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竜に喚ばれた男  作者: 下総 一二三
第15章「第二次グリュンヒルデの戦い」
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英雄集結

 プリエネルから放たれた“聖魂(カブロン)”の動きは滑らかで、向けてくる鋭い爪は猛獣の牙を連想させた。


“だが、あれは生き物ではないな”


 飛び下がりながら、バハムートは自身の“竜眼”で魔力の流れを追うと、プリエネルから発せられている。アルドの意思で操縦しているのだろうと思った。

 渦を巻くように、或いは挑発するように直線的に動く物体は、人工的に生み出されたものとは思えず、動物的な動きを見せながらバハムートの巨体へと迫っていく。ふんと鼻を鳴らした。


“まずは、追いかけっこからやってみるか”


 聖魂(カブロン)の指先から放つ閃光を、バハムートは巨体に似合わぬしなやかさでかわしていった。そのかわした光軸の幾つかは、地表へ落ち、至るところで猛烈な爆発を起こしていた。


「逃げろ!伏せろ!」

『うああああっ!!』


 プリエネルから放たれた流れ弾が地上に着弾し、吹き荒れる熱波と爆音とともに、大地は引き裂かれ、抉られた地面から大木のような土柱が無数に屹立する。兵士たちの悲鳴や絶叫が荒野と化したグリュンヒルデに満ちた。


“リュウヤさん、身体を縮めて……!”


 隠れていた岩場から飛び出し、リンドブルムはリュウヤを抱えたまま地表を滑空し、回復魔法を掛けながら閃光をかわしていた。竜の肉体でも、浴びればただでは済まない威力を秘めている。


「……“機神(オーディン)”ファフニールの尻尾と、似たような仕組みか」


 リンドブルムの身体と翼のわずかな隙間からプリエネルを動きを見て、リュウヤは双竜尾砲(ツインテール)と呼んでいた操縦者の意思で動く遠隔操作式の自動砲台を思い出していた。しかし、あれはケーブルのようなものと繋がっていたはずだ。プリエネルのそれは完全に分離している。

 巧みな連携攻撃に加え、間合いも動きもまるで違う。

 どうするつもりかとリュウヤはバハムートを追っていたが、放たれる無数の閃光がバハムートに襲い掛かっても、バハムートは哄笑を虚空に残して、交錯するエネルギー波を軽やかにかわしていった。


“ハハハッ!糞神様がいよいよご立腹かな!!”

“黙れ、逃げ回るだけの臆病者が!”


 いよいよ激昂したアルドの意思は、エクスカリバーを通して六本の聖魂(カブロン)に伝わり、その身をうねらせながらエネルギー波を四方に吐き出している。閃光の雨がバハムートに降りかかった。

 バハムートは閃光群を潜り抜けると急転回し、聖魂(カブロン)の群れへと突進していった。


“うらあああああっっっ!!”


 咆哮しながら拳を繰り出すバハムートの荒れ狂う姿は、まるで吹き荒れる嵐のようだった。

 英姿颯爽、鎧袖一触、縦横無尽とバハムートは猛然と腕を薙ぎ払い、蹴り砕き、噛み千切って一息に聖魂(カブロン)を粉砕して殲滅すると、そのままプリエネルに突進して躍り上がるよう飛び、肘うちでプリエネルをのけ反らした。


“な、に……!?”


 激震が結界内のアルドまで伝わり、その衝撃に堪らずプリエネルは後退した。バハムートは腕を組んだまま、悠然と佇立している。


“どうした。糞神様の力はそんなもんか”

“おのれ……!”


 アルドの歯噛みする声は、岩山の陰に身を潜めたリュウヤたちまで届き、リンドブルムは目を丸くしてバハムートを見上げていた。


“すごい速さ……。あんなに強いなんて”


 ムルドゥバで、バハムートの強さはわかっていたはずだった。しかし、今のバハムートのしなやかで大胆な躍動感はどうだろう。大空を滑空しながら縦横無尽に聖魂(カブロン)を打ち倒す姿は、リンドブルムに身体が震えを起こすほどの衝撃を与えていた。ムルドゥバでの比ではない。


「今日はいつもと違って、思いきりやれてるな。悪い癖が出てない」

“悪い癖?”

「あいつ、考えすぎなんだよ……。力を抑え込んじまう」

“これまでや、あのムルドゥバの戦いでも、姫は手を抜いていたてことですか?”

