表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第三章 果てしなき大地、気高き欲望を持つ変革者達【第一部3】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

339/345

3-24 入手:じゅすへるの煙管

 リアンからお宝があると教えてもらい、アマビコと別れた俺達は続いて天主堂跡地を訪れた。


 こちらも長崎の歴史を語る上で欠かせない歴史的な史跡だが、劣化や蔦により趣のある廃墟へと変貌していた。


 吹き抜けになった屋根からは光が差し込み小さな一輪の白い花が咲いており、それはどのような宝石よりも美しかった。


 これが平和を願う人々の祈りによって咲いたものならば、これもまたかけがえのない宝に違いない。


「ほれほれ、こっちこっち。宝箱があったからさ」


 だが物欲にまみれたリアンはそんなものには目もくれず宝箱を目指した。まったく、ワビサビを感じる暇もないなあ。


「ふーむ、新しい時代の物だな」


 天主堂で彼女が見つけたその宝箱はSFっぽい機械仕掛けの見た目だったので、どう考えても昔からあるものではなさそうだ。


 もしも歴史を感じるゴシックなデザインなら躊躇していたがこれならば開けてもいいか。俺は管理者権限を実行、宝箱を開封する。


「何だコレ、煙管か?」


 宝箱の中には年代物の煙管があり、俺が詳しく確認する前にリアンは手に取った。


 こちらは普通に文化財になりそうなお宝だが教会って感じのお宝じゃない。キリシタン関連の史跡なら魔鏡とかマリア観音とかそういうのを期待していたんだけど。


「なあリアン、それ呪われてるっぽいぞ」

「うげ、マジ?」


 しかし鑑定スキルで調べるとなかなか禍々しい説明が書かれていたので、そう伝えると彼女は慌てて俺に押し付ける。


「『じゅすへるの煙管』かあ。じゅすへるって隠れキリシタン版のルシフェルの事だったっけ。天主堂にはぴったりなお宝だけど」


 このアイテムはそういう名前で、説明文には『カクレの伝承に出てくる中天ちゅうてん天使あんじょがしらが愛用した呪われた煙管』と書かれていた。


 思いっきり呪われているって明記されているが回収しておこう。魔物とのエンカウント率が上がったり金縛りで動けなくなりそうだけど、呪いバステを付与出来れば最高の武器になるかもしれない。


「うーん、そんなヤバいものならとっとと売らないか。罰が当たりそうだし」

「お前って罰とか気にするタイプの人間だったのか?」

「……言われてみれば確かにそうだな。よし、一番高値で買い取ってくれる場所を探してから売るか!」

「そのうち祟られて死ぬぞ」


 流石のリアンも最初こそ躊躇していたが、すぐに換金アイテムと認識して呪いのリスクをガン無視した。


 こういう手合いの奴がホラー映画で太古の悪魔を復活させたりするのだろう。だけど図太いリアンならなんだかんだで生き残りそうだ。


「―――――」

「?」


 だが天主堂を後にした時不意に煙草のニオイが漂い、天主堂の内部の様子をうかがうがそこには誰もいなかった。


 なんだろう、この妙にぞわぞわする感じは。空気がピリついているっていうか、寒気がするっていうか……。


 うん、気のせいだ。気のせい気のせい。呪われてなんかいない。


 俺は何も考えない様にして足早に去っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