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竜に喚ばれた男  作者: 下総 一二三
第3章「ムルドゥバ武術大会」
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レジスタンスの少女に試される

「……間違いない?」


 男からの報告を聞き終わり、薄暗いの中から聞こえたのは少女の静かだが涼やかさを感じる声だった。どこかの小屋らしく、放置されていた木箱に座る少女と、報告に来た男の他に、もう一人男がいた。元は物置小屋らしく、くわや一輪車、古びた木箱など、作業用の道具が小屋の雑然ざつぜんと放置されている。


「間違いねえ。双眼鏡で確認した程度だが、ガキみたいに若い男女の2人。あの国境の山脈から平気な顔をして下りてきやがった。関所に引っ掛からないよう、山越えして来ると聞いてはいたが、どうも信じられねえな」

「ムルドゥバから連絡があった通りだが、果たして本物かな」


 もう一人の男が不安そうに呟いた一言に、3人の間に張りつめたような緊張が起きた。


「実際、魔族がムルドゥバでは人間に化けたという事件もある。あの人数、魔族なら越えられるだろうが人間だとどうかな。途中、襲って荷を奪って、それらしくするなど訳もないだろう」

「どうするリリシア?ジルからは出迎えとは指示されてるが、ムルドゥバでの直後だ。正直、安易に出迎えて近づくのも危険だと思うが」


 男たちの視線が少女に集められる。黒い髪を両側で結んだいわゆるツインテールの髪をいじりながら、リリシアと呼ばれた少女は考え込む素振りをみせていたが、しばらくしてから顔をあげて、2人の男を交互に見た。

 ひとりの男を指し、あなたが知らせてと少女は低いがとおる声で言った。


「万が一の事態を考えて、まずは私が彼らを試してみる。……噂通りの猛者もさなのか」


 リリシアは右手を掲げると、腕に意識を集中させた。すると右の拳を覆うように、白く輝く魔法陣が幾つも浮かび上がる。


「本物か偽物か。私の“神盾ガウォール”が教えてくれる」


  ※  ※  ※


 陽も満足に射さない鬱蒼うっそうとした暗い森が広がる山道を下ると、狭かった獣道が少しずつ拓け始め、空を覆っていた葉と木々の隙間からも陽の光がこぼれ、青空が覗いて見えるようになった。次第にそれまで深閑としていた周囲から、小鳥のさえずる声がこだまして聞こえてくる。

 雑草がはびこっていた獣道も草木が刈られ、そこかしこに人の手が加えられている道に変わっている。町へと少しずつ近づいているのだという実感が、リュウヤ・ラングの緊張感が幾分和らいでいった。


「久しぶりに風呂入りたいよな」

「風呂だけではないわ」


 リュウヤの隣を歩くクリューネ・バルハムントが、ハンチング帽から溢れる自身の豊かな金色の髪を撫で、疲れきった様子で息を吐くように言った。


「このゴワゴワとした髪を見ろ。私の美しい髪がこんなだぞ。早く美容院に行って髪も直したいし、肌もガサガサじゃ。疲れも堪らんからエステに……。おい、待て待てリュウヤ、爪もひどいことになっておる。エリンギアにはネイルサロンてあるのか?」

「お前、そんな余分な金があるわけないだろ」


 え、嘘とクリューネは信じられないといった様子で目を見開いている。


「無いなんてことないじゃろ。リュウヤはケチでしみったれだから、お主の懐にまだ金貨30枚ほど残っておるだろうが」


 だからあ、とリュウヤはうんざりしながら言った。

 出立の際、アルド将軍から金貨30枚を貰って、以前よりも持ち金は増えている。だが、それをクリューネに言うつもりなどなかった。どうせろくなことに使わないのは、リュウヤが良く知っている。


「“余分な”金は無いて言ったろ。スラムで生活してきたのに、贅沢言うな」

「スラム出だからこそ、リッチやドリームに憧れるのでないか。リュウヤはわかっとらんの」

「うるせえな。気になるなら、その辺りの川で頭洗ってこいよ」

「可愛らしい女の子に川で洗ってこいだとか、しみったれの上に無神経か。これだからリュウヤは……」


 出来の悪い生徒をもった教師のように、クリューネは苦笑いをしながら、やれやれとため息をついて首を振った。


 ――この野郎。


 リュウヤは苦々しげに舌打ちをした。

 山中でも寒いだの死ぬだのやかましかったが、山を下りてもちっとも変わらない。

 リュウヤたちは数日前、ムルドゥバ国境の山脈からようやくく下りてきたばかりである。

 マイナス20度の極寒の地で、魔物や寒さに苦労しながらやっと地上に戻って来れた。どんな熱波や寒波をも防ぐ魔法のローブや魔法のテントのおかげで、何とか山越えを果たしたというのに、クリューネが考えているのは、自分のことばかりだ。


