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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第三章 果てしなき大地、気高き欲望を持つ変革者達【第一部3】

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3-6 恩人達の想いを受け継ぎ、異世界編パート2開始

 ……………。


 ………。


 …。


 ベッドの上で目覚めた時、俺は静かに涙を流していた。


 ……どうせ夢を見るなら、楽しい想い出に浸りたかったんだけどなあ。


 俺はゆっくりと身体を持ち起こし、ツートンカラーのくたびれたカツラを手に取った。


 やはり長い事使っているので大分ボロボロになってしまった。


 しかし俺は別のものに買い替えるつもりはない。そんな事をするくらいならいっそハゲのままでも構わないだろう。


 何故ならこのカツラには、俺の守り神となってくれた大切な人達の魂が宿っているのだから。


(ありがとな、ヒナ、龍子りゅうこさん)


 俺は二人の恩人に感謝の想いを告げてからカツラをセッティングする。さて、それじゃあ今日も一日頑張るか。


 死んだ人間のためにも、って言葉はあまり好きじゃないけど……生かされた以上は生き抜かないとな。



 今日の朝食はニイノが釣ってくれた魚のマリネを用いたホットサンドだった。


 何の魚かはわからないが、原価がほぼゼロ円でもこんなオシャレなホテルで食べるとリッチに感じてしまう。


「フガー」


 ホテルから一歩外に出ると周辺は終末をイメージしたアミューズメント施設に様変わりし、衰退した人間の代わりにこの世界の覇権を握った謎生物がのんびりごはんを探していた。


 ガブリンは蝶々を見つけて興味を示しジャンプしてパクン、と美味しそうに食べる。可愛さと大自然の厳しさを感じる実に素敵な光景だ。


「ふーむ」


 しかし困った、安住の地に辿り着いたのはいいがする事がない。


 希典先生からは夢桜しばえもんとして小説を書きつつ頼まれ事をこなす様に言われているが、自由過ぎて何をすればいいのかわからない。


 勢いで短編小説を書き上げたはいいが、早い話がネタ出しに悩んでいた。小説なんてロクに書いた事もないし、一体次は何を書けばいいのだろう。


 取りあえずネタ探しも兼ねて皆の様子を見に行ってみようかな。

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