「……そうじゃない。バハムートは力の加減が難しいらしい。周りへの被害や誤爆を怖れて、いつも判断に迷って行動が遅れる」

“……”

「考えすぎて、クリューネはバハムートの力を使いこなせていないことが多いんだよ。でも、今は動きを制約するものが無い空間だ。のびのびやれてる」

“ムルドゥバでも間近で見てましたけど、あんなに凄いなんて……。そりゃ、リュウヤさんと比べたら失礼ですけど”

「こんな時に社交辞令はよせ」

“何言ってんですか。本気ですよ”


 竜顔のまま、リンドブルムは表情をほころばせた。その瞳は人間の少年のように輝いていた。

 嵐のような剣舞。

 ここぞという時の頼もしさ。

 圧倒的な存在感。口では三分だけと酷なことを言いつつも、自分の姫がリュウヤを頼りにするのもリンドブルムはわかる気がした。誇り高き竜族であるから口にはしないが、リンドブルムもリュウヤに尊敬の念を抱いていた。

 魔王軍に襲撃され、戦火に焼かれた故国バルハムントの光景は今もリンドブルムの心に深く刻まれている。

 リュウヤのような力と勇気のある者がいれば。

 だが、リンドブルムの想いと裏腹に、一方のリュウヤは笑みともいえない複雑な顔をして、眩しそうにリンドブルムを見つめていた。


「……神竜が人間の俺程度じゃダメなんだよ。あいつは俺やルシフィ、ゼノキア、プリエネルなんかより……、本当はもっと凄いはずなんだ」

“あれでも、真の力を出してないてことですか”

「バハムートになって、自分の能力を試せる機会があったら、違っただろうけど……」


 言いながらもリュウヤは、その機会をつくるのは難しいだろうなと思っている。

 バハムートは短い制限時間に加え、変身を解いて二日間は使えなくなる。岩山のような巨体では目立ってしまう。これまでお尋ね者として暮らしてきたし、世情不安定な世界で練習のために使うというのは、得策ではないというより危険と言った方が近い。

 セリナを救うために、ムルドゥバから王都ゼノキアに潜入するまでの一年余りの旅でも、一度もバハムートになっていない。魔王軍に足取りを知られないためだ。バハムートはあくまで最後の切り札であって、数年前にクリューネが竜言語魔法の習得と魔力の強化に努めたのも、安易に使えるものでないからだ。


「それでも、今日はよくやってる」


 リュウヤはそれだけ言うと、リンドブルムの腕の中から地面に降りた。だが、疲労した身体では足に力が入らず、立ちくらみがして途端にその場に座り込んでしまった。怪我は全快したものの、体力まで回復しているわけではないのだ。

 喉がひどく渇く。水が飲みたいと思った。


“リュウヤさん、無茶しないで”

「……済まないけど、水、無いかな」

“すみません。竜族は人間の姿なら少量の飲食で済むから、何も持ってなくて……”

「そうかあ……」


 笑うしかなく、ぼんやり辺りを見渡すと、上半身だけ残ったムルドゥバ兵の脇に、連射式の魔弾銃が一丁落ちている。リュウヤは這うようにして銃まで行くと、銃から冷却水を外してガブガブと飲み干した。


“リュウヤさん、そんなので大丈夫なんですか”

「良いんだよ。戦場では別腹だ」


 それに冷却水といっても、リュウヤの世界ほど工業製品に特化したものではない。自然エネルギーの魔法が基であるだけに毒性は少なく、困った時の飲み水代わりに飲むのはリュウヤだけではない。死体が浮かぶ川の水よりはるかにマシだ。

 すべての水を飲み干すと、リュウヤは小さく息をついて岩肌に寄りかかった。スッと目を閉じ、そのまま寝入ってしまうのではないかとリンドブルムは思った。


「……ティア君、頼みがある」


 ぐったりしたまま、リュウヤが小さな声で言った。鼻息荒く、リンドブルムが顔を近づけてくる。獣臭い息がリュウヤの顔を覆った。

 焦んなよと、息巻く竜の顔につい苦笑いしてしまう。


“なんですか?”

「弥勒がその辺りに落ちているはずだ。悪いけど、探しにいってくれないか。まだ動けないんだ」

“あ……、はい!”


 リンドブルムは背を伸ばすと、粉塵立ちこもる戦場へと消えていった。粉塵が届かぬ上空では、バハムートとプリエネルの対峙する姿がはっきり見えるのに。


「三分か……」


 バハムートに許された時間、しっかり身体を休ませようと、リュウヤは深く深呼吸をしながら、冷たい岩肌に身を沈めた。ただ、意識をバハムートとプリエネルの動きだけに集中し、他は一切の騒音が遠くなっていった。


  ※  ※  ※


“どうした。貴様の聖魂(カブロン)どもは、あっという間に粉微塵だ。それが貴様の奥の手かな”

“素晴らしいな。クリューネ君は”


 しばらく無言の行が続いた後、パチリパチリとプリエネルの中から手を叩く音が漏れた。淡白で気のない拍手で、バハムートにはむしろ挑発しているように思えた。先ほどまで怒髪天をつく勢いだったのに、豹変したように余裕を持つアルドに、バハムートは内心戸惑いを覚えていた。

 エクスカリバーがシステムを切り換えるために、わずかな間隙が生じてアルドの思考が冷静さを取り戻したのだが、アルド本人も気がつかない。


“……バハムートと呼べ”

“失敬。バハムート君の力は素晴らしい。魔王ゼノキアを始め、魔王軍が恐れたのもわかるな”

“なら、次は貴様を恐怖のどん底に叩き込んでやるぞ。糞神”

“さて、どうかな”


 バハムートの挑発を、アルドはあっさりと受け流した。


“君はあっさりと私の聖魂(カブロン)を倒したが、かといって飾り物じゃないのでね”

“……?”


