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輝け!青山高校合唱部【2次BL】

作者: 川野譜
掲載日:2026/11/04

【プロローグ】

合唱部の幽霊部員である副部長内田が、部活の金を持ち逃げして居なくなった。皆がコツコツ持ち寄った◯数年の金が根こそぎなくなったあとで部長の川谷が蒸発する。次に部長に指名されたのは米津だった。米津は、田村に合唱のリード部分ををやれと言うが、田村は自信がない…そんな折、田村を助けてくれたのは部員である桜井だった。毎日田村を励ましてくれる桜井には、ノーマルな彼女がいて全校生徒からは憧れの対象として見られていた。一方で米津はホモという噂があり、部員の一人といつも仲良くしては桜井と田村に辛く当たるのだった。




ーーー


内田と川谷はこの部を潰そうとしているようだ。二人が金を持ち逃げした挙げ句、部員が毎日怪我をするようになった。次回の大会は危うい…そんなとき、桜井が「部活を辞める」と言い出す。せっかくここまで漕ぎつけたメンバーは苦しみ、悩み出す。そこに、部員の諫山が現れる。「諫山、辞めたはずじゃ…?!」喧嘩はありながらも、皆で迎え入れる。そこで、川谷と内田が、自分の仲間を連れて来て部活動をめちゃくちゃに潰そうとする。


諫山は米津の不可解な態度を責めながらも、川谷に一番辛く当たる。二人のケンカのお陰で、桜井もやる気を取り戻したようだ。


部活は立ち直った。それも、櫻井の腕力のお陰で。桜井に尊敬の眼差しが集まる中、田村も櫻井に「いつもありがとう」とバレンタインデーのチョコを渡す。桜井はそれを受け取るが、米津を見る視線を諫山は見逃さなかった。


入り乱れ始めるホモたち。田村には、実は昔から仲のいい親友がいた。七田に合唱部に入るように言いにくる田村。そんななか、桜井よりも通る声で歌い出す七田…。


「この、声は?!」


皆の視線が集まるが、七田はそれ程欲がない為に櫻井、米津の視線がどうしても気になりそれ以来歌うことをやめた。諫山は、ホモの田村の気持ちを確かめるために先日の米田と櫻井のことを告げにくる。


「米津が好きなやつ知ってるか。」


「えっ…。」


「実はあいつら、付き合ってるらしいぜ。」


米津の思い人は別に居たはずじゃ…?!


部長である米津の振る舞いに不信感を持ち始める田村は、練習にあまり出なくなって行く…。


部室がめちゃめちゃになっている?!


部員がドアを開けて入るとそこには、廃墟があった。一人で黙々とそれを片付けている米津の姿がある。


自然と、米津を責め始める声が高まる。


「…オマエ、部長なのに何でそんなことするんだよ」


先に声を発したのは、田村だった。だが米津は答えない。田村は、部室を出ていってしまう。仕方なく片付ける諫山と七田だが、暫くして時間になっても櫻井が来ないことに気がつく。


「あいつ、彼女がいるけどホモっていう噂もあってさ…」


「知ってる知ってる。あいつ、足が速いやつが好きなんだよ」


「田村とかなー」


無言でそれを聞いている米津。


やっと、片付けが終わった。もう部活動の時間は終わりそうだった。


「結局これ、誰がやったんだ」


「…」


そう言いながら、机の上を最後片付けている諫山が目にしたのは、ビリビリに破られた米津の予定表ーーー


「まさかお前じゃないよな…」


それを知らない七田が聞くが、米津は「なわけないだろ」としか答えない。


諫山(犯人は米津じゃない。誰が…)


桜井が練習するのを皆で聞いている。


「やっぱり、櫻井さんうまいよなー。」


「ああ。テノールを任せたら櫻井さんの右に出るものは居ないな。次回の大会は櫻井さんで決まりだな」


(はあ…やっぱり、自身が待てない。何でこんな普通の俺が…)


肩を落とす田村。それに、声をかけてきたのは珍しく米津だった。


「お前、元気出せよ。お前が歌わないと俺はやる気出ねえんだよ。」


米津が部員に声をかけるのはこれが初めてだったかもしれないーー奮い立つ田村は、それ以来練習を頑張るようになった。はりきって七田にも声をかける田村。


「七田も頑張れよ。歌い方だったら皆に負けてないんだから…」


それを、米津が聞いていた。米津は、田村からふざけて「お前は好みじゃない」と言われたあとで、櫻井に声を掛けられる。その夜遅く、二人でファミレスへ向かった。


米津は、あの部室で暴れたのは内田と川谷なんじゃないかと桜井に持ちかける。それから、かつて仲がよかった桜井は何か知っているんじゃないかと聞く。とぼけて、上の空のように見える櫻井を米津が責め立てた。だが櫻井は開き直る。


