけで、リディアの気分は、さらに高揚感が増していくようだった。


『……やってやりましょ。ね?ガル』


 リディアはガルセラの喉を撫でてささやくと、クウとガルセラは猫なで声で鳴いた。


『お父様』

『何だ?』

『私、“兵は神速を尊ぶ”と聞きます。今がこの時かと』


 言うなり、自身の剣を抜いて手綱を打った。勢いよくリディアはリュウヤたちへと突進していく。ネプラスからすれば、リディアの行動は血気に任せた、ただの無策な突撃でしかない。


『待て、待たんか!リディア!』


 功を焦りおって、とネプラスは舌打ちすると、急いでリディアの後を追い掛けた。


  ※  ※  ※


 クリューネとリリシアは屋根の上を駆けている。屋根から屋根へと軽やかに飛び移り、音もなく着地をして勢いそのままに疾駆する。

 そんな二人の背後に人の近づく気配がしたが、リリシアもクリューネも振り向きもしなかった。わざわざ振り向いて確認しなくても、追いついてきたのはリュウヤだと、リリシアもクリューネも日頃の感覚でわかっている。

 やがて、クリューネが数歩分遅れて走るリュウヤをちらりと見て、初めて口を開いた。


「怪我はないのか?」

「ああ、大丈夫だ」

「あんな奴、よくもひとりで倒せたの。行けというから任せたが」

「手段を選ばなきゃ、何とかな。ベリアの時みたいに」

「……そうか」


 リュウヤのその説明だけで、どんな闘い方をしたのか、クリューネにはおおよその見当はついた。生死に関わる以上、綺麗事など言ってられない。これ以上は話すこともなく、マルキネスについての会話はそれきりだった。

 リュウヤたち三人は、朝議の間がある正殿の前を過ぎ、後宮に向かわず、魔空艦が停泊ていはくしている西北の広場へと向かっていた。

 その広場から一本の古い塔がにょっきりと突き出ている。大昔、ゼノキアがここに来る前は魔導士が町を支配し、名前も違う名前だった。ゼノキアが魔導士を倒したあとはゼノキアの根城として使われていたが、その名残があるのは外壁だけとなり、今は魔空艦に指示を送る管制塔として使われている。


「セリナとアイーシャ、ちゃんと来るかの」

「真面目なルシフィなら、セリナの安全確保をするために、ちゃんと警備計画通りの指示をする。問題はどんな奴が守っているかだ」

「ルシフィなら……、確かにそうするか」


 クリューネはルシフィとは少しの期間、ともに旅をしたことがある。リュウヤたちに接触し、内情を探るためのもので、そのためにリュウヤの力やバハムートの限界、人物像などが魔王軍に知られてしまうこととなったが、道中、クリューネが起こした不始末を、ルシフィに尻拭いさせた記憶が蘇るばかりで、不思議と不快さはない。

 ルシフィとの時間は、むしろ楽しかったと言ってよかった。


「……ルシフィと闘わんでよかった」


 クリューネがぽつりと言った言葉が風に流れて、リュウヤまで届くと、リュウヤは勢いよく言った。


「ああ。奴までいたら、計画を練り直さなきゃいけなかった」


 ――これほどツーカーの仲になっても、伝わらんことがあるか。


 他人はどこまでいっても他人だと、何となく一抹の寂しさを感じながら、クリューネは屋根を飛んだ。

 もしも、マルキネスに発見されず、当初の予定通りに進んでいたなら、そのまま正殿から後宮に忍び込み、セリナたちの救出に向かう予定だった。しかし、マルキネスに発見されたために、当初の計画を変更せざるをえなくなった。後宮といっても内部の構造は複雑で、侵入と逃走を防ぐために一種の迷路のようになっている。

 兵が入り乱れているなかで、セリナたちの部屋を探している暇はない。

 事前の調べで、非常事態が発生した場合、後宮の者は避難用の通路から西北側の広場に置いてある魔空艦で避難するという警備計画の情報をリュウヤたちは把握している。魔王軍では客扱いされているセリナたちも、そちらへ向かうはずだった。