 訝しげに見つめるバハムートの視界に、キラリと光るものがあった。小さな破片。気がつくと、白銀の欠片が雪のようにバハムートの周囲を舞っていた。


『クリューネさん、逃げて!』


 ルシフィが怒声を張り上げ、バハムートに突進しようとしたが、アデミーヴが素早く回り込み行く手を遮った。掲げた手のひらからいきなり強力な熱波を放ってルシフィを退けると、そのまま火を噴きだしたような猛攻に、ルシフィはさらに後退しなければならなかった。


“ルシフィ!”

“姫王子より自分の心配をしたまえ!”


 アルドが吼えると、光の塵がバハムートを囲むように集結を始めた。数秒にも満たない速度で、聖魂(カブロン)が再び形成されはじめている。


“忘れたか!私には、自己修復できる力があるのだぞ!”


 哄笑とともに聖魂(カブロン)が再生し、それぞれ一体ずつがバハムートの四肢と首に絡むと互いに繋がり、一本の縄と化して竜の巨体を拘束した。爪が深々と肩や腕、足に食らいつき、噴き出す鮮血とともに焼けるような激痛が全身を駆け抜けた。吼えるようなバハムートの絶叫が、グリュンヒルデに(こだま)した。


“ぐ……ああ……!!”

“バハムートの肉体にも、これは通用するようだな。。それなら、これも通用するだろう”


 残る一体の聖魂(カブロン)が、菱形の鋭い指先を揃え、先端から魔力の刃を形成した。


“姫様!”


 弥勒を探しにいったはずのリンドブルムの叫びが空に響き、リュウヤが空を見上げると猛然と突進するリンドブルムの姿が見えた。


「よせ……、ティア君……!」


 だが、リュウヤの口からは掠れた声が洩れただけだった。リュウヤは飛翔しようとしたが、リンドブルムがプリエネルに攻撃を仕掛けるのが先だった。

 サンダーブレスがリンドブルムから吐き出され、プリエネルに直撃したかに見えたが、プリエネルは魔法陣を張ってあっさりと弾くと、猛然とした勢いでリンドブルムに殺到し、眼前にミスリルの掌を掲げていた。手のうちから強烈なエネルギーの光球が生じている。


“温いな。リンドブルム”

 アルドの冷厳な声が響いた。エネルギー波がリンドブルムに向けて放たれると、爆火が天を焦がし、次の瞬間にはリンドブルムは叩きつけられていた。


“う……”

“ふむ。温いと言ったが、訂正しよい。今の反応はなかなかのものだな”



 プリエネルのエネルギー波がリンドブルムを呑み込もうとした時、咄嗟にサンダーブレスを放っていた。それがバリアの役割となり、それがリンドブルムの一命を救っていた。だが、リンドブルムは全身を強く打ちつけ身動きができそうもない。


“さて、邪魔が入ったが次は君だ。バハムート君”

“ぐぬ……!”


 バハムートは身体に力を込めようとしたが、聖魂(カブロン)ひとつひとつが繋がり、力を入りにくくさせているようだった。それに身体に食い込む牙は想像を絶するような痛みがあるはずだ。


「くそ……」


 ルシフィはアデミーヴに阻まれ、助けに行けそうもない。リュウヤは“鎧衣紡(プロメティア・ヴァイス)”の予備の魔石をポケットから取り出すと、空になった魔石と交換した。最後の一個のはずだと思うと、その身に震えがはしった。勝つか負けるか。いずれにせよ、終わりに近づいている。


 ――せいぜい一撃か。


 その一撃も撃てるかどうか。

 剣ならリュウヤの近くに、兵士の死体とともに幾つか転がっている。しかし、“天翔竜雷(アマカケルリュウノイカズチ)”の高エネルギーに耐えられる剣など滅多にない。“弥勒”も水心子正秀作の名刀ではあるが、実質はただの鋼の剣でしかない。しかし、膨大に増幅した魔力をコントロールする気の伝導力がまるで違う。

 その剣と合うかどうかは一本一本試してみるしかないのだが、今はそんな悠長にしている暇はない。

 手にした雑刀に全てを懸けるしかなかった。疲労した身体には、剣から伝わる重さが堪え、馴染みのない感触がひどく頼りなく思えた。


「待ってろよ……。クリューネ!」


 気弱くなった心を奮い立たせようと、大きく深呼吸しながら見上げた時だった。


『喰らえ……!“真空岩投掌(タタミガエシ)”!!』


 銅鑼を鳴らしたような大音声がグリュンヒルデに響き渡ったかと思うと、暗い空を巨大な物体が唸りをあげて過るのを見た。


 ――岩……か?