「お前、真面目にやりすぎだぞ。大会に力入れすぎ何じゃないか…田村を指名とかして、しゃしゃり出て来てさ」


「真面目にやるのあたりまえだろ」


「何でだよ…こんな、遊びみたいな部活」


「遊び…?何、言ってんだよ。皆でやっとここまで…」


「おれ、最近彼女と上手くいってないんだ。…お前は?」


「え?べつに…」


「どうせ、言い寄られて適当に付き合ってるんだろ。」


桜井が上目遣いで米津を睨んでくる


「オマエには、関係ないだろ。」と米津。


だが、言うことを聞かないなら部室をめちゃくちゃに壊すと言われた米津は、それ以来ホモの秘密を抱え込んで行く…


※実は、リーダー各の櫻井を筆頭につるんでいたのは内田、川谷で、恨みと嫉妬を募らせてはメンバーを嫌がらせしていたのだ。


不本意ではあるが、米津は諫山に相談してみる事にした。その場では解決するように振る舞ってくれた諫山に米津は感謝を告げるが、諫山にはある野望があった。もともと合唱が得意ではない諫山、新しい部活動を立ち上げようと裏工作をしていたのだ。合唱に情熱を持つ米津はまたしても孤独感を募らせる…。


そんな折、既にホモ済だった米津は不意に、田村と出くわす。川谷と内田が攻撃の的にしていたのは合唱で指名された田村だったが、実はこれは裏に櫻井がいて田村を虐めてみるように仕向けていたのだ。


そのため他メンバーに不信感を持ち始めていた田村は、多分部室を壊したのは米津ではなかったのではないかと話を持ちかける。すっかり機嫌を直していた田村は、米津がいつもよりも弱々しく見えたので言われたのと同じように励ましてみるが、


米津が急にしなだれかかってくるーー


「ごめん。俺、ホモじゃないんだ」


「でもオマエ、七田と仲良かったろ。」


「あれは…自分でもよくわからないんだ。」


しかし、二人別れた先に、櫻井が待ち受けていたーーー


嫉妬に狂う桜井が、再び部室で暴れ出す。「やめろ!」米津が言うが、聞こえていない。またも米津のロッカーをぐしゃぐしゃにし始める櫻井を見て、米津はもう二度とここへは来ないと決めて外へ出ようとする…そこに現れたのは諫山だった。


「やっぱり、オマエじゃなかったんだな。あいつが前もやったのか。」


諫山が、米津を睨む。


「オマエ、なんで皆に言わないんだよ。


これは、お前だけの問題じゃねえんだよ。


あいら、エスカレートして、部員とかも襲ってるの知らないのか」


米津はそれが、田村の事だと直ぐに思い当たったが、いろんな事で混乱していた為に何も言い返せない。


それを見つめる諫山…


「オマエ…臆病になってんじゃねえのかよ」


「…」


「自分が選んだこと、否定された、って思ったんだろ。最後まで信じれないのかよ…」


米津がそれを聞き、泣き崩れる。


米津の胸をぐーでパンチする諫山。


「お前のこと、そんなに好きじゃないけどな。けどアイツら全員より、やってることマシだよ。」


そして諫山が、部室に火を放ったことでこの件は終わった。


怪我をした桜井は、目撃者である米津と諫山によって全てを櫻井がやった事と告げられ、学校を去ることになった。


プロローグ〜その後、合唱にて


七田が歌い終わり、生徒たちから拍手が巻き起こる。


「合唱、よかったな」


「うん。七田さんを指名したのって、米津部長なんでしょ?」


米津は指揮棒を下げた後で、生徒に向かってお辞儀をする。


「ふー。緊張したけど、色々ありがとう」


田村は、部長の米津に向かって言う。


「うん…よかったよ。やっぱり、俺はオマエの歌い方がいちばん好きだな」


「それ、桜井さんにも言われたけどさー。俺、自分の声とか全部イヤなんだよね。他の人の方がずっといいのにさ…」


米津が、喋っている途中で、田村を抱き締める。「…?!」


「オマエ、何も知らないんだな…」


あのとき立ち会っていた以外の田村ほかのメンバーは、櫻井が放火犯だったことを知らない。皆がまだ、櫻井の勇姿を信じているーー


「オマエこそ」


田村がそう言って、笑った。


ーおわりー

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