「クリューネよ。お前はケチつうけど、ムルドゥバでその帽子を買ってやったろ」

「理由もないプレゼントなどで、そこまで感謝できんわ。どうせ、後ろめたいことでもあるんじゃろ」

「そんなこと、ないよ……」


 反論を試みるが、リュウヤの言葉は弱く、そこで口をつぐんでしまった。

 クリューネの発言は当てずっぽうだったが、後ろめたいという部分は言い当てていた。今はムルドゥバで療養しているテトラという女剣士と、一時の情動じょうどうから肉体関係を持ってしまい、その後ろめたさを誤魔化すために、クリューネに以前無くしたお気に入りの帽子と同型のものを、プレゼントとして買ってやったのだった。


「お、図星かの?」


 リュウヤの不審なうろたえ具合に、クリューネは急に興味津々な目つきになり、リュウヤの顔を覗き込んでくる。単純な好奇心にクリューネの瞳はキラキラと輝いていて、それが一層、リュウヤの心を締めつける。

 図星ではあったが、正直に話せることではない。

 クリューネも今は陽気でいるが、二人の関係を知ればその場で卒倒そっとうしていただろう。


「うん。まあまあ、いいじゃないか。あの、その、今夜はパアッと飲もうぜ。アハ、アハハハハ」


 リュウヤは間の抜けた空虚くうきょな笑い声をあげ、ほんの少しだけ、逃げたと覚られない程度に足の速度を早めた。


「お、良いのう!こういう時だけは、リュウヤも太っ腹だな!」


 クリューネも単純だから、飲みだのパアッとだの聞けば誤魔化されたとも気がつかないでいる。歓喜の声をあげながら、リュウヤの後ろをついてくる。

 レジスタンスの拠点というエリンギアには、レジスタンス・リーダーと接触するという目的がある。

 しかし、今の段階では山越えした身体の疲れを癒すことと、とにかくクリューネを誤魔化すことが先決だった。


「ムルドゥバ並にでかい町らしいから、良い宿もすぐ見つかるだろ」


 本心としては、もう少し安価な宿にしたいが、もう少しクリューネの機嫌をとっておかなければならない。ゆっくり身体を休めたいし、ここは宿も奮発しておこうとリュウヤは思った。柔らかなベッド、滑らかなシーツ。美味しく温かな食事。心地よい快感を与えてくれるワイン。


 ――ベッドの隣にテトラがいたらなあ。


 そんなよこしまな考えが急に湧くと、不意に無我夢中になったテトラの裸身を思い出して、すさまじい後悔の念がリュウヤの心の中に吹き荒れた。


 ――いかん、いかん。


 突風のような雑念を振り払うように、リュウヤは慌てて首をぶんぶんと振った。

 疲れている。

 何度も深呼吸をして心のざわめきを鎮めてから、リュウヤは自分をかえりみてそう思うのだった。

 この世界に来てから約2年、野宿や旅には馴れているが、山越えはリュウヤでもさすがに堪えるものがあったのだ。

 森も次第に拓き、頭上には青空が広がっている。筆で描いたような軽やかな雲が幾つも漂い、気持ちの良い秋晴れだった。吸い込む澄んだ空気が気持ち良い。

 やがて“エリンギア”と記載された矢印標識が立っている道に出ると、道はより広く美しい森が続いている。

 既に魔王軍の支配地域に入っているはずだが、自然豊かな周りの光景を眺めていると、その実感が持てないでいる。

 リュウヤは辺りを見渡しながら言った。


「エリンギアの長官は、人間を上手く扱っているみたいだな」

「なんでわかる」

「山を降りてから道や木々に人の手が加わっていたが、街道に出てからは、荷馬車が行きえるよう広いし、丁寧に整備されている。道が荒れないように定期的にやっているようだ」

「……」

「魔族は地道な作業を嫌がるからな。だから、土木や治水工事には人間を頼るしかないんだけど、酷使していたらこういう作業で手を抜く。それなのに道には雑草もはえていないし、ワダチでぬかるみもできていない。ちゃんと仕事をしている」

「単なる推測で、よくもまあ、つらつらとそこまで言えるの」


 クリューネは退屈そうにアクビをしながら言った。今のリュウヤの独り語りで、もう眠気を感じている。


「なんだよ。俺が思ったことを言っただけなんだから良いだろ。そういうの興味わかない?」

「知らん奴をあれこれ推測しても仕方なかろう。どうせ誰かの受け売りじゃろ?」


 むむっとリュウヤは言葉に詰まった。たしかに、クリューネの指摘通りでこれは受け売り、真似ごとである。

 吉川英治の「宮本武蔵」で柳生領を廻る時の宮本武蔵の話を思い出して、自分が宮本武蔵の気分になって、ちょっと偉そうな台詞を言ってみたかったのだ。あっけなくクリューネに看破かんぱされてしまったが。


