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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第一章 終わりに向かう二つの世界【第一部1】

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1-90 NAROとのゲリラ戦

 バババババッ!


「シャッ!?」

「何の音ダ!?」


 先に出たヒョウスベさんは単騎突入してNAROと交戦を始め、今まで生きてきて聞いた事がない雷の様に大きな発砲音にディーパたちは恐れをなしてしまう。あまり時間はなさそうだからさっさと終わらせるとするか。


 NAROとの延長戦に使う得物は無論M9の一択だ。


 刀は刀でメリットもあるが、やはり弾数無制限のマシンピストルには勝てない。位置取りを間違えずに不意打ちから一気に決めればさほど苦労せずに勝てるはずだ。


 銃での戦いは最初の位置取りの段階から始まる、というよりもそれで決まると言っても過言ではない。


 マップ機能の優れている点は敵の位置だけでなく周囲の地形から内部の構造まで完全に把握出来るという事だが、これは本来途方もない時間と叡知と金をつぎ込んで開発された軍事衛星なんかよりも遥かに優れている。


 俺は息を殺して廃墟の建物に隠れ、マップを見ながら瞬時にどこから攻撃するのが正解なのかを見抜き、どのように移動すれば生存出来るのか無数の選択肢の中からシミュレートする。


 これは実戦だ。失敗すれば当然死が待ち受けている。だが焦る必要はない、生き残るために冷静になれ!


 ヒョウスベさんと交戦する部隊への援護に向かったのか、銃を持ったNAROの隊員達が付近の裏通りを素早く移動していた。


 ただこちらからの反撃は想定していないのか背中は無防備であり、これならばいくらでも不意打ちは可能だ。


 リスクはあっても今は果敢に攻める時だ。俺のすぐ隣を通過した瞬間に入口から飛び出てフルバーストするつもりで引き金を引けばいい。さあ、もうすぐ、今だ!


「ッ!?」


 建物内部から飛び出した俺は引き金を引いて一瞬でNAROを無力化、彼らは反撃する間もなくぐっすりと眠ってしまう。


 これが実際の戦いならば単騎で小隊を全滅させるというなかなかの戦果だが、銃声のせいで敵は俺の存在に気が付いてしまっただろう。


 しかしこれも想定通りだ。俺は近くにある廃墟の内部に移動、敵を迎撃する態勢に入った。


 この建物はかつて気球にまつわる展示を行っていたのか、ボロボロのミニチュアや壊れた気球の模型が数多く見受けられる。


 俺がこの場所を選んだのは戦うのに適していると判断しただけで、狙ったわけではなくただの偶然だが何とも因縁めいたものを感じた。


 ただ感傷に浸っている暇はない。俺は急いで階段を駆け上って二階に移動、タイミングを見計らってすかさず一階に猫弾Cボムを放り投げた。


「ぐあ!?」


 敵も警戒はしていたのだろうが気付いた時にはもう爆弾は爆発していた。敵の動きがわかるからコンマ一秒単位でタイミングを合わせられる。全くマップ機能様様だ。


 もっとも俺ならばこのようなものに頼らずとも最適なタイミングで爆弾を投げられただろう。俺は演習やシミュレーションにおいて無傷で生き残り、敵を強力殺さない様に行動する訓練を常にしてきたからだ。


 その理由はもちろんひたすら逃げて生き延びるためだが、何も知らない周囲は殺さない事が求められる潜入ステルスミッションの達人だと称賛していた。


 本音を言えばこの技術を一生披露する機会がなければそっちのほうが一番よかったけど。


 逃げながらコンクリートの破片を明後日の方向に投げてワザと音を出し、敵が気を取られている隙に不意打ちでM9をズドン。古典的な手段だがいつでもどこでも使える便利な攻撃だ。


「よっほっは」


 続けて別の部屋に移動した後はスポーツ番組宜しく剥き出しの鉄筋を掴んで高所に昇り、追いかけてきた隊員が俺の姿を探している所に弾丸をバラ撒いてと。


『お、案外余裕じゃん。君も結構人外だね。流石は特待生』

「話しかけるな。考えない様にしているだけだ。心臓は滅茶苦茶バクバクいってる」


 まれっちは華麗に敵を撃破する俺を茶化すが、実の所彼女が声をかけた瞬間心臓が止まりそうになってしまった。


 周囲の敵は一掃出来たけど、頼むからいきなり話しかけないで欲しいものだ。

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