紅染白夜
差別され異端とされ意味嫌われていた少女雫と能力が強いため裏の任務に携わる少年飛燕の出逢いの話しであります。
少女と少年の出逢い
あの日、あの夜は月が綺麗だった。
満月だったあの日の夜、俺は依頼からの帰りに酷い血の匂いに歩みを止め、血の匂いと人の気配のする方に静かに歩み寄り無造作に転がった三、四人の三、四十代ぐらいだろうおやじの遺体が目に入った。
そしてその奥にもう一人居ることに気が付いた、自分と同じぐらいの綺麗な少女が居た。
服装は酷く乱れ、色が白い肩や腹、大腿の付け根まで丸見えになっていた。
また服、顔や手に血が付きすごく悲しげな苦しそうな表情で、庇護欲を掻き立てられてそのままの姿で居させたく無くて俺は少女に歩み寄ろうとした、そうしたら少女は俺の気配に気付いたようで、怯えた様子で少し後退りしこう言った「…私に…近寄らないで、…私に…触らないで。」怯えながらもしっかりと意思のある声で言った。
それを聞いた俺は「俺の名は飛燕、名は知らないがそのままの服装で居たら風邪をひいてしまう、俺はあんたを傷付けない上着を渡したいだけだ、怯えなくていいんだ。」そう言った、そうして少女に近づき白い肌が出ている場所を隠す様に少女の身体を包み込むように上着を掛けた。
少女は「あ‥ありがとう…ございます…私の‥名前は…雫と‥言います」とお礼と自らの名を名乗った。
これが俺の記憶に残る少女雫との出逢いだった。
作者の
紅月アリアで御座います
拙著を読んで下さり誠に有難う御座います。
執筆等は龜の様に恐ろしく遅いですが、一人でも興味を持って読んで頂ければ幸いです。
では緋舞血桜~紅染白夜~はこれにて締め括らせていただきます。
次回
緋舞血桜
~炎華舞乙女~
執筆が終わり次第投稿させて頂きます。
これにて後書きを締めさせて頂きます。