「んな講釈より、早く風呂に入りたいわ」

「……俺が馬鹿だったよ」


 真似ごととはいえ、我ながら良いこと言ったのにと満足していただけに、クリューネの素っ気ない反応に、がっくりと肩を落とした。独り語りに満足して、一時忘れていた疲労感も再びのし掛かってきて、気落ちしたままリュウヤは足を運んだ。馬鹿なことを口にしたと死にたいくらいに後悔している。


「……?」


 不意にリュウヤの頭上から、岩石が落ちてくるような重い圧力を感じた。見上げると青い空に人影がひとつ浮かんでいる。


 ――……女?


 リュウヤが認識した時、女の右の拳に、白く光る複数の魔法陣が覆った。


「クリューネ!」


 リュウヤが叫んでクリューネを突き飛ばすと、リュウヤは鞘ごとルナシウスを抜き放った。

 その刹那、魔法陣に覆われた拳がルナシウスと衝突した。尋常ではない重い衝撃がルナシウスから伝わってくる。歯をくいしばって耐えながら、岩石という表現は決して誇張ではないとリュウヤは思った。


「ぐっ……!」


 受けたルナシウスの向こうで女、というより黒髪の少女は驚愕の表情を浮かべている。


「私の“神盾ガウォール”をまともに受けて耐えた……?」

「何だよ、お前は!」


 リュウヤはルナシウスを押し込むと、少女は弾かれたように後方に飛び下がった。猿のように身軽で鳥のように華麗だった。


「なるほど。神盾ガウォールを正面から受けとめても耐えられる人間離れした力、只者ではない。だが、本物か偽物かはまだわからない」

「コラァ!いきなり攻撃仕掛けてきておいて、何を言っとるか!」


 リュウヤに突き飛ばされ、ひっくり返ったままのクリューネが、黒髪の少女に向かって怒鳴った。

 そんなクリューネを少女が一瞥した。


「あなたは……、偽物ぽい」

「なんじゃと、コラァ!」

 少女の一言に激高したクリューネは、跳ね起きると両手に力を込め、いきなり少女に向かって電撃の刃を放った。


「私の雷鞭ザンボルガを受けてみろ!」

「……笑止」


 少女はニヤリと不敵に笑うと、今度は両拳に魔法陣を浮かべた。雷鞭ザンボルガが少女到達する瞬間、幾多の鞭のように襲いかかる雷撃が魔法陣の前に掻き消され、光の塵と化して消えていった。


「これが神盾ガウォール。防御こそ最大の攻撃」

「君はなんだ。俺たちに何の用だ」

「私は言った。本物か偽物かと」


 少女は軽く地を蹴ると、影が地を這うようにしてリュウヤへと迫った。嵐のような繰り出される連続攻撃に、リュウヤはルナシウスで弾き返しながら後退する。


「リュウヤ!」


 クリューネが助けに向かおうとした時、「待ちな」と、クリューネの背後に鋭利な感触と男のくぐもった声が聞こえた。


「お嬢ちゃん。ここは黙って……」

「やかましい!」


 クリューネは怒鳴ると同時に、背後の男にバックハンドブローを叩きこんだ。固めた拳は男のこめかみを打って、その一撃だけで昏倒させた。


「リュウヤめ。何故、剣も抜かずに反撃せんのだ」


 不審を抱いているのはクリューネだけではない。少女にもクリューネと同じような表情が浮かんでいる。


「剣を抜け、リュウヤ・ラング。お前の力を見せろ!」

「俺を知ってるのか。なら何故……」

「何度も言わせるな!」


 オーバーハンド気味に放ったフックはリュウヤを捉えることが出来ず、道に巨大なクレーターをつくっただけに終わった。間合いをとり、土煙の中で静かに佇んでいる。既に少女は肩で息をしていた。反対にリュウヤは呼吸をひとつも乱していない。


