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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第三章 果てしなき大地、気高き欲望を持つ変革者達【第一部3】

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3-35 シシブタの納品と、善人成金領主キンデルの噂その2

 大量の支援物資を荷車に積み込み、牛車を運転するマタンゴさんズはルンルン気分で避難所に到着、俺は忘れずに物資と一緒に大量のシシブタをもふもふ君に渡した。


「よいしょっと、これで最後ですね」

「わあ、ありがとう。りっぱなシシブタだねー。いそいでベーコンやほしにくにしなくちゃ。でもよくこんなにたくさんはこべたね?」

「ハハ、まあはい」


 疑われない様にアイテムボックスから取り出さずに事前に出してから届けたけど、そのせいでかえって不思議に思われてしまった。


「でもこまったなあ。ほうしゅうはじょうげんがきまってるし……でもこんなにしてもらったのにおかねをださないのはわるいきもするなあ」

「いえ、別に俺はお金が欲しくてやったわけじゃないですし。それにボランティアですよね、これ」


 しかし本来の任務に加え、危険なシシブタの駆除プラス大量の支援物資を持って帰るという多大な貢献にもふもふ君は困ってしまったらしい。


「ううん、たしかにさいしょはほとんどタダばたらきだったけど、いまはボランティアじゃなくてこうきょうじぎょうだよ。みんなおかねがなくてこまってるから、すこしでもせいかつさいけんにやくだててほしいってキンデルくんがおかねをだしてくれたんだ」

「ふーむ、そりゃまた名君にも程がありますね」

「うん、キンデルくんはいいひとだよー。じまんのおともだちなんだー」


 もふもふ君はこのあたりを支配するキンデル領主をべた褒めした。元々友好的な種族だという事を加味しても、民衆からも慕われ信頼されている名君らしい。


 異世界転生モノでは成金貴族は大体悪役だが、キンデルはちゃんと上に立つ人間として相応しい振る舞いをしている様だ。もちろん俺達は異世界の支配者と対立しているので仲良くは出来ないだろうけど。


「でもかってにおかねはつかえないしなあ。ぼくのポケットマネーからだしておくよ」

「いやいや、そんないいですって」

「なんでだよ、遠慮せずに受け取っておけって」


 心優しいもふもふ君は身銭を切って報いようとしたけど流石にそんな事は出来ない。がめついリアンはやはりその決定に抗議したけど。


「ならこうしましょう。俺への報酬を復興支援に使って、代わりに不要なガレキでいいので大量に持って帰りたいんですが、出来ますか?」

「いいの? むしろこっちとしてはおかねをはらってでもそうしてほしいくらいだけど」

「いえ、俺達にとっては宝の山みたいなものなので。あと自前で運ぶ手段もありますのでその辺も気にしなくていいですよ」


 俺は妥協案でもふもふ君にそう提案した。ムゲンパレスの復興のために資材はいくらあっても困る事はないし、この案ならモッコスの復興の役にも立って一石二鳥になるはずだ。


「そっかー、ありがとー。きみはほんとうによくがないんだねー。りっぱだよー」

「ちぇー」


 これでも彼が一方的に損をしているだけだが、向こうもその提案を快く受け入れてくれる。エセナーゴ族ももふもふ君の優しさを少しは見習ってほしいものだ。


「ならせめてたきだしのとんこつラーメンをつくるからたべていってほしいな。ちょうどきみのおかげでシシブタがたくさんてにはいったし」

「あ、はい。それくらいなら」


 もふもふ君はにっこりと笑い追加の報酬を約束する。仕事終わりの空きっ腹にラーメンを食べるなんて最高にも程があるし、もちろん俺は了承した。

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