 そのため、第二の計画として敵に発見された場合、リュウヤたちはを東門付近で爆発を起こしたあと、セリナたちが避難するはずの魔空艦まで先回りをして、そこでセリナたちを救出するという計画に変更していた。


『敵はどこだ!何人なんだよ!』

『まだ、数百のレジスタンス兵が隠れていると言うぞ』

『俺は数千て聞いたぞ』

『それより、マルキネス様がレジスタンスと内応したとはホントか!?』


 地上では、軍の車両や馬車、兵士や使用人が互いに怒鳴り合い、或いは狼狽えながら駆けずりまわる光景がそこにはあった。

 東門の対処に追われて警備隊長の指示が行き渡らず、情報が錯綜さくそうして憶測推測が混乱を招き、事実がわからないという不安がさらに次の混乱を生じさせていた。


「あの調子なら、魔空艦まで無事にたどり着けそうだの」

「うん。連中、私たちに全く気がついていない」


 リリシアはあわてふためきながら走る地上の兵士たちに、視線だけ向けながら言った。

 王都ゼノキアの王宮は小さな町ひとつ分の広さがあって、住み込みの使用人が使っている長屋や倉庫などが密集している場所もある。

 リュウヤたちがいる場所は、そんな建物が密集している地区で、奥の拓けた場所に魔空艦が停泊する広場がある。そこの中央をにそびえ立つ管制塔を中心に、魔空艦三隻の艦体が周囲の建物に埋もれるようにして見えた。

 王家用として製造されたもので、通常のものより半分近くと小型で、三隻の船は狭い係留地の広場で窮屈そうに寄り添っている。

 見ようによっては、エサに群がるダンゴムシに見えなくもない。


「まだ、魔空艦は動いていないようです。充分、間に合う」


 独り言のようにリリシアが言ったが、クリューネはいや、と言って急に足を止めた。

 クリューネは苦笑いをして、夜が明ける白光した空を見上げている。


「さっきは“無事にたどり着ける”などと言ったが、前言撤回する。なかなか、そう上手く事は運んでくれないようだの」


 リュウヤも既に足を止め、クリューネと同じ方向を見上げている。

 地上の兵士たちを警戒していたリリシアも、ようやく気配に気がつき、二人の視線を追って、身と心が固くなった。朝日に照された空と雲の間に人影が浮かんでいる。

 銀色の長髪をした若い女が白いグリフォンにまたがり、馬上用の長剣を抜刀して、リュウヤたちに向かって突進してくる姿が見えた。キラキラと銀の鎧が、陽光にまぶしく反射していた。


『私の名はリディア!そこな人間、王宮の侵入者と見た。我が刃を受け、初陣に華を添えよ!』


 チッ、とリリシアは舌打ちをした。


「この、クソ忙しい時に……」


 珍しいリリシアの口汚い呟きは、リュウヤとクリューネには届かなかったらしく、それぞれ身構え、女剣士を注視していた。


「女剣士か。魔族じゃ珍しいの」

「単騎で来るところ、腕に相当な自信があるんだろう」


 睨み据える先で女剣士がやにわに剣を振るった。手元がギラリと光って空間が歪む。轟音とともに、膨大な圧力が上空からリュウヤたちにのし掛かってくる。


「ソニックブームか……!」


 クリューネが呻くと同時に三人は飛び退くと、衝撃波は足元の屋根を砕き、屋根の破片が周囲に飛散した。


「くっ!」


 動きから与し易しと踏んだのだろう、先にクリューネが狙われた。

 衝撃と無数の破片にクリューネは視界が遮られ、目を開けると、そこには剣を振りかざすリディアが迫っている。


「なめんな、女!」


 リディアが剣を振るよりも早く、クリューネは手をかざし雷鞭(ザンボルガ)を放っていた。しかし、しなり狂う雷の鞭がリディアに到達する寸前、ガルセラが鋭いくちばしを開き、猛火を吐き出して雷鞭(ザンボルガ)を掻き消してしまった。雷と炎が衝突し、真っ白な濃い煙が充満する中、煙を割ってリディアがクリューネに殺到してきた。