「何故……、本気でこない。リュウヤ・ラング」

「君が本気じゃないからな」

「……」

「殺気がない。そんな相手に剣は抜けないよ」

「私の服を斬ったくせにの」


 クリューネの呟きを、リュウヤは聞こえないふりをした。


「もういいだろう。盗賊でもなさそうだし、目的はなんだ」

「……良くはない」


 少女はキッと鋭くリュウヤをにらんだ。

 遊ばれた。手を抜かれた。プライドを傷つけられた。そんな表情をしている。


「あなたの本気が知りたい。殺気がないと言うなら、今度はあなたを殺すつもりで……」

「おい、よせ馬鹿」

「……くだらんな」


 少女とリュウヤの間にクリューネの声が割って入った。

 クリューネはいい加減、うんざりしていた。怒っていた。

 山越えして疲れているというのに、何故かくだらない連中に絡まれている。しかも偽物呼ばわり。

 そんなに本物の本気がみたいなら、本気の力を見せてやる。思い知らせてやった方が手っ取り早いと、投げやりにも似た気分でいた。

 クリューネの身体を金色の光が包み込む。共鳴するように、大気が震え始めた。


「本物の本気の力を見せてやるわ」

「おい、まさか。おい」

「良く見ておけ。神に託されし竜バハムートの姿を!」


 リュウヤの制止する声も虚しく、カッと激しい光がリュウヤと少女を隠すと、クリューネの姿は人から巨大な生き物となって変質していく。


「これが、まさか……」


 少女は巨大な生き物のシルエットを、呆然と見上げていた。長い首、広い翼、鋭く尖った爪。少女の脳裏には物語で読んだことのある生物の名がよぎっていた。


「ドラゴン……」

“そうだ。我が名はバハムート。神託されし選ばれた竜”


 光が消えると、クリューネだったものは白い鱗に覆われた巨大な竜となって、少女を見下ろしている。押し潰されそうな圧迫感に、少女は息を呑んで見上げていた。


“詰まらぬ女よ。これが本物だ。次は本気の力を見せ……”


 バハムートの言葉が急に止まった。

 気がつくと、リュウヤがバハムートに向かって跳躍ちょうやくし、バハムートの眼前に迫っていた。鞘に納めたままのルナシウスを上段に構えている。リュウヤは勢いよくルナシウスを振りかぶった。


「バカヤロウッ!!」


 ぐわぁらり。

 ドゴォン。

 何と表現したものかわかりにくい轟音が、少女の耳に鳴り響いた。

 鐘同士が衝突したような音がもっとも近いだろうか。

 異様な衝撃音が大気を大地を揺らし、付近で息を潜めていた鳥や獣たちが驚いて一斉に逃げ去っていく。

“リュウヤ、何を……!”

 バハムートは頭を抑えながら、地面に倒れて苦悶してもがいている。


「バカヤロウ!こんなとこでバハムートになるんじゃねえ。何のために目立たないよう、苦労して山越えしたと思ってんだ。早く変身を解け!」

“しかし……”

「しかしもカカシもあるか。ボケッ!」


 あの伝説の竜が人間に殴られ、悶絶もんぜつし、叱られている。少女は目の前に繰り広げられている光景が信じられず、言葉を失っていた。

 リュウヤに叱られたバハムートは、金色の光を身体に帯び、小さくなってクリューネの姿に戻っていった。クリューネはしゃがみこんだまま、涙目になって頭をさすっている。


「酷いじゃないか。か弱い女の子に」

「都合の良いときだけ女の子になるな。バハムートて自覚持てよ。それに、魔王軍のお尋ね者だろ。なんでメキアで潜んでいたのか思い出せよ」

「……」

「周りを巻き込むことになるんだから、少しは慎重になれ」

「すまんかった。気をつける。」

「こういう時は、ちゃんと謝るもんだ。いいか、もうするなよ?」

「……はい、ごめんなさい」


 クリューネの瞳は涙で滲み、顔をくしゃくしゃにさせて鼻をすすり始めた。

 リュウヤはクリューネの前にしゃがむと、無言でクリューネの頭を優しい手つきで撫でた。


「それにしても、リュウヤだって酷いぞ。何も頭を殴らなくても」

「確かにやりすぎかもな。ごめん」

「ちゃんと、謝れ」

「……ごめんなさい」


 リュウヤが謝ると、クリューネは蚊の鳴くような声で「許す」とだけ言って、リュウヤにしがみついてきた。震えるクリューネの身体を、リュウヤはそっと抱き締めていた。


「ねえ、君」

「あ、はい」


 急にリュウヤからふられて、少女は姿勢を正すように背を伸ばして返事をした。


「これで、もういいかな。これ以上、お互い争っても良いことないし」

「はい……」


 少女はそれ以上の言葉が見つからなかった。

 圧倒的な実力差。

 自分とは別世界の存在。

 本気だの本物だの、ムキになってしまった自分が恥ずかしく思えてさえいる。

 それに。


 ――羨ましい。


 睦み合うような親密さを感じさせたリュウヤとクリューネの姿に、少女はそんな感情を抱き、そんな自分に戸惑っていた。

 自分もあの中に入れないだろうか、と。

 だが、わずかに残ったプライドが、少女を屈服や羨望せんぼうから免れさせた。コホンと小さな咳をした後、「いいでしょう」と言った。


「ひとつめの試験は合格。次は兄さんが、あなたを本物かどうか見定めます」

「兄さん?」


 私の兄です、と少女は言った。


「私の名はリリシア・カーランド。レジスタンス・リーダーのジル・カーランドの妹です」


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