 岩というよりも、平らな硬質の物体は岩盤と呼んだ方がこの場合は適切だろうか。ぐるぐると旋回しながら岩盤は一直線にプリエネルに向かい、激突してプリエネルの機体を大きく揺らした。


“な、なんだ!?”


 魔力には敏感だが、あまりにも原始的な攻撃に反応が遅れ、巨大な飛来物をまともに受ける破目になったが、次に迫る熱波には敏感に反応して素早くかわしてみせた。


“見かけによらず素早いのねえ。アズにゃんの真空岩投掌(タタミガエシ)をもろに喰らったから、イケると思ったのに”

“アズにゃん言うな”


 聞き覚えのある甲高い中年の声とが野太い男の声がバハムートの耳に届いた後、続いて怒声が虚空を揺るがした。


“情けないぞ、神竜バハムート!無様な様を、いつまで晒しているつもりか!”


 わずかに動く首を動かし、声をした方へと視線を向けた。その姿にバハムートは目を見張った。生き残った兵士たちも目を疑っている。

 魔装兵(ゴーレム)の腕を武器に、暴獣ベヒーモスにまたがる巨漢、純白ドレスに身を包んだ化粧の濃い細身の男が小高い丘の上に並んでいる。


 猛将アズライル。

 魔導士ミスリード。

 魔王軍二大軍団長の登場に、ムルドゥバ軍も魔王軍もどよめきを起こした。


“お前ら、何故私を助けに……”

『助けたわけではない。この大事な戦を、滅茶苦茶にした白銀の鎧が気に入らんだけだ』

“時代遅れの虫けらが!”

 アズライルの言葉にに被せるように、アルドの怒号が大気を震わせた。発した怒りの感情をエクスカリバーがプリエネルの機体に伝わり、高エネルギーを指先に発生させるが、逆流してきた怒りの感情がアルドの脳を強烈に刺激し、爆発したように怒りが沸点に達していた。


“有象無象の悪魔どもよ。消え去るがいい!”


 吼えるプリエネルの右手に鉄製の矢が刺さり、続く雷撃が矢に衝突して、猛烈な爆発を起こした。プリエネルの右手が粉砕され、爆風とともにミスリル片が散った。


“初めてにしちゃ上手くいったな。シシバル”

『ジルにしちゃなかなか名案だ。伊達に禿げていないな』

“違う。俺は額が広いと言ってるだろ”


 アズライルたちの反対側、荒野の果てから砂塵を巻き上げる片腕の魔装兵(ゴーレム)と、肩に乗る一人の男。爬虫類のような腕には、長弓を把持していた。


“……シシバル、ジルもか。君たちも悪魔と成り下がったのか”


 次々に悪魔に与する光景に、アルドの怒りは頂点を越え血走った目でアズライルやシシバルたちを睨み付けていた。わずかに残った理性が、バハムートをはやく始末しろとアルドに囁き、急いでアルドは思念を槍と化した聖魂(カブロン)に集中させた。バハムートを始末すれば、警戒すべきはルシフィのみ。それもアデミーヴがよく対応している。

 アルドが聖魂(カブロン)をバハムートに突き立てようと時だった。突然、上空から閃光が流れ、バハムートに狙いを定めていた聖魂(カブロン)が砕け散った。ミスリルの破片が散り舞う中、一人の女の後ろ姿があった。ミスリードと同様の白いドレス姿。翼を生やし銀色の髪をしている。バハムートは、その後ろ姿に一種の懐かしさを感じた。


「……シシバルや兄さんたちを悪魔呼ばわりするなら、私も悪魔になる」


 芝居じみたことをぬかすと、全身に激痛を感じながらもバハムートは思わず噴き出してしまった。

 王都ゼノキア潜入やアメリカでの対エリシュナ戦にムルドゥバの戦い。なかなかに美味しいところを持っていく。姿形がいささか変わっているが、今日も“切り札”なところは変わらないと可笑しく思えた。


“さすがに、リュウヤから「最後の切り札」と言われただけはあるな。登場の仕方もなかなか堂に入っている”

「似合うでしょ」


 小柄の女――リリシア・カーランド――は、紅い瞳でバハムートを一瞥すると、無表情のまま力強く親指を突き立てた。

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