『まずはひとり!』


 だが、リディアの剣は割り込んだリュウヤが弾き返していた。軽く返されただけなのに、岩を叩いたように痺れた感覚がリディアの腕を縛った。


「……速いが打ち込み軽いな。試合の剣だ。馬上でも腰をぐっと押さんと斬れんぞ」


 分厚い殺気がリディアの足元から吹き荒れ、その威圧感にリディアは身動きできなかった。

 主人の危険を察知し、ガルセラが炎を吐こうとするが、リリシアの唸る拳が遮った。リディアというより、ガルセラの意思でリリシアの拳をかわしたが、予測したように、脇構えでうずくまるリュウヤがそこにいる。


『リディアーー!!!』


 大鐘を衝突させたような大音声とともに、凄まじい圧力がリュウヤを襲った。見上げると、鬼のような形相をした巨躯の老人が、グリフォンに乗って口に泡を溜めて迫ってくる。

 まだかなりの距離があるのに、圧倒的な剣気がひりひりとリュウヤの体に伝わってくるようだった。

 老いても猶、アズライルを超える膂力りょりょく

 岩をも砕く剛剣の使い手。

 ヴァルタスに残された記憶の中で、リュウヤにはある一人の武人と重なった。

 マルキネスと並ぶもう一人の難敵。だが、これもこれも覚悟の上だ。


「来たか……、老将ネプラス!」

『死ねい!リュウヤ・ラング!』


 ネプラスはグリフォンの勢いを使って、猛然と仕掛けてきた。

 岩が押し潰してくるような圧力がリュウヤの頭上に迫る。まともに受ければ腕ごと粉砕されるような剣圧だったが、リュウヤはそれをカツリと刃を合わせただけで転身し、水を板に流すように柔らかく受け流した。ネプラスの剛剣は空を切り、そのまま屋根を打ち砕いていた。轟音とともに、屋根の破片が宙に舞った。


『このネプラスの剣をかわしただと……!?』


 驚愕するネプラスの右側面に気配を感じ、振り向くと上段に構えるリュウヤがいる。ネプラスは逃れようとしたが、勢いとグリフォンの重みで、アゼルは屋根に挟まれて身動きが出来ないでいる。


『くそっ!』


 ネプラスが飛び退いたのと、リュウヤのルナシウスが振りおろされたのが同時だった。ネプラスの剣は屋根を砕いただけだが、リュウヤの刃はアゼルの首を断ち、大量に噴き出したアゼルの鮮血が辺りを濡らした。


『お父様!』


 リディアが叫び、リュウヤに突進しようとしたが、ガルセラが急に慌てて上空へと逃れていった。


『どうしたの、ガル……』


 リディアが不審の声をあげると同時に、雷鞭(ザンボルガ)以上のエネルギーを宿した炎がリディアの声を遮った。


「あなたの相手はこっち。これくらいの威力なら、いかにグリフォンの炎でも相殺することはできない」

『子どもが高位魔法の大炎弾(ファルバス)まで使うだと……?』

「……子ども?」


 リリシアは内心ムッとしたが、心の動揺を見せるのは良くないと思い、こみ上げる怒りの感情を押し殺してクリューネの傍に寄った。


「怪我はない?クリューネ」


 クリューネの隣にリリシアが護るように寄り、リディアに視線を向けると、クリューネは大丈夫だと、立ち上がって答えた。その声は明るく、怪我もショックもないようだった。


「あの女より、あやつのグリフォンが厄介だの。主人よりも反応が良い」


 それに、もっと厄介なネプラスが控えている。ネプラスと対峙するリュウヤとの距離はかなり離れてしまっている。

 互いに探りあう形となり、リュウヤもネプラスも迂闊には動けない様子だった。


 ――バハムートに変身するか


 クリューネの脳裏にそんな考えも過ったが、すぐに打ち消した。今はまだ使う状況ではない。ネプラスと闘うためにここに来たのではないのだ。せめて、セリナとアイーシャを身を確保してからだ。


