蒼白乙女
前話の炎華舞乙女に続く作品になっております。
今回の蒼白乙女は前話炎華舞乙女を先にお読みください。
それでは蒼白乙女お楽しみ下さい。
驚愕
雫は入院する事になった、俺は先生と一緒に医師の話を聴いていた。
俺は最初、医師と先生に雫がこの状態になる前に何が遭ったのか説明した、そして雫の彼女の身体は大丈夫なのか、今彼女の身体はどういう状態なのか尋ねた。
医師は「診た結果彼女の身体は‥正直君が言った様に少し前まで意識があり謌い舞ってなんて有り得ないとしか言い様がない、そもそも生きて居ること自体が有り得ない様な身体だ。」と言った。
俺は「それは一体どういうことなんですか、生きて居ること自体が有り得ないなんて。」と噛み付く様に言った。
医師は「私も驚いたが一番の理由は心臓だ、一分間に6回しか鼓動が聞こえ無かった、二番目は彼女の身体中の筋肉がほとんど壊死して使い物に成らなくなっていた普通なら動かすことが不可能なぐらい壊死していること、三番目は体温が異様に低いことだな31℃を下回っている。まあ君は抱き抱えた時焦っていて、そんなこと気にして居る余裕が無くて気が付かなかったんだろうけど。」と説明してくれたが先生は説明してもらっている間何か考え事をしていたようだった。
俺は医師の言葉を聴き驚いた、自分が寮で同じ教室で生活していた彼女は確かに自分の足で歩き行動していた確かに彼女の身体は動いていた其れなのになぜ?どうして?と。
そして医師は言った今の状態は彼女は衰弱しまた血液が足りていない状態だ、それ以上は彼女が意識を取り戻さない限り何とも言えないと。
雫の今の状態を聴き俺は先生と医師に雫の彼女の病室に行きたいと、行かせて欲しいと、言った。
出来るなら俺は雫の傍に行きたいと思った、自分に出来る限り雫の支えになりたかった。
何故なら抱き抱えた時凄く軽く細くて儚げだった、力を入れたら簡単に壊れて仕舞いそうなほど華奢だった彼女の為に何かしたかった。
俺は記憶に残るあの時の様に苦しく悲しく悔しい思いはしたく無かった、誰かを犠牲にして自分はのうのうと笑って幸せになんて成りたくない、もう二度とあの日のあの時の様に後悔する事がないように。
もう誰も喪わなくて済む様に、もう誰も傷付け無くて良いように
その意志を伝えると医師は「構わんよ、行っておいで傍に付いていてあげな、私達は後から行くから、取り敢えず今日は泊まってくか遅くまで彼女の傍に付いて居る積もりならな。」と優しく微笑みながら言ってくれた。
其れを聴き「有り難う御座います!」と言い飛燕は駆けていった。
病室にて
〜ガラガラ〜
彼は雫の横たわったベッドに近付いたそして横たわる青白い彼女の手を握り祈って居た、彼女の意識が戻りますように、また彼女の声が聴けますようにただただ彼女の回復を祈って居た。
「クソ‥何でなんだよ、どうして俺はまた‥何も出来なかったんだよ…どうしてこんなことに成っちまったんだよ…どうして‥どうしてなんだよ、頼む‥戻って来てくれよ…目を覚ましてくれよ…お願いだ置いてかないでくれよ‥逝かないでくれよ…目を‥目を…開けてくれよ。」後から病室に入ろうとした先生と医師の耳に入ったのは彼の悲痛の声だった。
入りずらかったのか先生と医師は病室の入り口の扉の近くにある椅子に腰を掛け病室には入らなかった。
彼が彼女の病室に入り三、四時間がたった頃彼の声が聞こえなくなった気になった二人は病室の扉をそっと少し開け中を覗いたら彼は彼女の横たわったベッドに彼女の手を握った状態で臥せて寝ていた、医師は彼に掛ける為に毛布を一枚持って来るように看護師に指示し、先生は時計を見て「もうすぐ二時が寝てしまっても仕方無いか。」と言った。
作者の
紅月アリアで御座います。
今作蒼白乙女はいかがでしたか?
次回
緋舞血桜
~封記解放~
現在執筆中に御座います。
また何処かでお逢いしましょう。
最後に成りますが拙著ですが読んで頂き有り難う御座います。
それでは失礼させて頂きます。