『見事な剣だ。リュウヤ・ラング。お父様相手に』


 と上空のリディアは涼やかな声をりんと虚空に響かせた。


『人間どもよ。ここまで闘えたことを褒めてやろう。しかし、ここからが本番だ。不本意だが、私はクリューネ姫とそこの子どもの相手をしてやろう。子どもといえど反逆者の片割れ。容赦はしない。逃げたいのなら、今のうちに逃げるがいい』

「……子ども、子どもさっきからうるさいな」


 リリシアの片眉が、ひくひくと痙攣(けいれん)したようにひくついた。


「……何かあの女、ムカつく」

「芝居染みとるし、やけにエラソーだの」

「クリューネならともかく、私を子ども扱いするとは」

「お前が怒っとるのは、そっちかい」


 そんなとこでムキになるから子どもぽいんじゃ、とクリューネは苦笑いしたが、それも一瞬のことで、すぐに表情引き締めなおした。


「リュウヤの援護といきたいとこじゃが、あのグリフォンがちくと面倒じゃな」「……確かに」

「それに今の闘いで下の兵士にもウチラがバレたろう。こうなったら思いっきり暴れてやろうぞ。この辺りは多少奥まっておる、人のおる町にまで害は及ぶまい」

「同意」


 うなずくリリシアの拳に、魔法陣がふわりと浮かんだ。

 クリューネの言う通り、地上の兵士たちは戦闘に気がつき、『ネプラス様だ』『敵はあそこだ』とどよめきを起こして、集まり始めている。


『なんだよ。ガキかよ』


 誰かの失望したような一言に、リリシアの拳に力がこもり、魔法陣の紋様が更に輝きを増した。


『行けえ、女剣士!』


 下から魔王軍の兵士らしき声が響いた。敵らしき正体をようやく掴むことが出来た混乱も収まり始め、怒号が石とともにリリシアたちに投げつけられる。


『そんなガキども、ぶったおせ!』

『子ども!ションベン漏らす前に、さっさと美しき女剣士様に降参しろ!』

「うるさい!」


 リリシアは眼下の兵士たちを睨むと、手の内に紅い光の塊を生じさせ、投げつけるようにして光の塊を放った。

 一瞬の間の後、小さな光は巨大な炎の塊へと変化し、見守る兵士たちの間に飛び込んで強烈な爆発を起こして、兵士たちを瓦礫とともに呑み込んでいった。集まっていた数百名の兵士は、爆風によって散り散りに吹き飛ばされ、今までそこにあった倉庫や建物は巨大な牙で抉られたように瓦礫の山と化していた。その光景に、リディアは息を呑んだ。喉がいつの間にか、からからに渇いている。


『あの子どもの大炎弾(ファルバス)……、厄介だな』


 破壊された建物や逃げ惑う兵士を眺めながら、クリューネは肩をすくめた。


「無駄に魔力を使うな」

「少しの間は静かになるし、さっきクリューネが言った。“思いきり暴れよう”と。大人しくしてたら、また集まってくる。リュウヤ様の邪魔はさせない」

「……まあ、そうだの」


 確かにリリシア言う通りだと思った。

 リュウヤとネプラスの対峙は長く、じっとしたままだが剣の圧気はひりひりと伝わってくる。互いの間合いに入れば猛撃の応酬が始まる。

 どちらもこれからが本番だと、クリューネはリディアに向き直り声を張り上げた。


「さあて、リディアとやら。そっちのグリフォンの性別は知らんが、男は男同士、女は女同士で決闘、始めるとしようかの!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